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去る11月4日、企業会計基準委員会は、第563回企業会計基準委員会を開催した。
主な審議事項は以下のとおり。
前回専門委員会(2025年11月20日号(№1760)情報ダイジェスト参照)に引き続き、実務対応報告公開草案70号「非化石価値の特定の購入取引における需要家の会計処理に関する当面の取扱い」について、審議が行われ、出席委員全員の賛成で公表議決された(11月11日に実務対応報告47号として公表)。
第559回親委員会(2025年11月1日号(№1758)情報ダイジェスト参照)に引き続き、企業会計基準公開草案87号「後発事象に関する会計基準(案)」等に寄せられたコメント対応が検討された。
今回は、会計監査人設置会社における確認日後に生じた修正後発事象の取扱い等に対するコメントへの対応が行われた。
公開草案にて、「会計監査人設置会社においては、(連結)計算書類等に関する確認日後、(連結)個別財務諸表の公表の承認日までに発生した会計基準案で示す修正後発事象の定義に該当する会計事象については、修正後発事象として取り扱わず、開示後発事象に準じて取り扱う」とする特例的な取扱いが提案されている。
事務局は、寄せられたコメントを踏まえ、本プロジェクトにおいて特例的な取扱いを維持することとする対応案を示した。
委員からは、異論は聞かれなかった。
事務局より、次回親委員会(11月18日開催予定)で、法人税等会計基準等の見直しにおいて審議されていた、実務対応報告公開草案「防衛特別法人税の会計処理及び開示に関する当面の取扱い(案)」の公表議決を行う旨が示された。
去る11月4日、企業会計基準委員会は、第562回企業会計基準委員会(第6回「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する公聴会)を開催した。
「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関して、財務諸表利用者から意見を聴取した。
次の利用者が説明を行った。
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・三瓶裕喜氏(アストナリング・アドバイザー合同会社 代表) ・大畠彰雄氏(野村アセットマネジメント㈱ サステナブル投資戦略室 室長) ・渡辺博紀氏( ㈱格付投資情報センター 格付本部 コーポレート4部長) |
説明者からは、のれんの非償却の導入について、「賛成。企業価値向上、コーポレート・ガバナンスの観点から、取締役の責任の意識づけが必要。また、投資家が求める会計基準は、保守的ではなく最も可能性が高いベースで考えてほしい」(三瓶氏)、「非償却と償却には、利用者にとってそれぞれメリット・デメリットが存在するので、中立」(大畠氏)、「バランスシート分析の観点からは、償却維持が有用な投資情報と考えられる」(渡辺氏)との説明がされた。
償却と非償却の選択の是非については、「会計基準が併存して、ますます複雑化する」(三瓶氏)、「企業間の比較可能性を害する可能性がある」(渡辺氏)と反対する意見が聞かれたほか、「中立。もし日本基準でのれんの処理を選択制とするなら、速報性の高い決算短信において当該選択を明確に記載する必要がある」(大畠氏)との意見もあった。
のれん償却費の計上区分の変更については、「支持しない。販管費から営業外費用または特別損失に変更すると、その計上区分の意味が不明瞭になる。また、のれん償却前営業利益およびのれん償却費を表示することも不要」(三瓶氏)、「のれん償却費の計上区分や金額が決算短信等で明確に開示されている場合、中立」(大畠氏)、「のれん償却を維持しつつ、比較可能性を確保するために、営業外費用、特別損失などは、のれん償却前営業利益の区分を設けるなどの工夫で対応可能」(渡辺氏)と説明された。
委員から、「非償却のほうが償却よりも、経営者の責任への意識づけができると考えるのはなぜか」との質問に「定期償却をしていると、よほどのことがない限り減損はされず、支払う買収プレミアムへの責任感が希薄になりがち」(三瓶氏)との回答があった。
また、「償却によりM&Aをしにくくなる側面はあるか」との質問に「償却・非償却との関係は薄い」(大畠氏)との回答があった。
今回までの公聴会で聞かれた意見は、企業会計基準諮問会議(11月17日開催予定)で報告される。
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