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決算書が赤字の時に見るべき場所とは?原因の読み解き方と改善策を徹底解説

公開日2026/01/16 更新日2026/01/15 ブックマーク数
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決算書が赤字の時に見るべき場所とは?原因の読み解き方と改善策を徹底解説

決算書に赤字の数字が並んでいるのを目にすると、多くの経営者や経理担当者にとって胸がざわつく瞬間になるものです。
ですが、その赤字が必ずしも会社の危機を意味するとは限りません。
将来の成長に向けた先行投資による一時的な赤字もあれば、事業構造そのものに課題がある深刻な赤字もあります。
重要なのは「赤字の正体を正しく見極めること」です。

本記事では、決算書のどこを重点的に確認すべきか、そしてそこからどのように原因を読み解き、改善策を導くのかを、実務担当者が明日から使える具体的なステップで整理します。

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[ 目次 ]

ステップ①:慌てる前に知る。「良い赤字」と「悪い赤字」の見分け方

赤字決算に直面すると、多くの担当者は「すぐに対策を取らなければ」と焦ってしまいがちです。
しかし、すべての赤字が同じ意味を持つわけではありません。
中には将来の成長のために必要な「良い赤字」もあれば、放置すると経営悪化につながる「悪い赤字」もあります。
まずは赤字に対する正しい理解を持つことで、冷静に現状を分析できるようになります。

赤字決算の基本的な意味(単年度赤字と累積赤字)

赤字決算には大きく分けて「単年度赤字」と「累積赤字」の2種類があります。
単年度赤字は、その年の収益や支出のバランスが崩れた結果、一時的に利益がマイナスになる状態を指します。

一方で、複数年度にわたって赤字が続き、純資産を食いつぶす状態になると「累積赤字」となり、会社の財務体質に深刻な影響を及ぼします。
単年度赤字であれば改善の余地がありますが、累積赤字に陥った場合は経営の抜本的な見直しが不可欠です。

損益計算書で見る「3つの赤字」の意味

損益計算書には、赤字の性質を読み解く重要な手がかりが隠されています。

  • 営業赤字:本業の収益力が不足している状態で、商品やサービスの売上から販売費や管理費を差し引いた結果がマイナスになる場合です。
    事業そのものに課題があると考えられます。
  • 経常赤字:本業の収益があっても、借入金の利息や為替差損などの財務負担によって利益が吹き飛んでいる状態です。
    資金調達や財務構造に問題が潜んでいることが多いです。
  • 当期純損失:本業や財務活動は黒字でも、一時的な特別損失(例:災害による損失、大規模な減損処理)が原因で赤字となる場合です。
    継続的な問題ではない可能性が高いため、次年度以降に立て直せるケースもあります。

未来への投資である「良い赤字」とは

「良い赤字」とは、将来の成長を見据えた投資によって発生する赤字のことです。
設備投資や研究開発、スタートアップにおける人材採用や広告宣伝などが代表例で、短期的には損失でも長期的には収益拡大につながるため、必ずしも悲観する必要はありません。

事業の構造的問題を示す「悪い赤字」とは

「悪い赤字」とは、事業の競争力低下や構造的な問題が原因で発生する赤字です。
売上減少や原材料高騰による利益圧迫、固定費の増大などが典型例で、放置すれば資金繰り悪化や債務超過に直結します。
複数年度にわたり続く場合は、抜本的な事業見直しや戦略転換が不可欠です。

ステップ②:診断結果に基づく「改善策」を立てる

決算書の分析によって赤字の原因を特定できたら、次のステップは「改善策」を講じることです。
対策は大きく、すぐに実行可能な短期的な対応と、会社の体質そのものを変えていく中長期的な取り組みに分けられます。
赤字の深刻度や原因に応じて、両者をバランスよく組み合わせることが重要です。

短期的な対策(止血・資金繰り改善)

短期的な改善策は、文字通り「出血を止める」ための応急処置です。
資金繰りが逼迫している場合、スピード感を持って実行することが求められます。

  • 不要な経費の削減:広告宣伝費や外注費など、すぐに見直せる支出から削減を検討します。
    特に「慣習的に支出しているが効果が見えにくい費用」は削減候補になりやすいです。
  • 遊休資産の売却:使われていない不動産や余剰設備を売却して現金化することで、資金繰りを一時的に改善できます。
  • 金融機関との交渉:追加融資を受ける、あるいは返済条件を緩和する(リスケジュール)ことで、当面の資金ショートを回避できます。
    交渉の際は、赤字の原因と改善計画を誠実に説明することが不可欠です。

