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多部未華子さん主演のドラマ「これは経費で落ちません!」制作統括&番組プロデューサーにインタビュー

公開日2019/08/28 更新日2019/08/29

経理の方を中心に管理部門の間でもじわじわと話題になっている、経理女子が主役のドラマ「これは経費で落ちません!」が、多部未華子さん主演で放送中だ。(NHK総合にて毎週金曜日夜10時~)

以前、原作者である青木祐子先生の取材記事を掲載した際に、同作の魅力の虜になった筆者のように、毎週の放送を楽しみにしているマネジー読者の方も多いことだろう。

多部未華子さん演じる主人公の森若沙名子は、石鹸メーカーである天天コーポレーションに勤める経理部員。天天コーポレーションを取り巻く様々な登場人物と経理部員達が経費の使い道などを中心に様々なやり取りを繰り広げるのだが、その人間模様が面白いと話題だ。経理以外の管理部門である総務・人事・広報などの管理部門女子も多数登場し、オフィスでの日常や恋愛模様がコミカルかつ丁寧に描かれている。

今回はドラマ制作プロデューサーの管原浩氏(以下、管原氏)、戸谷志帆梨氏(以下、戸谷氏)に取材を敢行し、ドラマ制作にまつわる様々なお話や、ドラマ後半に向けての見どころなどを伺った。


ー これまで様々な職業ドラマがありましたが、経理が主役のドラマというのは記憶にありません。  まずは、なぜ経理が主役の本作品をドラマ化しようと考えたのか教えてください。

戸谷氏
これまでカッコよい職業のデキる女性のドラマは多くありましたが、普通の職業の女性のカッコよさや面白さというのもあると考えて提案しました。数字が合って当たり前と思われている経理の仕事の矜持みたいなものを表現できたらなと。

管原氏
ドラマ10の枠は、ちょっと前までは大人の恋愛ドラマのような内容が多かったのですが、去年の4月からもう少し絞って30~40代女性をターゲットにしてるんです。

今回は、お仕事モノでと考えてた時に経理が主役の話が来まして、これまで経理のドラマってなかったし面白そうだなと。その後、企画のメンバーと検討する中で、経費から見えてくる様々な部署とのやり取りや人間模様を描くのも面白いよねという話になり決定に至りました。

もともと、我々のような制作から見ると経理って数字の細かい確認とかをしてくる人たちで正直ちょっと疎ましい部署というイメージもありましたが、ドラマの制作を通じて、経理側から我々を見た気持ちというのも見えて新鮮でした。


ー 確かに、経理の仕事をしてない人から見ると、経理がどんな仕事をしてて、どんな苦労があるかとか見えないですもんね。ドラマを見ると経理の立場が見えるかもしれません。

戸谷氏
私も忙しいときに領収書の処理とか面倒になることが多いのですが、経費の使い方ってすごく人柄が出るんですよね。

様々な人たちと日ごろからやり取りをしてる経理の方たちって、社員の本質的な人柄を一番理解してるんじゃないかと思います。


制作メンバーから見たドラマ「これは経費で落ちません!」の魅力とは

ー 戸谷さんから見た、本作品の魅力を教えてください

戸谷氏
決してスーパーヒーローではなく、優秀だけど地味で真面目な沙名子が、少しずるいことをする社員と対峙することで、そういう人たちを少しずつ変えていくところ、ですかね。

何かを劇的に変えるということではなく、自分の周りの世界を少しだけ変えるっていう部分を表現するのって、すごい人が悪い人をやっつける話よりも作品づくりにおいては難易度が高いんですよ。その辺りがうまく伝わるように頑張って作りました。


ー 私も毎回ドラマを拝見してますが、確かに各話の終盤で沙名子が持論を展開して、その結果、周りに少し良い変化が起きてる印象があります。しっかり伝わっていますね(笑)管原さんはいかがですか?

管原氏
お金の使い道の裏側を見ていくと、その社員の人間性とか性格が見えてくるところがこのドラマの面白さだと思います。

毎回違ったゲストが出てきて、様々な部署の様々な性格の人のお金の使い方を森若さんが見るんだけど、みんな違うんですよ。そのあたりが見どころだとおもいますし、実際に見ていて面白いとおもいますよ。


ー ゲストといえば、本作品には毎回様々な役者さんが出てきますが、キャスティングはどうやって決めたのですか?

戸谷氏
森若さん役の多部未華子さんや、経理部メンバーの平山浩行さんや伊藤沙莉さんは純粋に原作のイメージから入っていきました。吹越満さん演じる新発田部長だけは役者さんに合わせて、原作から少しキャラクターを変えましたが、それ以外の経理部メンバーは原作からのイメージに忠実に選んでいきましたね。

営業部についてはイケメンや美女もいますしそれ以外のキャラクターも含めてバラエティに富んだ感じで選びました。

ちなみに吉村部長は、東京03の角田さんにやってほしくて原作の年齢よりも少し若めの設定に変えてます。

管原氏
本作品はオフィスものなのでロケに出ることが少なくて、オフィス内でのお芝居がメインになるので、オフィス内のやり取りだけで視聴者の方を飽きさせず、引き付けられる演技力があるかどうかもポイントでした。なので、演技の達者な方ばかりになりました(笑)


ー 多部未華子さんについては、原作の沙名子のイメージにピタリと合ってますし、もともと持つ雰囲気や演技力が相まってさらにはまり役になってますよね。人気の役者さん揃いの印象ですがキャスティングは順調に決まっていきました?

