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決算整理仕訳とは?仕訳例でわかる基本と実務の注意点

公開日2026/02/14 更新日2026/02/13 ブックマーク数
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決算整理仕訳とは?仕訳例でわかる基本と実務の注意点

決算期が近づくと、期中は問題なく記帳してきたはずなのに「残高に違和感がある」と手が止まることがあります。
原因は、支払や入金のタイミングと、当期に帰属させるべき収益・費用のズレにあります。
そこで欠かせないのが、決算整理仕訳による期末調整です。

本記事では、決算整理仕訳の基礎的な考え方から、未払費用・前払費用、引当金などの代表的な決算整理仕訳例、実務でミスを防ぐチェックポイントまでを、経理担当者向けにわかりやすく整理します。

[ 目次 ]

決算整理仕訳とは

決算整理仕訳とは、決算期末において、期中の取引処理だけでは反映しきれていない収益・費用や資産・負債の状態を調整するために行う仕訳を指します。
日々の記帳は取引発生時点で処理されますが、それだけでは「当期に帰属すべき金額」が正確に整理されていないケースも少なくありません。
そこで、決算時点で必要な調整を行い、財務諸表を確定させるのが決算整理仕訳の役割です。

決算整理仕訳の定義

決算整理仕訳とは、企業の会計期間の末日において、発生主義の考え方に基づき、当期分として計上すべき収益・費用や資産・負債を確定させるための調整仕訳です。
前払費用や未払費用、未収収益、棚卸資産の評価など、期中の通常仕訳では未処理となっている項目を洗い出し、帳簿残高を実態に即した形へ修正します。

この仕訳を通じて、損益計算書や貸借対照表が当期の経営実態を正しく反映した内容となり、決算書としての信頼性が担保されます。

なぜ決算整理仕訳が必要なのか

決算整理仕訳が必要とされるのは、決算期末時点で当期に属する損益を正確に確定させるためです。
日常の仕訳がすべて取引発生時点で処理されるわけではなく、現預金の動きに合わせて処理されることもあるため、費用や収益が会計期間と一致しないケースも少なくありません。

決算整理仕訳では、発生主義に基づき前払費用や未払費用、未収収益などを調整し、損益計算書と貸借対照表の数値を適切に期間帰属させることで実態に即したものへ修正します。
これを怠ると、利益が過大・過小に表示され、決算書の信頼性が損なわれるおそれがあります。

決算整理仕訳の手順

決算整理仕訳は、例外はあるにせよ、比較的パターン化しているものも多く、一定の順序に沿って進めることでミスや漏れを防ぐことができます。
ここでは、決算整理前の確認作業から、仕訳の反映・チェックまでを一連の流れとして整理し、実務で押さえておきたいポイントとあわせて解説します。

Step1:決算整理前残高試算表を作成する

最初に行うのが、決算整理前残高試算表の作成です。
期中に入力したすべての仕訳を集計し、各勘定科目の残高が正しく反映されているかを確認します。
借方・貸方の合計が一致しない場合や、明らかな数値の違和感がある場合は、この段階で原因を特定し、修正しておく必要があります。

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Step2:売上計上漏れがないか確認する

次に、売上が適切な期間に計上されているかを確認します。
納品書や検収書、請求書と帳簿を突き合わせ、取引の実態と記帳内容にズレがないかをチェックします。
入金基準がなじむケースは例外的で、むしろ業種、業態に応じ、出荷基準や検収基準といった取引が成立したタイミングを基準に計上されているかが重要なポイントです。

Step3:現預金残高と帳簿残高を照合する

現金や預金については、実際の残高と帳簿上の金額が一致しているかを確認します。
差異が生じている場合は、一時的に過不足として整理し、原因を調査します。
最終的に理由が特定できない場合には、適切な勘定科目で処理を行います。

Step4:当期に帰属する費用を計上する

請求書が未着であっても、当期中に発生していることが明らかな費用については、未払費用などとして当期分に計上します。
家賃や水道光熱費、外注費などは漏れやすいため、契約内容や過去実績を踏まえて確認することが重要です。

Step5:棚卸資産を確定させる

期末時点で保有している棚卸資産について、実地棚卸の結果を参考に数量や状態を確認し、帳簿上の在庫として確定させます。
あわせて、価値が下落している資産がないかを確認し、必要に応じて評価損を計上することで、売上原価や利益を適正な金額に調整します。

Step6:固定資産の減価償却を行う

建物や設備、車両などの固定資産については、決められた償却方法と耐用年数に基づき、当期分の減価償却費を計上します。
固定資産台帳をもとに、取得価額や償却方法に誤りがないかを確認し、継続適用の原則にも注意が必要です。

Step7:有価証券の評価を見直す

保有している有価証券については、期末時点の時価を確認し、取得原価との差額が重要と判断される場合には評価損を計上します。
評価方法は有価証券の種類や保有目的によって異なるため、評価単位や基準を事前に整理しておくことが欠かせません。

Step8:引当金等を計上する

売掛金や貸付金などの債権について、将来回収できない可能性を見積もり、貸倒引当金を設定します。
債権の内容や回収状況を踏まえ、合理的な金額を算定し、当期の費用として処理します。

このほか賞与や退職金についても、当期発生分が1年分計上されるように、社内規程にしたがって賞与引当金や退職給付引当金を計上します。
さらに固定資産についても減損会計にしたがって使用価値や売却価値の減少見合いを減損損失として計上します。

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Step9:仕訳の反映と最終確認を行う

決算整理仕訳は仕訳帳に記録したうえで、総勘定元帳へ正確に転記します。
さらに、精算表を作成することで、各調整仕訳が損益や残高にどのような影響を与えているかを一覧で確認でき、チェック精度が高まります。

