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接待交際費はいくらまでOK?1人1万円ルールと800万円損金枠・税務調査で狙われるポイント

公開日2026/02/21 更新日2026/02/19 ブックマーク数
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接待交際費はいくらまでOK?1人1万円ルールと800万円損金枠・税務調査で狙われるポイント

接待交際費の扱いを誤ると、税務調査で否認されるリスクがあります。
特に「1人1万円ルール」や「年間800万円までの損金算入枠」など、税務上の判断基準を正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、接待交際費の定義や計上範囲、他科目との違い、規模別の上限ルールまでを詳しく解説します。

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[ 目次 ]

接待交際費とは?

企業が取引先との関係を深めたり、販売促進や取引維持を目的に行う会食や贈答、接待といった支出は、一般的に「接待交際費」と呼ばれます。
法令上は「交際費等」という名称が使われ、接待交際費はその中の一部の行為を指す俗称です。

接待交際費の法的定義

法人税法では「交際費等」とは、得意先や仕入先、その他事業に関係のある者に対し、接待・供応・慰安・贈答などのために支出する費用をいいます。
たとえば取引先との会食、取引先へのお中元・お歳暮、接待ゴルフや観劇招待などがこれに該当します。
一方、社員旅行や社内懇親会のように社内向けであれば交際費には該当せず、「福利厚生費」として処理します。

国税庁も「誰を対象とした、どのような目的の支出か」が判断の軸になるとしています。

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接待交際費に計上できる費用

交際費に含める代表的な支出は以下のとおりです。

  • 取引先との会食や懇親会の飲食費
  • 販売先や仕入先への中元・歳暮、記念品の贈答費用
  • 接待ゴルフ、観劇、旅行招待などの娯楽費用
  • 顧客訪問時の手土産代、慶弔関連の贈答金

これらは「業務と関連性がある相手への支出」であることが前提です。
目的や対象が私的なものであれば経費とは認められません。

接待交際費に計上しなくてよい支出

交際費と混同されやすいものの、内容次第で別科目に処理できる費用もあります。

  • 1人1万円以下の飲食費:2024年4月1日以降、取引先等との飲食費が1人当たり1万円以下(税抜)の場合、交際費等の範囲から除外され、全額損金算入が可能です。会議費や交際費として処理できます。
  • 従業員のみの飲食や懇親会費:社内行事の場合は「福利厚生費」。
  • 取材・打ち合わせ目的の飲食代:取材費または会議費。
  • 広告目的の贈答品やノベルティ:不特定多数に配布するものは「広告宣伝費」。

税務調査ではこの区分を厳しく見られるため、「目的」と「相手先」を領収書メモに残すことが重要です。

規模別の経費算入範囲と上限

交際費の損金算入範囲は、会社の規模や資本金によって大きく異なります。

資本金1億円以下の法人(中小企業)

中小企業は「交際費等の損金不算入制度」により、年間800万円までの交際費を全額損金算入できます。
また、800万円を超える場合でも「接待飲食費のうち50%を損金算入する」方法を選択可能です。したがって、中小企業では実質的に多くの交際費が経費化される余地があります。
なお、この損金算入限度額(年間800万円または接待飲食費の50%)とは別に、「1人1万円以下(税抜)の飲食費」は交際費等の範囲から除外され、全額損金算入が可能です(通常は「会議費」等で処理)。

資本金1億円超〜100億円以下の法人

この規模では、原則として交際費は損金算入できませんが、接待飲食費の50%分については損金算入が認められています。
例えば年間1,000万円の接待飲食費があれば、その半額である500万円が経費として認められる形です。

資本金100億円超の法人

いわゆる大企業では、原則として交際費は損金算入できません。
社内規程を整え、支出基準や承認フローを明確化しておくことが必須です。
経営ガバナンスの一環として、接待基準を文書化する企業も少なくありません。

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接待交際費の仕訳方法

交際費を正確に処理するには、他の勘定科目との区別が不可欠です。
目的や相手先を記録し、領収書には「何のための支出か」が分かる摘要を必ず添えましょう。

接待交際費の基本的な仕訳例

接待交際費の仕訳は次のようになります。

取引先との会食(30,000円)の場合

借方科目 金額 貸方科目 金額 摘要
接待交際費 30,000円 現金 30,000円 ○○商事との懇親会費、2名

消費税の課税区分は原則「課税仕入」であり、仕入税額控除の適用には適格請求書(インボイス)の保存が必要です。

仮払処理と精算方法

営業担当者などが立替払いする場合は以下の流れです。

仮払金で立替えた場合(20,000円)の仕訳例

(支出時)

借方 貸方
仮払金 20,000円 現金 20,000円

(精算時)

借方 貸方
接待交際費 20,000円 仮払金 20,000円

仮払残高を翌期に持ち越すと税務調査で実態不明とされやすく、期末までに必ず精算しておくことが望まれます。

接待交際費を扱う上での注意点

接待交際費は、正しい処理と証憑管理が求められる項目です。
対象者や目的を誤ると、税務調査で「私的支出」や「給与扱い」と判断されるリスクもあります。ここでは、役員・従業員が関わる際の按分や証憑整備、申告書との対応関係など、実務で注意すべきポイントを解説します。

役員・従業員が関わる交際費の処理

取引先との会食に役員や従業員が同行する場合は、対象人数で按分するのが基本です。
領収書には参加者名、日時、目的、会場、参加人数などを明記し、会計証憑として残しておきましょう。

仕訳処理と税務申告のつながり

申告書別表15には交際費の損金算入限度額を反映させる必要があります。
会計上の交際費額と税務上の限度額との差額は税務加算の対象となるため、年度を通じて交際費を集計し、内訳明細書を整備しておくことが重要です。

接待交際費に関するよくある質問(FAQ)

Q1:接待交際費は売上の何%までが目安?

A:法律上の比率基準はありません。
売上高数%を超えるようであれば、税務調査で支出合理性を説明できるよう準備しておくと安心です。

Q2:いくらまで使っていいの?

A:中小法人なら年間800万円まで全額損金。
大企業は原則損金不算入ですが、飲食費の50%を損金とできます。

Q3:飲食代はすべて交際費か?

A:目的が打ち合わせや社内会議であれば会議費。それ以外の取引先接待なら交際費です。

まとめ

接待交際費は「誰に・何のために」支出したかを明確にしたうえで処理することが最も重要です。
資本金規模によって損金算入枠が異なり、中小企業なら年間800万円まで経費計上が認められます。
現行の『1人1万円ルール』は、従来の5,000円から引き上げられた重要な改正点であり、飲食費の扱いや社内行事費との区分(福利厚生費など)は、税務上のトラブルを避けるための最重要ポイントです。
管理部門としては、社内規程の整備・証憑管理・専門家への確認体制を整え、税務調査で説明できる経理処理を心がけましょう。


※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。

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