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パワハラを原因とした退職が会社都合となるのか、それとも自己都合となるのか判断に悩む企業担当者も多いのではないでしょうか。
離職理由の区分は失業給付だけでなく、企業リスクや社内対応にも大きく影響します。
本記事では、パワハラ退職の会社都合認定の考え方やハローワークの基準、企業がとるべき実務対応を整理して解説します。
労働者は法律上、2週間前までに意思表示をすることにより、理由を問わずいつでも退職できます。
ただし、パワハラが原因で就労の継続が困難な場合には、企業の安全配慮義務違反を理由に、事実上の即日退職が認められやすくなります。
そのため、パワハラを理由とした退職の場合、その区分が会社都合となるのか、自己都合と整理されるのかは実務上の重要な論点です。
パワハラの事実が認められ、その影響で就業継続が困難だったと判断される場合には、会社都合として扱われるケースが多く見られます。
パワハラとは、職場で優位な立場にある者が、業務上必要な範囲を超えて行う言動によって、相手の就業環境を害する行為を指します。
厚生労働省は、
「優越的な関係を背景とした言動」
「業務上相当な範囲を超える言動」
「就業環境を不当に害すること」
の三つを満たすものをパワハラとしています。
暴言や威圧的な指導、過大なノルマ設定、業務からの排除などが典型例ですが、同じ言動でも継続性や頻度、周囲の状況によって評価が異なるため、個別性の高い判断が求められます。
会社側が「自己都合退職」と主張している場合であっても、パワハラが退職理由として客観的に認められれば、ハローワークで会社都合として取り扱われることがあります。
ハローワークは企業側の主張ではなく、あくまで証拠や事実関係を基に判断します。そのため、客観的な資料を整理して相談に臨むことが重要です。
実務の現場では、企業の対応不足が退職の決定に影響したと評価される場合に会社都合と扱われる傾向があります。
たとえば、相談を受けながら十分な調査を行わなかったり、加害者への指導が不十分であったりといったケースでは、企業がパワハラを放置したと判断されやすく、会社都合となる可能性が高まります。
また、改善措置を講じたと説明していても、配置転換が実質的に不利益変更となっていたり、職場環境が改善されず精神的負荷が継続していた場合などは、退職の背景に企業側の対応が大きく影響したとみなされます。
このように、実務上の判断では“企業の対応がどの程度機能していたか”が中心的なポイントとなり、その内容次第で会社都合か自己都合かが左右されます。
パワハラを理由に退職した場合、問題となるのは退職理由の区分だけではありません。状況によっては、企業に対して複数の法的請求が行われる可能性があります。
慰謝料や未払い残業代、退職金などの金銭請求に加え、心身の不調が生じていた場合には、労災補償の対象となることもあります。
企業としては、どのようなリスクが発生し得るのかを事前に把握し、相談受付や調査の段階から適切な対応を取ることが重要です。
加害者の言動が社会通念上許容される範囲を明らかに超え、被害者が精神的苦痛を受けたと認められる場合には、企業や加害者本人の責任が問われる可能性があります。
特に職場環境の安全を確保する企業側の義務(安全配慮義務)を怠った場合は、企業の過失が認定され、損害賠償を請求されやすくなります。
慰謝料の金額は、行為の悪質性、継続期間、被害の程度、企業の初動対応などを総合的に判断して決まります。
相談を受けながら対応が遅れた場合や、記録管理が不十分で対応の経緯を証明できない場合には、企業側の過失が大きいと評価されるリスクが高まります。
パワハラが発生している職場では、長時間労働やサービス残業が生じやすく、退職後に未払い残業代を請求されるケースもあります。事実関係が確認されれば、企業には支払い義務が生じます。
また、退職金規程に基づき本来支給すべき退職金が支払われていなかった場合や、パワハラによって労働者の業務遂行能力が低下し損害が生じたと主張される場合には、追加の損害賠償請求が行われる可能性もあります。
いずれの場合も、企業が適切な労務管理や安全配慮義務を果たしていたかどうかが重要な判断要素となります。
パワハラによって精神疾患や体調不良を発症した場合、労災として認定される可能性があります。
労災認定のポイントは、業務による強いストレス要因と発症との間に相当因果関係があるかという点です。
厚生労働省は、暴言・過度な叱責・人格否定などの強度のストレス要因が継続していた場合には、労災の対象となり得るとしています。
労災認定後は医療費や休業補償が給付されますが、企業が安全配慮義務を尽くしていなかったと評価されると、管理体制が問われる可能性があります。
そのため、相談を受けた段階で迅速に事実調査を行い、必要に応じて産業医面談や職場環境の改善を実施するなど、早期対応が不可欠です。
離職による生産性低下だけでなく、金銭請求や会社都合扱いなどの法的リスクも発生します。
人事・管理部門は「法令で求められる義務」と「実務で求められる対応フロー」の両方を理解し、社内体制を整備しておく必要があります。
職場におけるパワハラ対策は、大企業は2020年6月から、中小企業についても2022年4月から義務付けられています。
企業はパワハラ防止方針を明確にし、相談窓口の設置や従業員への周知を行う必要があります。
また、ハラスメントが疑われる行為が発生した場合には、速やかに事実確認を行い、再発防止に向けた措置を講じなければなりません。
形だけ規程を作成するのではなく、相談しやすい体制の整備や、管理職向け研修による「正しい指導とパワハラの違い」の共有など、職場全体で実効性のある運用を行うことが重要です。
パワハラの相談を受けた際は、次の流れを意識してすぐに対応することが求められます。
担当者は事実関係を否定したり、判断を急いだりせず、まずは丁寧に状況をヒアリングする。相談内容は記録に残し、関係者が閲覧できないよう適切に管理する。
本人や加害者のみならず関係者への面談、記録の収集、メール・チャットログなどの確認を行う。中立性を保つために、複数名での調査が望ましい。
加害者への指導、配置転換、業務量の調整、メンタルサポートの提供など、状況に応じた措置を講じる。被害者が安心して働ける環境を整えることが最優先となる。
対応経緯を残しておくことで、後々トラブルが発生した際にも、企業が誠実な対応を行ったことを証明できる。
この一連の対応を迅速に行うほど、退職や訴訟リスクは大幅に低減します。
パワハラ退職は、企業の対応次第で会社都合と判断され、金銭請求や労災認定など大きなリスクにつながる可能性があります。
重要なのは、相談を受けた段階から、事実確認・記録管理・再発防止策まで一貫したフローで誠実に対応することです。
また、パワハラ防止法に基づく体制整備や管理職教育を日常的に行うことで、トラブルの発生そのものを防ぐことができます。
退職理由の判断に悩まないためにも、企業は「相談しやすい環境づくり」と「迅速・中立な調査」を軸に運用を見直し、従業員が安心して働ける職場づくりを進めていくことが求められます。
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