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【図解フローチャート付】出張ガソリン代の勘定科目は?旅費交通費と車両費の違いを仕訳例で徹底解説

公開日2026/02/15 更新日2026/02/13 ブックマーク数
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【図解フローチャート付】出張ガソリン代の勘定科目は?旅費交通費と車両費の違いを仕訳例で徹底解説

社員の出張時に発生するガソリン代。「旅費交通費」で処理すべきか、それとも「車両費」とすべきか。経理担当者なら一度は迷った経験があるのではないでしょうか。

実は、どちらの科目を使うかに絶対的な正解はなく、会社のルール次第です。
ただし、処理方法がバラバラだとコスト分析の精度が落ちたり、税務調査で指摘を受けたりするリスクが高まります。

そこで本記事では、判断基準を整理した「フローチャート」と具体的な仕訳例を提示し、誰でも迷わず一貫した処理ができるようになるための実務ポイントを解説します。
まずはこの記事を読み、自社のルール作りの第一歩を踏み出しましょう。

[ 目次 ]

なぜガソリン代の勘定科目を統一することが重要なのか?

ガソリン代は一見小さな金額に思えますが、勘定科目の付け方を統一しないと、会社全体の数字の見え方に大きな影響を与えます。
経理担当者が毎回迷って処理を変えてしまうと、コスト分析の精度が下がり、決算の信頼性が揺らぎ、さらには税務調査で不要な指摘を受けるリスクも高まります。
ここでは、統一ルールが不可欠である3つの理由を整理します。

理由①:正確なコスト分析のため

勘定科目を統一すれば、分析の切り口が明確になり、経営判断に活かせます。

・「車両費」にまとめれば、社有車1台ごとの維持コスト(燃料費・修繕費・保険料など)が正しく把握できる。
・「旅費交通費」にまとめれば、出張1回あたりにかかったコストを算出でき、出張効率や費用対効果の検証に役立ちます。

このように、どちらの科目を使うかによって、経営に活かせる情報の切り口が変わるため、継続して一貫した処理が欠かせません。

理由②:決算書の信頼性確保のため(勘定科目の継続性の原則)

会計上は「継続性の原則」が求められます。つまり、同じ取引は毎期同じ処理をすることが基本ルールです。

・毎回判断がバラバラだと、同じ勘定科目内での比較ができなくなり、決算書の信頼性を損ねます。
・外部の金融機関や投資家からも「経理処理が一貫していない会社」という印象を持たれかねません。

理由③:税務調査での指摘リスクを避けるため

税務署は、継続性や合理性のない処理に敏感です。

・同じ取引が「ある年は車両費、別の年は旅費交通費」と処理されていれば、恣意的な利益操作を疑われる可能性があります。
・金額が大きくなくても、処理の不統一は「管理体制の不備」として指摘対象になり得ます。

【図解フローチャート】出張ガソリン代の勘定科目はこれで解決!

ガソリン代を「旅費交通費」とするか「車両費」とするか──経理担当者が最も迷いやすいポイントを、YES/NOで答えて進めるだけで判断できるよう整理しました。
以下のフローチャートを活用すれば、誰でも一貫した処理が可能になります。

【図解フローチャート】出張ガソリン代の勘定科目はこれで解決!

Step1:社有車か?
YES → 原則として「車両費」
NO → Step2へ

Step2:従業員の自家用車か?(マイカーの業務利用)
YES → 原則として「旅費交通費」
NO → Step3へ

Step3:レンタカーか?
YES → 原則として「旅費交通費」

【支払い方法別】出張ガソリン代の具体的な仕訳例

フローチャートで判定基準を理解したら、次は実際の仕訳に落とし込む段階です。
ここでは、経理担当者がよく直面する3つの支払いパターンを取り上げ、それぞれ「社有車」「自家用車(マイカー利用)」「レンタカー」に応じた処理を整理します。

ケース①:従業員が立替払いし、現金で精算した場合

状況:社員が自腹で給油し、後日会社から現金で精算。

社有車を利用した場合

借方 貸方
車両費 5,000円 現金預金 5,000円

自家用車を業務利用した場合(マイカー出張)

借方 貸方
旅費交通費 5,000円 現金預金 5,000円

実務ポイント

✔ 証憑として領収書を必ず回収し、車両利用区分(社有車か自家用車か)を申請書や精算書に明記させると、後の確認がスムーズになります。

ケース②:法人カードで支払った場合

状況:社員が法人カードでガソリン代を決済し、後日口座から引落。

カード利用時

借方 貸方
車両費 または 旅費交通費 5,000円 未払金(カード会社) 5,000円

引落時

借方 貸方
未払金(カード会社) 5,000円 普通預金 5,000円

実務ポイント

✔ 法人カードを使うと「証憑+利用明細」がセットで残るため、インボイス制度や電子帳簿保存法対応にも有利です。
✔ 利用用途がプライベート利用と混在しないよう管理ルールを徹底しましょう。

ケース③:ETCカードで支払った場合

状況:高速道路利用料と同時にガソリン代をETCカードで決済。

仕訳例(利用明細を確認し区分計上する)

