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未払金と未払費用の違いとは?仕訳例を使い経理担当者にわかりやすく解説

公開日2026/02/13 更新日2026/02/12 ブックマーク数
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未払金と未払費用の違いとは?仕訳例を使い経理担当者にわかりやすく解説

未払金と未払費用は、どちらも「まだ支払っていないお金」を表す負債ですが、「何に対する未払いか」「取引の継続性」「サービス提供期間」の違いで使い分けます。

本記事では、この2つの勘定科目の基本的な考え方から具体的な仕訳例、実務で迷いやすいケースや注意点まで、経理担当者が現場で使い分けできるようにわかりやすく解説します。

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[ 目次 ]

未払金と未払費用の違いとは

未払金と未払費用は、どちらも「まだ支払っていないお金」を表す負債ですが、何に対する未払いかと取引の継続性で使い分けます。
単発の物品・サービスの後払いなら未払金、家賃や光熱費・通信費・給与など継続的に発生する費用の当期未払分なら未払費用と整理すると判断しやすくなります。

未払金 未払費用
継続性 単発・スポット取引 継続的な取引
計上 取引は完了しているが、
支払のみ未了
発生主義に基づき
当期分を見越計上
具体例 ・パソコン
・オフィス備品
・広告出稿料
・家賃
・水道光熱費
・通信費

未払金とは

未払金は、通常の営業活動以外で発生した、単発的な取引で生じた債務の未払い分に使う勘定科目です。
継続的にサービスの提供を受けているが、請求書が届いていないなど、提供を受けた分の支払いが終わっていないものを計上するためのパソコンやオフィス備品、買切りソフト、単発の研修受講料や広告出稿料、登録免許税・仲介手数料など、スポットの取引で代金を後払いにした場面で発生します。

未払費用とは

未払費用は、継続的にサービスの提供を受けているが、請求書が届いていないなど、提供を受けた分の支払いが終わっていないものを計上するための勘定科目です。
水道光熱費や通信費、給与・賞与、税理士・社労士など専門家の月次報酬、社会保険料など、継続的なサービス提供に対応する当期分の費用を、請求・支払が翌期でも見越計上することで、収益と費用の期間対応を適切に行います。

未払金と未払費用の仕訳例

未払金はパソコン・備品購入や旅費精算など単発取引の後払いを、未払費用は水道光熱費・通信費・給与・税理士報酬など継続的サービスの当期未払分を、発生主義に基づき費用と対応させて仕訳します。

未払金の仕訳例

未払金の仕訳では、パソコンや備品の掛け購入、旅費交通費の後日精算、スポットの外部サービス利用など、単発取引の未払い代金を「費用・資産/未払金」で計上し、支払時に未払金を消し込む流れを押さえることが重要です。

パソコンの購入代金を翌月払い(200,000円)の場合

●購入時:

借方 貸方
工具器具備品 200,000円 未払金 200,000円

●翌月支払時:

借方 貸方
未払金 200,000円 普通預金 200,000円

備品の請求書が月末に届いた(50,000円)の場合

●請求書受領時:

借方 貸方
消耗品費 50,000円 未払金 50,000円

●支払時:

借方 貸方
未払金 50,000円 現金 50,000円

旅費精算の未払い(法人カード利用、30,000円)の場合

●カード利用時:

借方 貸方
旅費交通費 30,000円 未払金 30,000円

●カード会社への支払時:

借方 貸方
未払金 30,000円 普通預金 30,000円

未払費用の仕訳例

水道光熱費や通信費、給与・賞与、税理士報酬など、継続的なサービスに係る当期分の未払いを、決算や月末時点で見積もって「費用/未払費用」として計上し、請求書到着や支払時に未払費用を振り替える一連の流れを押さえることがポイントとなります。

水道光熱費の月末見越(仮に当月分を80,000円と見積もる場合)

借方 貸方
水道光熱費 80,000円 未払費用 80,000円

給与・賞与の計上(未払給与300,000円、未払賞与500,000円の場合)

借方 貸方
給与手当 300,000円 未払費用 300,000円
賞与 500,000円 未払費用 500,000円

税理士報酬の役務未払い(当期分顧問料を40,000円とする場合)