管原氏
出てほしい人が決まった後も、その方に出てもらう為にタイミングとかいろいろ大変でした。人気の方ばかりなので、それぞれのスケジュールを合わせるのが大変でしたが、何とか忙しい合間を縫って調整いただきました。


ー どんな人に見てもらいたいと考えてますか?

管原氏
先ほどお伝えした通り、現在のドラマ10の枠は30~40代の方をターゲットに見てもらいたいと考えて企画しています。

リアルタイムの視聴だともう少し上の世代が多いようですが、録画も含めるとターゲットに広がってる感触はありますね。

戸谷氏
ちょうど主人公の沙名子も30歳になる年齢ということで、ターゲット層に近いですし、身近な職業というのもあって共感が得られているのかもしれません。


ー 実際に私の周りでも面白いという声を耳にします、お二人の周りでの評判はいかがでしょう?

戸谷氏
周りというか、ネット上のコメントとかを見てると面白がり方をわかってくれてる方が多い印象で、そこには手ごたえを感じてます。

派手なことが起こらないストーリーなので、ともすればフックがなく伝えたいことが伝わらないかもと思っていたのですが、沙名子の本質的な強さとか可愛さみたいなことがコメントに書かれてると、伝えたいと思っていたことが伝わってるなと。

管原氏
見てくれた人はみんな面白いって言ってくれますね、周りの人や関係者の方々からの評判も良いです。

関係者からの声の中には「品が良いね」というのもありました、多部さんが持ってる雰囲気もあると思うのですが、「大人の喧嘩」や「大人の笑い」という感じで見てもらえてるのだと思います。

ドラマも後半戦に突入、今後の展開や見どころは?

ーこの記事が出る頃にはドラマも後半戦に突入です、今後の見どころを教えてください。

戸谷氏
そうですね、この記事が出た後の6話以降の展開としては、これまで4人だった経理部に新たな中途社員メンバーが加入します。麻吹さんという女性で、天天コーポレーションのイメージとは少し違ったキャラクターのメンバーです。


ー おぉ!原作を読んでる人はわかると思いますが、ついにといった感じですね。

管原氏
原作を知ってる人にはちょっと意外なキャスティングかもしれませんが、演じるのは江口のりこさんで、キャラも原作とは少し変えて帰国子女っぽくしてます。話すときに時々発音の良い英単語が混ざるような(笑)

戸谷氏
そうそう、上司のことをBOSSって呼ぶみたいな(笑)

好きな言葉は「フェア」で、天天コーポレーションのフェアじゃない部分を変えようと社内をかき乱していくのですが、その相手になるのがベッキーさん演じる、アンフェアな秘書の有本マリナです。

ー そこでベッキーさんですか?!それは意外なキャスティングという印象です。

管原氏
ここは、インパクトがある人を入れたいなと思ってオファーしました(笑)

戸谷氏
「イーブンにしたい沙名子」の多部さんと、「フェアにしたい麻吹」の江口さん、「アンフェアな秘書の有本」のベッキーさん、この3人の戦いはなかなか見ものですよ。

撮影現場もピリッとするようなバトルが、劇中でも繰り広げられますので楽しみにしていてください。


ー では最後に、経理の仕事をされてる方やマネジーの読者の皆様に一言お願いします。

戸谷氏
私、もともと経理の仕事のすごさって知らなかったのですが、経理の方々を取材させてもらってそのすごさを知ったんです。

経理の仕事って会社に絶対必要なのに、賞をもらったり褒められたりする機会がないんですよ、数字が合って当たり前というか。1話で「経理は経理として会社の利益に貢献しています」っていうような感じのセリフを入れたんですけど、嫌われても疎まれても一つ一つ積み重ねて、その数字が時に会社の危機を救うっていう、それが経理の仕事のすごさだと思うんです。

なので、ドラマを通じて経理の仕事に従事する皆さんにも自分の仕事のすごさを改めて感じて欲しいですし、カッコイイ仕事をしてるんだって思ってもらいたいです。

管原氏
経理の業務の専門的な部分については本業の人からすると物足りなさも感じるかもしれませんが、制作側としては、経理部のメンバーが様々な人たちのお金の処理をすることに面白さを感じてもらえればと思ってます。

もしかしたら視聴者の方のお仕事中にも同じような状況があるかもしれませんので、仕事のケーススタディとしても参考にもしてもらえるとうれしいです。


ー 管原さん、戸谷さん、ありがとうございました。

登場人物も増えてさらに盛り上がるだろう「これは経費で落ちません!」、来週の第6話から後半に突入するが、今後の展開からも目が離せなくなりそうだ。

(取材・文/マネジーニュース編集部 有山智規)


◆ドラマ情報

ドラマ10『これは経費で落ちません!』(連続10回)

 NHK総合 毎週金曜 よる10時から10時49分

  原作:青木祐子

  脚本:渡辺千穂 藤平久子 蛭田直美

  出演:多部未華子 重岡大毅(ジャニーズWEST) 伊藤沙莉 平山浩行 吹越満 ほか

  制作統括:管原浩(NHK) 坂下哲也(AX-ON)

  プロデューサー:難波利昭 戸谷志帆梨 岡宅真由美

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