レピュテーションリスクとは?企業の信頼を守るための原因・影響・対策を解説

公開日2026/01/04 更新日2025/12/23 ブックマーク数
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レピュテーションリスクとは?企業の信頼を守るための原因・影響・対策を解説

企業にとってレピュテーション(評判・信用・風評・評価)は、取引先との信頼関係や優秀な人材の確保、株価・ブランド価値など、目に見えない“無形資産”を支える重要な要素です。
しかし一度信用を失うと、回復に長い時間と多額のコストがかかり、取引や売上への影響も避けられません。

本記事では、レピュテーションリスクの基本概念から主な原因と経営への影響、さらに管理部門が日常業務の中で取り組める実務対策までを解説します。

[ 目次 ]

レピュテーションリスクとは

経済産業省の「先進企業から学ぶ事業リスクマネジメント 実践テキスト」によれば、

レピュテーションリスク(レピュテーショナルリスク)とは、企業に関する否定的な評価・評判が世 間に周知されることで企業の信用やブランド価値等が悪化し、結果的に損失を被るリスクをいいます。 引用元:経済産業省「先進企業から学ぶ事業リスクマネジメント 実践テキスト」
と定義されています。

取引先や顧客、株主、従業員、地域社会など、幅広いステークホルダーからの信頼を失えば、事業活動そのものが揺らぐため、無視できない経営課題です。

近年このリスクが一段と注目される背景には、次のような社会環境の変化があります。

SNSや口コミサイトの普及:情報が瞬時に拡散し、小さな不備でも炎上や不買運動に発展しやすい。

コンプライアンス重視の社会風潮:不祥事やハラスメントの報道が企業イメージに直結し、取引停止や株価下落を招く事例が増加。

ESG・人権意識の高まり:環境問題・差別・労働環境への批判がブランド毀損の原因となり得る。

オペレーショナルリスクやブランドリスクとの違い

レピュテーションリスクに似た言葉として、オペレーショナルリスク(業務リスク)やブランドリスクがありますが、それぞれ対象や影響の範囲が異なります。

オペレーショナルリスク

オペレーショナルリスクとは、業務プロセスの不備・人為ミス・システム障害など、社内要因によって損失が発生するリスクのことです。
多くの場合、レピュテーションリスクの「原因」となり得ます。

代表例:会計システムの誤作動による誤請求、個人情報漏えいなど。

ブランドリスク

ブランドリスクは、品質・顧客体験・広告表現などの不整合や不適切使用により、ブランド資産が棄損するリスクのことです。
ブランド毀損が深刻化すると、企業全体の評判に影響し、レピュテーションリスクへ波及します。

代表例:商品表示の不統一、広告表現の不適切など。

レピュテーションリスクは「最終的な評判の毀損による損失」を指し、原因となる事象は社内外さまざまです。

レピュテーションリスクを引き起こす主な要因

レピュテーションリスクは単なるイメージ低下ではなく、具体的な出来事や情報発信が原因となって短期間で拡大します。
特に注意すべき3つの要因を紹介します。

1. 不祥事・コンプライアンス違反・内部告発

法令違反、不正会計、ハラスメント、個人情報漏えいなどは最も典型的なレピュテーションリスクにつながる要因の例です。
内部告発や調査報道をきっかけに事実が公になれば、社会的批判が急速に高まり、株価下落・取引停止・行政処分といった直接的損害につながります。

レピュテーションリスクの影響を最小限にとどめるため、不正発覚時の初動フロー(事実確認・社内共有・情報開示手順)の明文化しておくことが大切です。

2. 品質不良やサービス低下による顧客離れ

仮に1つ1つ小さな出来事であっても、製品やサービスの欠陥、納期遅延、サポート対応の不備なども顧客の不信感を招きます。

特にBtoB取引では、契約打ち切りや取引停止に直結し、長年培った信用を一度に失うリスクがあります。

3. 根拠のない風評被害やSNS炎上

事実に基づかないデマや一部の誤情報がSNS・掲示板で拡散し、短時間で企業イメージが毀損されるケースも増えています。

投稿者が匿名の場合も多く、真偽確認や発信元の特定が難しいため、対応の遅れがさらなる炎上を招くことがあります。

企業が受けるレピュテーションリスクの影響とは

レピュテーションリスクは、収益・人材・ブランドの3方向に深刻な実害をもたらします。 主な影響を以下に整理します。

1. 取引停止・株価下落・法的リスクが発生する

企業不祥事やSNS炎上が表面化すると、取引先は与信リスクを回避するため契約の見直しや停止に踏み切ることがあります。
特にコンプライアンスを重視する金融機関や上場企業などの取引では、信用失墜が即座に契約解除へつながりやすく、売上減少は避けられません。