借方 貸方
支払手数料(税理士報酬) 40,000円 未払費用 40,000円

判断に迷いやすいケース別の仕訳

社会保険料の会社負担分・従業員負担分や、レンタルサーバー・クラウドサービスの月額課金などは、未払金と未払費用が混在しやすい代表的な取引です。
このような取引は、「物の取得かサービス利用か」「継続的な費用かどうか」「請求・支払のタイミングはいつか」を軸に、具体例を通じて勘定科目と仕訳パターンを整理していくことが重要です。

社会保険料

●社会保険料(発生主義)の例(当月分の会社・従業員負担合計を200,000円とする場合)

借方 貸方
法定福利費 200,000円 未払費用 200,000円

社会保険料は毎月継続的に発生し、当月分の費用をその月の人件費として認識したい科目のため、「継続的なサービスの当期分未払い」を表す未払費用で処理します。

レンタルサーバー・クラウドサービス

●レンタルサーバー・クラウドサービス(決算日までの利用分を60,000円と見積もる場合)

借方 貸方
通信費 60,000円 未払費用 60,000円

レンタルサーバーやクラウドは、一定期間にわたりサービス提供を受ける継続利用型の費用なので、決算日時点で利用済みの当期分は未払費用として見越計上します。

月額課金

●月額課金の扱い(当月分未払30,000円、単発導入費用:100,000円の例)

当月分未払:

借方 貸方
通信費 30,000円 未払費用 30,000円

当月にサービス提供を受けているにもかかわらず支払が翌月になるため、「当期分の未払い費用」である未払費用を用います。

●単発導入費用(ソフトウェア導入費用 100,000円)の場合

借方 貸方
ソフトウェア 100,000円 未払金 100,000円

システム導入費用など一度きりの「物・権利の取得」に近い支出であり、継続的サービスではないため、単発取引の未払いを表す未払金で処理します。

未払金と未払費用を間違えた場合のリスク

未払金と未払費用の区分ミスは税額への影響こそ小さいものの、費用計上のタイミングを誤る原因になり、期間対応が崩れるリスクがあります。
見越計上の誤りとして税務調査で指摘されたり、金融機関や投資家から決算書の信頼性を疑われる可能性もあるため、請求書未着分や人件費・社会保険料を含めて区分を丁寧に確認することが重要です。

税務調査で指摘されやすいポイント

未払金・未払費用の区分自体は税務上大きな影響を与えないことが多いものの、発生主義に反した計上タイミングの誤りは、税務調査で指摘対象になりやすい項目です。
特に、請求書未着を理由に費用計上漏れが発生すると、課税所得が過大になり、当期の税金が本来よりも多くなってしまうリスクがあります。

決算で誤りやすい項目

決算で誤りやすい項目としては下記が挙げられます。
請求書未着の月次計上漏れ:光熱費・通信費・専門家報酬など、請求書ベースだけで処理していると見越計上漏れが発生しやすい項目です。
社会保険料・給与計上のズレ:締め日と支払日のズレを加味せずに、支払ベースでしか計上していないと、人件費が期間対応できなくなります。

未払金と未払費用の違いでよくある質問(FAQ)

Q1. 通信費は未払金ですか?未払費用ですか?

通信費は、原則として継続的に提供されるサービスであり、その月の利用分を当月の費用として計上するため、未払費用で処理するのが基本です。
ただし、スポットの回線工事費用や機器購入分などは未払金が適切な場合もあるため、「継続利用か単発取得か」で判断します。

Q2. 社会保険料は未払金か未払費用か?

社会保険料は、給与と一体となって毎月発生する継続的な費用であるため、発生主義の観点からは未払費用とするのが適切です。
もっとも、実務上は請求書を基準に未払金で処理している会社もあり、どちらを使うかよりも、同一会社内で処理方法を統一することの方が重要です。

Q3. 未払金・未払費用は必ず正確に使い分けるべき?

税額への影響だけを見れば、未払金か未払費用かの違いで即座に大きな差が出ることは多くありません。
しかし、勘定科目ごとの内訳や期間対応の正確性、金融機関・株主への説明力を考えると、区分を整理しておくことは決算の信頼性向上につながります。

まとめ

未払金・未払費用は、いずれも「未払いの債務」を表す負債科目ですが、「何に対する未払いか」「取引の継続性」「サービス提供期間」の3つを意識すると実務上の使い分けが明確になります。

特に、給与・社会保険料・通信費などのグレーゾーン科目は、社内で方針を決めて継続的に運用し、決算時の見越計上を徹底することが重要です。

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