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企業規模や業種を問わず、「予算は立てているものの、十分に活用できていない」と感じている経理担当者は少なくありません。
実績の確認が後回しになったり、差異の背景を整理しないまま次期予算に移ったりすると、予算管理は形骸化しがちです。
本記事では、経理実務の視点から、予算管理の基本的な考え方や目的、予実管理・差異分析の進め方、効率化に役立つツール活用のポイントまでを整理して解説します。
予算管理とは、一定期間における資金や目標数値を設定し、実行・進捗確認・見直しまでを含めて管理する一連のプロセスを指します。
経理にとっては、会社全体のお金の動きを整理し、現場と経営の共通言語として数字を提示する役割も担います。
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企業で扱われる予算は、目的や対象によっていくつかの種類に分けられます。代表的なものは次のとおりです。
一定期間にどれだけの売上を目指すかを数値化したものです。
過去の実績をもとに設定する場合や、販売数量と単価から積み上げて算出する場合など、企業の事業特性に応じた立て方が行われます。
商品やサービスを提供するために必要となる材料費や外注費などのコストを見積もった予算です。市場価格や仕入条件の変動を受けやすいため、定期的な見直しが欠かせません。
人件費、賃料、広告費、水道光熱費など、事業活動を維持するために発生する間接的な支出を管理するための予算です。
固定費と変動費を区別して管理することで、コスト構造の把握がしやすくなります。
売上から原価や経費を差し引いた結果として目指す利益水準を示す予算です。
各予算の積み重ねによって達成されるため、個別予算の管理状況が利益に直結します。
こうした予算をセットで見ることで、売上・コスト・利益のつながりが把握しやすくなります。
予算管理と混同されやすい概念に、「予実管理」や「経営管理」があります。
予実管理は、あらかじめ設定した予算と実際の数値を比較し、その差異を把握・分析することに重点を置いた考え方です。
一方、予算管理は、予算を「つくる→運用する→振り返る→改善する」までを含む一連の取り組みです。
また、経営管理は、資金だけでなく、人材や業務プロセス、情報など、経営資源全体を対象とした管理活動です。
予算管理はその一部として位置づけられ、経営判断を支える基盤の役割を果たします。
それぞれの違いを理解しておくことで、経理としてどこまで関与すべきか、どの視点で数値を整理すべきかが明確になります。
予算管理は、目標を数字に落とし込み、現場の行動と経営判断をつなぐための仕組みです。目的は大きく次の4つに整理できます。
中長期の経営戦略や年度方針は、そのままでは抽象的で、現場レベルの行動に結びつきにくいものです。
予算として数値化することで、部門別・施策別の目標が明確になり、「何を」「どこまで」達成すべきかを共有できます。
予算が部門や担当単位まで分解されていれば、日々の業務計画や優先順位を考える指針になります。
売上拡大を目指すのか、コスト抑制に重点を置くのかといった判断もしやすくなり、行動と数字のつながりを意識した業務運営が可能です。
計画と実績を定期的に照らし合わせることで、目標に対する達成度やズレを早期に把握できます。
想定どおりに進んでいない場合でも、原因を整理し、軌道修正を行うことで次の施策を検討できます。
予算の達成状況や差異の要因を踏まえることで、当初の計画を維持すべきか、見直すべきかを検討できます。
数値に基づく整理は、経営層が方針や優先順位を検討する際の土台となります。
ただし運用が整っていないと、予算管理が「形式的な作業」になってしまうこともあります。主な原因として、次のような点が挙げられます。
「なぜこの予算を管理するのか」が現場に伝わっていないと、予算は単なる報告用の数字になりがちです。
結果として、数値入力や資料作成が目的化し、実務改善に活かされなくなります。
期末や四半期末だけに振り返る運用では、問題が発覚した時点ですでに手遅れになっていることもあります。
進捗確認の頻度が低いと、予算管理は機能しにくくなります。
過去実績を十分に考慮せずに立てた予算や、根拠が曖昧な目標数値は、現場の納得感を得られません。
その結果、「達成困難な数字」として形だけの管理に陥りやすくなります。
予算と実績の差を把握しても、その原因分析や改善策の検討が行われなければ意味がありません。
分析結果が共有されず、次のアクションに反映されない場合、予算管理は形骸化してしまいます。
予算管理は、一度予算を立てて終わりではなく、計画から改善までを継続的に回すことで初めて機能します。
実務ではPDCAサイクルを意識して運用すると、改善につながる運用になりやすいです。
予算管理の出発点となるのが、期初に行う予算編成です。
ここでは、年度や事業期間における売上・原価・経費・利益などの目標数値を設定し、会社全体や部門単位の計画に落とし込みます。
予算の立て方には、経営層が全体方針を示して配分する方法や、各部門が実態に基づいて数値を積み上げる方法などがあります。