また上場企業では株価下落による時価総額の減少だけでなく、状況によっては株主代表訴訟や開示義務違反を巡る責任追及に発展する場合もあり、法的リスクへの備えが必要となります。

2. 優秀人材の流出・採用難が長期化する

ネガティブな報道やSNS炎上は、従業員のエンゲージメントを低下させ、 「この会社に将来性はあるのか」という不安から、特に優秀層や若手の人材が流出しやすくなります。

さらに採用市場で悪評が広がると応募者数が減り、人材確保の困難化・採用コスト増・教育コスト増が連鎖的に発生し、人材不足による生産性の低下は中長期の経営課題となります。

3. 信頼回復コストとブランド毀損に影響する

一度失った信用を回復するには、謝罪・原因究明・再発防止策の公表・広報活動などに多くの時間と費用がかかります。

例として、記者会見準備、専用カスタマー窓口の設置、外部コンサルタントの活用など、想定外の支出が増大します。

さらに、ブランド毀損は短期間で回復するものではなく長期にわたり売上や市場シェアの縮小を招きます。

管理部門が今すぐできるレピュテーションリスク対策3選

レピュテーションリスク対策は経営戦略や広報だけの課題ではなく、日々の規程整備や監視体制づくりを担う管理部門が、リスク管理することが重要です。

特に専門部署を持たない中小企業では、管理部門が全社の調整役となることが求められます。ここではすぐに着手できる3つの実務を紹介します。

1. リスクマップを作成し優先度を決める

まずは自社に潜むリスクを洗い出し、影響度×発生確率で分類するリスクマップを作成します。

・直近3〜5年のトラブル事例やヒヤリハットを洗い出す
・発生確率と影響度でマトリクスに整理し、重要度の高いものを優先的に対策する
・半期〜年次で見直し、経営環境の変化を反映する

ポイント:リスクを可視化することで、経営層への説明資料や改善計画の根拠として活用できます。

2. 社内規程・マニュアルを整備し周知する

平常時にルールと対応フローを整えておくことが、危機発生時の混乱を防ぐ鍵です。 以下に例を挙げます。

・コンプライアンス・SNS利用・内部通報などの規程を最新法令に合わせて更新する
・炎上時の初動フロー(誰が発言するか、記者会見や声明の手順)を明文化する
・研修・eラーニング・机上訓練を活用し、全社員の理解度を確認する

ポイント:規程は作るだけでは不十分で、現場が即応できるレベルで浸透させることが重要です。

3. SNS・ネットモニタリングを仕組み化する

風評や炎上の兆候をいち早くつかむため、監視体制と連携ルールを整えます。

・専用ツールでSNS・掲示板・ニュースサイトを自動監視する
・アラート発生時は管理部門が窓口となり、広報・CSとすぐに事実確認する
・監視結果や対応履歴をケース台帳に記録し、定期的に経営層へ報告する

ポイント:情報拡散が広がる前に初動を打つことで、被害を最小化でき、説明責任を果たす準備ができるでしょう。

まとめ

レピュテーションリスクは、企業の信頼・売上・人材・ブランド価値に深刻な影響を与える可能性があります。
一度失った信用を取り戻すには時間とコストがかかるため、発生した事態等に対し誠実に対応することは当然ですが、その影響を最小限にするため平常時からの予防と初動対応の迅速さが欠かせません。

管理部門は、日常業務の延長線上でできる対策から着手することが重要です。
まずは自社のリスクマップを作成し、社内規程やモニタリング体制を見直すことから始めてみましょう。早めの一歩が、将来の信用を守る大きな力になります。

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