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去る11月17日、財務会計基準 機構内に設置されている企業会計基準諮問会議は第55回会合を開催した。
主な審議事項は以下のとおり。
前回会合で、のれんの非償却の導入(選択制)およびのれん償却費の計上区分変更についてテーマ提言されたことを受けて、これまで親委員会にて6回にわたり「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する公聴会が開催され、関係者から意見聴取を行った。今回、その内容が報告され、今後の進め方について検討が行われた。
公聴会での意見を聞く対象に、作成者としてスタートアップ以外の日本基準適用会社やIFRS会計基準適用会社、監査人として小規模監査法人、利用者として海外投資家などを追加すべきとの意見が聞かれた。
また、「のれんだけではなく、減損や無形固定資産の会計基準全体に関する議論に広げるべき」、「会社法上や税務上の取扱いのほか、単体財務諸表に適用される場合の影響も調査すべき」との意見が聞かれた。
議長から、2026年3月の次回本諮問会議に向けて、今回聞かれた意見を踏まえた意見聴取等の対応をASBJに依頼していく旨が示された。
本諮問会議では、これまで株式報酬の会計処理・開示(いわゆる現物出資構成による取引、現金決済型の株式報酬取引、インセンティブ報酬)について、新規テーマとするか否かの検討が行われてきた。
今回、本年4月から法務省法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会が株式の発行のあり方等について検討を始めており、会社法の改正の動向を見守る必要があること等から、提案者から本テーマの取下げの申入れが行われ、本諮問会議では、本テーマをいったん取り下げることが提案された。
委員から異論は聞かれなかった。
第564回親委員会で、本諮問会議議長から、これらの内容の報告がされた。
去る11月18日、企業会計基準委員会は、第564回企業会計基準委員会を開催した。
主な審議事項は以下のとおり。
現在審議中の法人税等会計基準等の見直しに係る改正後の会計基準等とは別に、短期的な対応を行うことを目的として、実務対応報告公開草案72号「防衛特別法人税の会計処理及び開示に関する当面の取扱い(案)」の審議が行われた。
2026年4月1日開始事業年度における防衛特別法人税の会計処理・開示に関する当面の取扱いを定めるもの。
出席委員全員の賛成で公表議決された(11月20日公表。コメント期限は2026年1月20日)。
第97回税効果会計専門委員会(2025年12月1日号(№1761)情報ダイジェスト参照)に引き続き、法人税等会計基準の見直しにおける住民税(均等割)の適用初年度の経過措置に関する再提案および文案検討が行われた。
住民税(均等割)に関する適用初年度について、当初、特段の経過措置を設けていないため、原則として過去の財務諸表について、新たな表示方法に従い財務諸表の組替えを行うことを提案していた。これに反対する意見が聞かれたため、「特段の条件を設けずに、住民税(均等割)に関して、適用初年度の比較情報の組替えを行うことを要しない旨を新たに追加する」との再提案が行われた。
委員からは賛成意見が聞かれ、「『要しない』ではなく『できる』規定に」との意見も聞かれた。
前回親委員会(2025年12月1日号(№1761)情報ダイジェスト参照)に引き続き、企業会計基準公開草案87号「後発事象に関する会計基準(案)」等に寄せられたコメント対応および文案の検討が行われた。
これまでの審議を踏まえ、文案において、後発事象を「決算日後に発生した企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす事象のうち、評価期間の末日までに発生した事象」と定義し、評価期間の末日を「原則として、財務諸表の公表の承認日」とする規定が追加された。
委員からは、賛意が聞かれた。
去る11月19日、政令380号「所得税法施行令の一部を改正する政令」が公布され、通勤のため自動車などの交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられた。翌日11月20日に施行され、本年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用される。
自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当について、1カ月当たりの非課税限度額が図表のように引き上げられる。
改正前にすでに支払われた通勤手当については、改正前の非課税限度額を適用したところで所得税および復興特別所得税の源泉徴収が行われているが、改正後の非課税限度額を適用した場合に過納となる税額がある場合には、本年分の年末調整の際に精算が必要である。

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