こうした短期的な対策は根本的な解決にはなりませんが、会社の存続を守り、次の中長期的な取り組みに移るための時間を稼ぐ意味があります。

中長期的な対策(体質改善・収益力向上)

赤字の根本解決には、会社の収益構造や業務体制そのものを見直すことが必要です。
これには時間と労力を要しますが、持続的な成長を実現するために避けて通れません。

  • 不採算事業からの撤退:継続して赤字を生み出している事業を整理し、収益性の高い事業に経営資源を集中させます。
  • 新商品・サービスの開発:市場のニーズに応える新しい提供価値を生み出すことで、売上の底上げを図ります。
  • 価格設定の見直し:原価や競合状況を踏まえて販売価格を適正化し、利益率を改善します。
    値上げが難しい場合でも、サービスの付加価値を高める工夫が有効です。
  • 業務効率化(DXの活用):経理・人事・総務といった間接部門の業務をクラウドサービスや自動化ツールで効率化し、固定費を削減します。
    これにより、収益性の改善と働き方改革を同時に実現できます。

短期的な「止血策」と、中長期的な「体質改善」を両輪で進めることで、赤字を一時的に乗り越えるだけでなく、将来の収益力を強化することが可能になります。

ステップ③:赤字決算を、ステークホルダーにどう説明するか

赤字決算は、社内外のステークホルダーに少なからず不安を与えるものです。
しかし、説明の仕方次第で信頼を維持・向上させることも可能です。
大切なのは「原因を隠さずに伝えること」と「今後の改善策を具体的に示すこと」です。
誠実で論理的な説明を行えば、むしろ経営改善に向けた本気度を示す機会にもなります。

金融機関(銀行)への説明ポイント

銀行にとって赤字決算は融資先の信用リスクを測る重要な材料です。
そのため、説明は特に慎重かつ丁寧に行う必要があります。

  • 赤字の原因を明確にする:例えば「一時的な投資による費用増加」「原材料価格の高騰」など、客観的な事実を根拠とともに示します。
  • 改善策を提示する:経費削減や不採算事業からの撤退、新商品の投入など、既に取り組んでいる施策や今後の計画を具体的に説明します。
  • 返済計画を論理的に示す:資金繰り改善の見通しやキャッシュフロー計画を数字で提示し、返済能力があることを納得してもらうことが重要です。

誠実で透明性のある説明を行うことで、銀行との信頼関係を損なうことなく、追加融資や条件変更(リスケジュール)を引き出せる可能性も高まります。

取引先・株主・従業員への説明ポイント

赤字決算は、金融機関だけでなく取引先や株主、さらには従業員にとっても関心の高い事柄です。
ここでの説明を誤ると、信用不安やモチベーション低下を招きかねません。

  • 取引先への説明:赤字が原因で「支払いが滞るのでは」といった不安を持たれないよう、資金繰りや業務の継続性について安心材料を示すことが大切です。
    場合によっては、改善策や新規事業の進展を共有することで前向きな姿勢を伝えます。
  • 株主への説明:株主は経営方針と将来性に注目しています。
    赤字の要因と改善策を誠実に説明するとともに、中長期的な成長戦略や利益回復シナリオを提示することで、投資家としての安心感を確保します。
  • 従業員への説明:従業員にとって赤字決算は雇用や待遇に直結する問題です。
    不安を放置すれば離職につながるリスクもあります。
    赤字の現状を率直に伝えつつも、「改善に向けた具体的な取り組み」と「従業員と共に乗り越えていく姿勢」を明確に示すことが重要です。

赤字決算に関するよくある質問(FAQ)

赤字決算については、実務担当者からよく寄せられる具体的な疑問があります。
ここでは、特に多い質問にわかりやすく答えていきます。

Q. 赤字決算でも税金は必要?

法人税は発生しませんが、消費税・固定資産税・法人住民税(均等割)などは赤字でも支払いが必要です。

Q. 2期連続赤字だと銀行融資は受けられない?

必ずしも融資が止まるわけではありません。
赤字の原因と改善計画を誠実に示せば、支援が継続される可能性があります。

Q. 債務超過とは?

負債が資産を上回り、純資産がマイナスの状態。
融資困難や倒産リスクが高まり、抜本的な対策が必要です。

Q. 粉飾決算はなぜNG?

法律違反であり、発覚すれば信用を失い事業継続が困難になります。
短期的な見せかけの利益は長期的に会社を危うくします。

まとめ

赤字決算は望ましい状況ではありませんが、会社の弱点を客観的に示す「健康診断」の役割を果たします。
売上構造やコスト、資金繰りを見直すきっかけと捉え、財務三表を冷静に分析し改革を実行することが、より強い組織への成長につながります。

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