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経済産業省は、消費税の転嫁状況について、定期的にモニタリング調査をしており、令和元年6月調査の結果を取りまとめて公表しています。消費税増税への対応が迫られる担当者にとっては、スムーズに価格転嫁ができるかどうかも気になるところですので、確認しておきましょう。
消費税の転嫁状況に関するモニタリング調査は、平成26年4月から実施していますが、令和元年6月調査では、「全て転嫁できている」と回答した事業者が、事業者間取引では86.6%、消費者向け取引では76.8%、「全く転嫁できていない」と回答した事業者が、事業者間取引では2.5%、消費者向け取引では4.0%となっています。
「全て転嫁できている」と回答した事業者の割合は、運輸業、郵便業が最も大きく93.5%で、次いで、建設業が 93.2%、卸売業が92.9%という結果です。
以前より、取引先において、消費税分の価格引上げを受け入れる、という理解が定着しているため | 55.7% |
消費税転嫁対策特別措置法により消費税転嫁拒否 行為が禁止されているため | 31.3% |
本体価格と消費税額を分けることにより、交渉しやすくなったため | 25.3% |
取引先の業界の景気が良く、取引先が値上げを受け入れてくれやすい環境にあるため | 6.7% |
自社商品のブランド・競争力が強く、価格決定権が自社にあるため | 6.4% |
消費税転嫁対策特別措置法に基づく表示・転嫁カルテルを活用することにより、交渉しやすくなったため | 1.1% |
その他 | 4.3% |
自社商品等の競争が激しく、価格を引上げると他社に取引を奪われてしまうおそれがあるため | 48.0% |
取引先の業界の景気が悪く、消費税分の値上げを受け入れる余裕がないと考えられるため | 26.6% |
自社が下請事業者であるなど、取引先との力関係で立場が弱かったため | 21.8% |
取引先において、消費税転嫁対策特別措置法の趣旨を理解していないなど、消費税率引上げ分を値上げするという意識がそもそも欠如しているため | 12.5% |
その他 | 17.6% |
取引先から受けた転嫁拒否行為で最も多かったのは、「価格の交渉時に、消費税率引上げ分の全部又は一部を上乗せしないとされた」が39.1%と4割近くにのぼっています。
そもそも「本体価格での交渉に応じてもらえなかった」も33.5%あり、「代金の支払い時に、消費税率引上げ分の全部又は一部を上乗せしないとされた」が27.6%、「取引先から、消費税引上げ分を上乗せする代わりに商品を購入するよう又はサービスを利用するよう求められた」も8.7%でした。
消費者への価格転嫁の状況については、76.8%の事業者が「全て転嫁できている」と回答し、「全く転嫁できていない」は4.0%でした。業種別では、建設業が91.8%、製造業が90.6%、卸売業が87.5%という結果です。
この、モニタリング調査結果を見る限り、消費税増税時の価格転嫁については、消費者の6割強が理解を示しているようです。また、本体価格と消費税額を分けて表示することで、値上げに対する反発が薄らいでいるようです。
一方で、46.4%の事業者が「景気が回復しておらず消費者の財布の紐が固いため」と回答していることも見逃せない事実です。
また、「自社商品等の競争が激しく価格を引上げると他社商品に乗り換えられてしまうおそれがあるため」も38.3%ですから、消費税増税税分を価格に転嫁しようにも、できない事情があることも浮き彫りとなっています。
消費増税に伴う価格への転嫁については、取引先との力関係によって、力の弱い下請業者などが不利益を被ることも多く、経済産業は、転嫁状況の監視・取締りなどを通じ、転嫁拒否行為の未然防止に取り組み、違反行為に対しては厳格に対処するという方針です。
令和元年6月までの公正取引委員会、中小企業庁による転嫁拒否行為に対する対応状況は、調査着手(11,577件)、立入検査(6,395件)、指導(4,830件)、勧告(50件)、措置請求(13件)です。
果たして10月の消費税増税後には、どのような状況になっているのでしょうか。
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