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契約書を作成・締結する際、誤字や条件の記載ミスに気付くことは珍しくありません。
とくに実務では、「訂正したいが訂正スペースがない」「訂正印で対応してよいのか判断に迷う」といった場面に直面することも多いでしょう。
対応を誤ると、契約内容の解釈トラブルや、最悪の場合、契約の無効や改ざんの疑念を招き、企業間の信頼を大きく損なうおそれがあります。
本記事は、契約書に訂正スペースがない場合の具体的な修正方法や、状況に応じた適切な選択肢(訂正印・覚書・再作成)の判断基準を、実務上の注意点を含めて解説します。
契約書にあらかじめ訂正欄や余白が設けられていない場合でも、訂正は可能です。
重要なのは、訂正方法の形式よりも「どのような手続きで、誰の合意のもとに行われたか」という点です。
物理的なスペースがない状態で無理に書き加えたり、線を引いて修正したりすると、改ざんと誤解されるおそれがあります。
そのため、訂正内容や契約の進行状況に応じて、再作成・覚書・変更契約書など、適切な対応を選択することが求められます。
契約書の訂正は、あくまで契約当事者全員の合意が前提です。
一方当事者が独断で訂正を行っても、相手方の同意がなければ、その修正は契約上の効力を持ちません。
また、相手方の了承を得ずに署名や押印を装って修正を行った場合や、金額・条件などを書き換えた場合には、契約トラブルだけでなく、法的責任が問題となるおそれもあります。
実務では「軽微な修正だから問題ないだろう」と判断してしまいがちですが、合意のプロセスを省略すること自体が法的リスクを招く点には注意が必要です。
訂正が必要になった場合は、まず相手方に事情を説明し、修正内容と方法について合意を得たうえで対応することが不可欠です。
契約書は慎重に作成していても、実務上、訂正が発生する場面は少なくありません。
実務では、主に次のようなタイミングで訂正が発生します。
条文表現の調整や条件のすり合わせを繰り返す中で、誤字脱字や表現の修正が見つかることがあります。
この段階であれば、電子データを修正し、正式版を作り直すことで対応できます。
この場合、原則としては再作成すべきであり、訂正印が多用された契約書は、後日のトラブルや改ざん疑念につながる可能性があります。
時間的制約がある場合に限り、軽微な誤記について訂正印で対応することになります。
完成後の契約書は差し替えを行わず、軽微な修正であれば当事者全員の訂正印で対応します。
一方、金額や契約条件など重要な内容に関わる変更が生じた場合は、原契約を直接修正するのではなく、覚書や変更契約書を別途作成するのが一般的です。
このように、訂正が発生した時点と内容の重要性によって、適切な対応方法は異なります。
契約書に誤りが見つかった場合でも、訂正内容や重要度に応じた対応を取ることで、適切に修正することは可能です。
修正内容の影響度(軽微な誤記か、重要事項の変更か)を踏まえ、適切な方法を選択することが重要です。
訂正箇所の近くにスペースがない場合でも、同じページ内の余白を利用して修正内容を記載し、訂正印を押すことで対応できる場合があります。
その際は、訂正箇所と追記内容の関係が明確になるよう、矢印や番号を用いて対応関係を示すことが重要です。
この方法は、誤字脱字など軽微な修正に適しており、重要事項の変更には慎重な判断が求められます。
訂正箇所が多い場合や契約書内に記載スペースがない場合は、別紙や覚書を作成して修正内容を整理する方法があります。
別紙には契約書名や締結日、修正対象となる条項などを明記し、正しい内容を記載したうえで当事者全員が署名・押印します。
また、特定条項の変更や補足を行う場合は、覚書を作成することで原契約を補完・変更することが可能です。
変更内容や合意経緯を明確に残せる点が実務上のメリットといえるでしょう。
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契約金額や契約期間、業務内容などの重要事項に関わる修正や、訂正箇所が多数に及ぶ場合は、契約書を直接修正するのではなく、変更契約の締結や契約書の再作成を検討します。
