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監査法人でのキャリアから事業会社の内部監査部門へ転じる公認会計士が増えている背景には、「長時間労働やクライアントと上司の板挟みといった理不尽な状態からの脱却」、つまり、外部環境に左右されない、持続可能な働き方を求める切実な動機があります。
内部監査は、この課題を解決し、「安定×専門性×ワークライフバランス」という三つの要素を高次元で両立させる戦略的な選択肢です。
監査法人の業務は、高い専門性を持つ反面、繁忙期の激務やクライアント対応など、自身のコントロール外の要因でキャリアの継続性に不安が生じがちです。
一方で、インハウスの内部監査部門は、経営基盤強化の要として重要度が高まっており、安定したポジションで迎えられます。
さらに、業務スケジュールを自己管理しやすくなるため、外部監査では困難だったプライベートとの調和を実現しやすくなります。
この「自身の意志で働き方をコントロールできる」という点が、多くの会計士が内部監査を“キャリアの終着点”と捉える最大の理由となっています。
なお、この記事は二部構成です。こちらは前編記事です。
内部監査の実務は、「グループ全体のリスクマネジメントとガバナンス強化に、経営に近い距離感で貢献すること」に尽きます。
これは、外部監査では決して得られない、内部監査ならではの最大の魅力です。
監査法人時代は、クライアントの情報にアクセスできる範囲や提言の性質が限定的でした。
しかし、内部監査では、事業部長や役員層と直接対話を行い、経営会議に直結するような提言が可能です。
実務を通じて、会計・内部統制の知識に加え、製造、サプライチェーン、ITなど、会社のすべての機能と事業そのものの理解が劇的に深まります。
この仕事のやりがいは、監査法人経験を活かしながら「仕組みを整える側」として具体的な変化を起こせることに集約されます。
外部監査では「指摘」で終わっていた課題に対し、インハウスでは自ら提案・実行を促し、その成果を肌で感じることができます。
例えば、「在庫管理の実地調査から運用ギャップを指摘し、部門横断の改善プロジェクトで月次棚卸工数を30%削減できた」といった、具体的な達成感が得られるのです。
一方で、外部監査の重要性基準と異なり、内部監査ではサンプリングに依存せず、網羅性や運用の実効性が厳格に問われる深度が求められるケースもあり、このギャップに当初戸惑う会計士もいます。
監査法人出身者が内部監査部門で高く評価され、成功を収めるのは、単に会計士的知識があるからではなく、その思考プロセスと経験が、インハウスで求められる本質的なスキルに転用できるからです。
もちろん、監査手法、内部統制理解、リスク評価の知見が直結することは大前提です。
しかし、真に成功する要因は、監査法人時代には意識されなかった「非会計的スキル」にあります。
特に、社内監査部門では、会計士的な厳密なロジックだけでなく、「部門間の利害調整力」が重宝されます。
例えば、システム部門と現場部門の意見が対立する中で、「全体最適」の視点から落とし所を提案し、組織を動かす力です。
また、技術的な正しさよりも、現場や経営層に「納得してもらえるか」が重視されるため、「ルール」より“人”と“コンセンサス”を優先する視点が不可欠となります。
指摘するだけでなく、現場の「共創」パートナーとして信頼関係を構築し、改善をリードできる会計士こそが、内部監査で圧倒的な成果を出すことができます。
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内部監査のポジションは、監査法人出身者にとって極めて質の高いキャリアチェンジの機会ですが、転職市場においては特有の動向が見られます。
大手上場企業やグローバル企業でニーズが非常に高いにもかかわらず、採用競争率は経理部門と比較して低めに推移しています。
これは、内部監査という職種が持つ「地味」なイメージや、「出世コースから外れるのでは」といった懸念から、志望者が少なく敬遠されがちなためです。
結果として、「経営視点を持ち、提言力があり、現場に嫌われない」という具体的かつ高い要件を満たす人材が不足しています。
そのため、公認会計士資格と外部監査経験を持つ方は、非常に有利な立場で採用に臨めます。
また、大手企業だけでなく、IPO準備中のSaaS企業や成長期のベンチャー企業といった環境で、内部監査責任者として入社するケースも増えています。
これらの企業では、ガバナンス構築全体を任されるため、短期間で経営会議の常連となり、早期にCFO候補など経営層へのキャリアパスが開かれるという大きなメリットがあります。
後編では、監査法人で培った経験をどのように企業課題の解決力としてアピールすべきか、具体的な職務経歴書の書き方や面接での伝え方、さらに転職成功事例を交えて詳しく解説します。
後編は、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS-Japan」のサイトにて公開中です。
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記事提供元
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