いずれの場合も重要なのは、経営方針と現場の実情とのバランスを取ることです。根拠のない数字や達成可能性の低い目標は、後の管理を難しくする要因となります。
予算編成後は、その計画に沿って日々の事業活動を進めると同時に、実績数値を継続的に把握します。
経理部門では、売上や支出、利益の状況を月次や四半期などの単位で集計し、予算と実績の差を確認します。
この段階では、数字の変化から現場の状況を読み取り、次の判断につなげることがポイントです。
定期的に確認できれば、ズレが大きくなる前に手を打ちやすくなります。
予算と実績の間に一定以上の差が見られる場合は、その要因を整理し、必要な対応を検討します。
たとえば、コストが想定以上に増えている場合は、支出内容の見直しや運用ルールの調整が考えられます。
一方で、外部環境の変化など、当初の想定自体が現状に合わなくなっているケースもあります。
その場合は、単なる修正対応にとどまらず、予算や計画そのものを見直す判断も必要です。
こうした改善を次の計画に反映させることで、予算管理は実効性のある仕組みとして定着していきます。
差異分析では、予算と実績のズレを分解し、「なぜ起きたか」「どこを改善すべきか」を明らかにします。
差異分析の基本は、予算と実績の差を事実として捉え、その背景を段階的に掘り下げていくことにあります。
まずは全体像を把握し、どの項目に想定外の動きがあったのかを確認します。そのうえで、影響の大きい部分から原因を切り分けていくのが一般的な進め方です。
重要なのは、結果だけを評価するのではなく、プロセスや前提条件にも目を向けることです。
外部環境の変化によるものなのか、内部の運用や計画精度に課題があったのかによって、取るべき対応は大きく異なります。
差異分析は、責任追及ではなく、改善点を見つけるための手段として活用することが求められます。
差異分析にはさまざまな手法がありますが、実務でよく用いられる代表的な考え方として、次のような方法が挙げられます。
最初のステップとして、売上や利益など主要な数値を予算と実績で並べて比較します。
全体的な増減傾向や、想定と大きく異なる項目を把握するには有効です。
ただし、この段階では原因まで特定することは難しく、あくまで「気になるポイントを見つけるための入口」と位置づける必要があります。
次に、利益を軸にして差異を分解する方法があります。利益の変動を、収益面とコスト面に分けて捉え、それぞれがどの程度影響しているかを整理します。
さらに、販売数量や価格、コスト構造といった要素に細かく分解することで、差異の背景をより具体的に把握できます。
売上やコストを構成要素に分解し、どの要素が差異に影響したのかを確認する方法もあります。
たとえば売上であれば、数量や単価といった要因に分けて考えることで、数字の動きと実態を結び付けやすくなります。
段階的に掘り下げることで、改善すべきポイントが明確になります。
予算管理は、仕組みと運用の設計次第で大きく効率が変わります。属人的な作業や後追いの集計に頼るのではなく、組織全体で「回る仕組み」をつくることが重要です。
予算管理を効率化するうえで、まず見直したいのが部門間の連携と運用ルールです。
経理部門だけで数字を管理していても、現場の状況や判断理由が共有されていなければ、形だけの管理に陥りやすくなります。
具体的には、
・どのタイミングで実績を報告するのか
・差異が出た場合、誰がどこまで確認・判断するのか
・予算修正が必要な場合の承認フロー
といった点をあらかじめ明確にしておくことが重要です。
役割分担とルールが整理されていれば、確認作業の手戻りが減り、数字に対する認識のズレも起こりにくくなります。結果として、経理・現場双方の負担軽減につながります。
予算管理の効率化を進めるうえでは、業務量や組織規模に応じたツール選定も欠かせません。
比較的シンプルな体制であれば、表計算ソフトを使った管理でも対応できる場合があります。
ただし、担当者依存になりやすい点や、計算・入力ミスが発生しやすい点には注意が必要です。実績データとの突き合わせにも時間がかかる傾向があります。
取り扱う部門数やデータ量が増えてきた場合は、予算管理に特化したシステムの導入も有効です。予算編成から進捗確認までを一元的に管理できるため、管理工数の削減や情報の透明性向上が期待できます。
さらに、販売・会計・購買などのデータをまとめて管理したい場合には、基幹システムの導入も選択肢となります。
関連データを横断的に確認できるため、予算管理と経営判断を結び付けやすくなり、全体最適の視点での運用が可能になります。
予算管理は、数字を通じて経営方針と現場の行動をつなぐ仕組みです。
予算の策定から実績管理、差異分析、改善までを一連の流れとして捉えることで、はじめて実務に活きる管理が実現します。
特に経理部門には、数字を集計する役割にとどまらず、差異の背景を整理し、経営判断に資する情報を提供する視点が求められます。
部門連携や運用ルールの整備、ツール活用を通じて、自社に合った予算管理の形を構築することが、継続的な業績改善への第一歩となるでしょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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