決算整理仕訳の具体例

決算整理仕訳では、期中の通常仕訳だけでは整理しきれない「期間ズレ」を調整します。
ここでは、実務で特に登場頻度の高い代表的な項目について、考え方と仕訳例を確認します。

未払費用の仕訳例

未払費用とは、当期中にサービスの提供を受けているにもかかわらず、支払が翌期以降となる費用を指します。
請求書の未到着や支払サイトの関係で、期末時点では支払が完了していないケースが典型です。

決算時点で、当期分の給与50,000円が未払の場合

借方 貸方
給料 50,000円 未払費用 50,000円

この処理により、当期の費用として正しく計上されると同時に、貸借対照表には未払分の負債が反映されます。

未収収益の仕訳例

未収収益は、当期中に収益が発生しているものの、対価の受取が翌期以降となる場合に計上します。
利息収入や継続契約に基づくサービス提供などで発生しやすい項目です。

当期分の受取利息1,000円が翌期入金となる場合

借方 貸方
未収収益 1,000円 受取利息 1,000円

収益を当期に帰属させることで、期間損益のズレを防ぎます。

前払費用の仕訳例

前払費用とは、すでに支払済みだが、サービスの提供が翌期以降となる費用です。
保険料や家賃、システム利用料などで多く見られます。

1年分の保険料10,000円を支払済みで、当期対応分が6か月分の場合

借方 貸方
前払費用 5,000円 保険料 5,000円

当期に対応しない分を資産として繰り延べることで、費用の計上期間を調整します。

前受収益の仕訳例

前受収益は、代金は受領しているものの、サービス提供が翌期以降となる収益を指します。
契約期間にまたがる利息収入や利用料などが該当します。

1年分の貸付金利息10,000円を受領し、当期対応分が6か月分の場合

借方 貸方
受取利息 5,000円 前受収益 5,000円

翌期対応分を負債として処理することで、当期の収益を適正額に調整します。

減価償却費の仕訳例

減価償却費は、固定資産の取得価額を耐用年数にわたって費用配分する処理です。
決算整理仕訳では、当期分の償却額を計上します。

建物の当期分減価償却費10,000円を計上

借方 貸方
減価償却費 10,000円 減価償却累計額 10,000円

この方法により、資産の帳簿価額と費用配分を明確に管理できます。

貸倒引当金の仕訳例

貸倒引当金は、売掛金などの債権が将来回収不能となるリスクに備えて設定する引当金です。
決算時に貸倒見積額を費用として計上します。

売掛金10,000円に対し、貸倒実績率5.5%を引当

借方 貸方
貸倒引当金繰入 550円 貸倒引当金 550円

これにより、当期の損益にリスクを織り込むと同時に、債権残高の実態を反映できます。

決算整理仕訳時のチェックポイント

決算整理仕訳は、単なる仕訳入力ではなく、当期の期間損益や期末時点の財政状態の数値が実態を正しく反映しているかを確認する重要な工程です。
確認不足があると、小さなミスが決算書全体の信頼性低下につながります。
ここでは、決算整理仕訳時に押さえておきたい主なチェックポイントを整理します。

期中の仕訳が正しく入力されているかを見直す

決算整理仕訳の前提となるのは、期中仕訳の正確性です。
現預金や売掛金などの主要科目について、帳簿と証憑を照合し、入力漏れや金額誤りがないかを確認します。
期中仕訳に誤りがあると、経過勘定や引当金にも影響が及ぶため、事前確認が欠かせません。

前期の決算整理仕訳と照らして確認する

前期との比較は、計上漏れや判断ミスを防ぐ有効な手段です。
経過勘定や減価償却、引当金など毎期発生する処理は、前年と大きな差がないかを確認し、差異がある場合は理由を確認します。

実態に即した勘定科目を選択できているか

取引内容や認識時点に応じて、適切な勘定科目を選択することが重要です。
前払・未払・当期費用などの使い分けを誤ると、取引の実態が決算書に反映されなくなるため、会計方針や経理規程といった社内ルールとの整合性を確認します。

科目ごとの増減に不自然な点がないかを確認する

勘定科目ごとの残高を前期や月次実績と比較し、不自然な増減がないかを確認します。
引当金や棚卸資産など変動の大きい項目は、数値の根拠を説明できる状態にしておくことが重要です。

決算整理後の勘定残高が妥当かを検証する

決算整理仕訳を反映した後は、各勘定科目の残高が妥当かを最終確認します。
現金・預金・棚卸資産などは現物が反映された実地棚卸結果や現金有高報告と照合し、帳簿間の整合性もあわせてチェックします。

会計基準・社内ルールに沿った処理になっているか

減価償却や引当金などは、会計基準や社内ルールに基づいた処理が不可欠です。
基準に反した処理は、税務や監査で指摘を受けるおそれがあるため、最新のルールを確認します。

システムを活用できているか

会計システムを活用することで、入力ミスや計上漏れを防ぎやすくなります。
特にクラウド型システムは、複数人での作業や進捗管理にも有効で、決算業務の効率化につながります。

まとめ

決算整理仕訳は、期中の取引処理だけでは整理しきれない収益・費用や資産・負債を調整し、決算書を正確に仕上げるために欠かせない実務です。
未払費用や前払費用、減価償却、引当金などは、処理を誤ると利益や財務状況を大きく歪めてしまうおそれがあります。

重要なのは、手順を理解したうえで毎期一貫した処理を行い、前期との比較や残高チェックを通じて妥当性を検証することです。
会計基準や社内ルールを踏まえつつ、会計システムも活用しながら、精度と効率を両立した決算整理を心がけましょう。


※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。

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