ガソリン代分

借方 貸方
車両費 または 旅費交通費 3,000円 未払金 3,000円

高速代分

借方 貸方
旅費交通費 2,000円 未払金 2,000円

引落時は、未払金を普通預金で精算。

実務ポイント

✔ ETC明細には燃料代と高速代が混在することがあるため、利用証明書を取得し勘定科目ごとに仕分けを分けることが重要です。
✔ インボイス制度下では、適格請求書発行事業者名や登録番号が明細に含まれているか必ず確認しましょう。

一貫した処理を実現するための「社内ルール作り」

出張ガソリン代の処理は、担当者の判断に委ねてしまうとバラつきが生まれやすく、経理全体の精度や効率に悪影響を及ぼします。
最も確実な解決策は、「誰がやっても同じ処理になる仕組み化」です。ここでは、経理部門が実務で取り組むべき社内ルール作りのポイントを解説します。

【最重要】「旅費規程」で、ガソリン代の取り扱いを明文化する

ガソリン代の処理を安定させるには、まず自社の「旅費規程」に明文化することが欠かせません。 たとえば次のように区分を定めるだけでも、処理の迷いは一気になくなります。

規程サンプル(例)
・社有車の給油費用:車両費に計上する
・従業員の自家用車を業務で使用した場合の給油費用:旅費交通費に計上する
・レンタカーを利用した場合の給油費用:旅費交通費に計上する

このように規程化しておけば、処理の一貫性が保たれるだけでなく、税務調査時にも「会社として明確な基準を設けている」ことを示せるため、不要な指摘リスクを避けられます。

証憑(領収書・利用明細)の正しい管理方法

正しい勘定科目を選んでも、証憑管理が不十分だと税務上の否認リスクが残ります。
インボイス制度・電子帳簿保存法への対応も踏まえ、以下のルール化が必要です。

領収書の要件確認

・発行者の名称・登録番号、取引日、取引内容、税込金額が揃っているか確認する。
・不備がある場合は、発行元に再発行依頼を行う。

電子データでの保存方法

・スキャナ保存やPDF保存は「タイムスタンプ付与」や「訂正削除履歴の残るシステム」を利用する。
・クラウド会計ソフトや社内システムにアップロードし、検索可能な状態で保存する。

利用明細の管理

・法人カードやETCカードの場合、月次明細を証憑と一緒に保管する。
・ガソリン代と高速代が混在する場合は、必ず区分して仕訳する。

出張ガソリン代の勘定科目に関するよくある質問(FAQ)

経理担当者から寄せられる「ちょっとした疑問」こそ、処理の現場では大きな悩みにつながるものです。
ここでは、出張ガソリン代にまつわるよくある質問に答え、実務上の不安を解消します。

Q. 勘定科目は、一度決めたら変更してはいけませんか?

A. 原則としては「継続性」が求められるため、毎期同じ処理を続けることが基本です。
ただし、過去の処理に誤りがあったり、社内の旅費規程を改定した場合には変更可能です。
その際は、決算書の注記や社内文書でルール変更の経緯を明確にし、恣意的な利益操作と見られないようにしましょう。

Q. 自家用車を使った場合、ガソリン代の実費ではなく、距離に応じて「日当」として支給しても良いですか?

A. はい、可能です。
自家用車の業務使用については、実費精算の代わりに「走行距離×社内規定の単価」で日当支給する方法も認められています。
国税庁も「合理的な算定方法であれば経費算入できる」としています。
支給ルールを旅費規程に明記しておけば、税務上も問題なく処理できます。

Q. 消費税の扱いはどうなりますか?(課税仕入れ)

A. ガソリン代は課税仕入れに該当します。
仕入税額控除を受けるためには、インボイス対応の領収書を保存する必要があります。

・課税仕入れ対象:ガソリン代(社有車・レンタカー・マイカー実費精算すべて)
・非課税取引:土地関連費用(今回のテーマでは該当せず)

実務ポイント

✔ ETC明細に含まれる高速料金は課税対象外のため、ガソリン代と分けて処理する必要があります。

Q. 従業員がプライベートの給油の領収書を混ぜてきました。どうすればいいですか?

A. まず事実確認を行い、業務利用分と私用分を明確に区分してください。
私用分については当然経費算入できません。
領収書の再提出や精算書の訂正を依頼し、証憑を正しく整理しましょう。
繰り返し起きる場合は、社内の精算ルールを徹底し、法人カードやETCカードの利用に切り替えるのも有効です。

まとめ|勘定科目のルール化が、経理の“ムダな悩み”をなくす

出張ガソリン代の勘定科目には、実は「これが唯一の正解」という処理は存在しません。
大切なのは、自社でルールを決め、それを継続的に適用することです。

この記事で紹介したフローチャートを活用すれば、「社有車は車両費」「自家用車やレンタカーは旅費交通費」といった基本的な判断基準を整理できます。

さらに、それを自社の旅費規程に明文化することで、担当者が都度迷うことなく処理でき、経理全体の一貫性と精度を高めることができます。

毎回立ち止まって考える“ムダな悩み”をなくし、経理担当者が本来注力すべき分析や改善業務に時間を使える環境を整えることこそが、組織にとっての最大のメリットです。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。

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