訂正印が多い契約書は内容の信頼性が低下する可能性もあるため、修正範囲が広い場合は、新たに契約書を作成したほうがトラブル防止につながります。
訂正印・捨印は、紙の契約書で誤記を直す際に使われますが、万能ではありません。
実務では「表記の誤りの修正」なのか「契約条件の変更」なのかを切り分け、前者は訂正印、後者は覚書・変更契約書・再締結へ切り替えるのが安全です。
特に捨印は運用次第で改ざんリスクを招くため、使うなら管理ルールとセットで考えます。
対応しやすいのは、誤字脱字や表記ゆれ、社名・住所の単純な誤記など、合意内容に影響しない軽微な修正です。
一方、金額・支払条件・契約期間・納期・業務範囲など、実質的な条件に触れる修正は、訂正印・捨印で処理せず、覚書や変更契約書で合意を取り直すのが基本です。
訂正印は原則、本契約で押した印鑑と同じものを用い、当事者が複数なら全員分をそろえます。
印鑑が違ったり一部しか押していなかったりすると、誰の合意で直したのかが曖昧になり、トラブルの火種になります。
捨印を使う場合も、想定する修正範囲を社内で決め、締結時点の写しを残すなど管理が重要です。
相手の同意なく書き換える、訂正箇所や内容が読み取れない形で追記する、重要事項の変更を「訂正」で済ませるといった対応は避けましょう。
後から改ざんや不一致を疑われやすく、条件変更なら覚書・変更契約書で証拠力を確保するのが安全です。
電子契約書はデータとして締結されるため、紙の契約書のように訂正印や捨印で内容を書き換えることはできません。
電子署名には改ざん防止の仕組みが備わっており、締結後に契約本文を直接修正すると、契約の真正性や証拠力が損なわれるおそれがあります。
そのため、電子契約で訂正や条件変更が必要になった場合は、既存契約を残したまま、追加合意や変更契約を作成する方法が基本となります。
電子契約書は書面ではなく電子データとして管理されるため、物理的な余白に追記したり訂正印を押したりするという運用は想定されていません。
また、電子契約では、契約締結時点の内容が改変されていないことを証明する仕組みが重要視されます。
契約締結後に本文を書き換えてしまうと、いつ・誰が・どのように修正したのかが不明確になり、契約の信頼性を損ねる可能性があります。
このような特性から、電子契約では「原契約はそのまま保存し、変更内容は別の合意書で管理する」という考え方が基本となります。
電子契約の内容を修正する場合は、覚書や変更契約書などの補足合意を作成し、当事者全員が電子署名を行う方法が一般的です。
覚書では、どの契約のどの条項をどのように変更するのかを明確に記載し、変更後の内容や効力発生日を整理します。
これにより、契約内容の変更経緯が明確になり、後日のトラブル防止につながります。
また、変更範囲が広い場合や契約条件が大きく見直される場合には、新たに契約を締結し直す方法が選ばれることもあります。
電子契約では文書作成や署名手続きがオンラインで完結するため、紙契約と比べて再締結の負担は比較的小さくなります。
紙の契約書では、軽微な誤記であれば訂正印などで対応する運用が可能ですが、電子契約ではそのような修正方法は採用できません。
訂正や変更が発生した場合は、原契約を残したまま追加合意を積み重ねる形で管理する点が大きな違いです。
一方で、電子契約は契約履歴や変更履歴をデータとして一元管理しやすく、検索性や保存性に優れるというメリットがあります。
契約内容の修正が必要になった場合でも、関係書類を紐づけて管理できるため、契約の更新状況を把握しやすくなる点は、実務上の強みといえるでしょう。
契約書に訂正スペースがない場合でも、修正自体は可能です。重要なのは、訂正内容の軽重を見極め、当事者全員の合意を適切な形で残すことです。
軽微な誤記は訂正印で対応できるケースがありますが、契約条件に関わる変更は覚書や変更契約書、再締結で対応する必要があります。
また、電子契約では本文を直接修正できないため、追加合意で管理するのが基本です。契約の証拠性を損なわない方法を選ぶことが、トラブル防止につながります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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