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かつて給料は、給料日に現金で支給されていました。それが銀行振込となり、いまでは、電子マネーで支払う“デジタル報酬”というサービスまで出てきました。キャッシュレス化を推し進める政府も、給与を電子マネーなどで支払えるよう規制見直しの動きをみせています。今回はそんな“デジタル報酬”について、ポイントをまとめてみました。
給与の支払い方法は、原則現金による直接払い、または労働者の同意により銀行口座への振込が、労働基準法で定められています。
昭和40年代までは、給与袋に入れて直接手渡すのが主流で、労働者は給料袋を自宅に持って帰っていました。その後、銀行振込が主流になっていましたが、近年新たに注目されているのがデジタル報酬です。
デジタル報酬とは、給与などの報酬を電子マネーで支払うことです。デジタル化の波が報酬の支払いにまで及ぶようになり、フリーランスなどの報酬や、社員の交通費の精算などを電子マネーで支払う動きが徐々に広がり始めています。
電子マネーで支払うデジタル報酬のメリットは、労働者側は働いたその日に報酬を受け取ることが可能なことです。
たとえば、交通費や出張費などを立て替えた場合、それぞれの企業のシステムによって期間は異なりますが、これまでは精算まである程度の日数がかかっていました。この場合、高額であればあるほど、立て替えた側の負担は重くなりますが、それが電子マネーによって解決されることになります。
また、深刻な人手不足により、外国人労働者を雇う企業が増えていますが、外国人労働者が銀行口座を開設するためには、外為法により、長期滞在ビザを有し、6か月以上の日本滞在期間が必要になります。条件が整わなければ、口座を開くことができません。
電子マネーサービスを利用すれば、外国人労働者にとっても、外国人労働者を雇う企業にとっても、利便性が高まるといえるでしょう。
また、企業にとっての最大のメリットは、銀行振込に比べると、振込手数料が約半分に抑えられることです。経費削減にもなります。
もちろん、メリットだけではなく、電子マネーならではのデメリットもあります。一番のデメリットは、電子マネーに対するセキュリティへの不安ではないでしょうか。
個人情報や仮想通貨の流出、キャッシュカードやクレジットカードの不正利用など、サイバー空間の犯罪は、手口も巧妙化する一方で、セキュリティ対策に不安があるのが実状です。
また、デジタル報酬は、電子マネーのサービスを提供する金融庁登録の「資金移動事業者」を介して行われますが、資金移動事業者の信頼性というと、まだまだ疑問符がつくといわざるを得ません。
資金移動事業者が破綻した場合はどうなるのか、ハッキングなどによる事故の保障はどうなるのかなど、デジタル報酬が広く普及していくためには、クリアしなければならない多くの課題があります。
しかし政府は、キャッシュレス化を推し進めたい考えです。給与も電子マネーで簡単に受け取れるようにするため、厚生労働省は規制を見直す方針を示しています。デジタル報酬が、これからどのように受け入れられていくのか、経理担当者は、その動きに注意深く見ておく必要があるのではないでしょうか。
現金を給料袋に入れて支払われていた給料が銀行振込になり、さらに、電子マネーで支払われるようになる・・・そんな時代が近づいているようです。便利さや効率だけでなく、セキュリティ面も万全にして、安全に活用したいものです。
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