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クラウドツールの普及率がここ数年で一段と高まり、テクノロジーを用いたバックオフィス業務の効率化や経営管理の高度化が進んでいます。freee株式会社は日本のクラウドサービス提供の先駆者の1社として会計・人事労務・税務申告業務をクラウド完結できるサービスを提供してまいりました。
これまで、AIが会計処理をサポートする「自動で経理」を中心に入力業務の自動化を進めて参りましたが、今般「AI月次監査」をリリースし、自動化の対象をチェック業務にまで踏み出しました。
本記事では、freeeが目指す「スモールビジネスが強く、スマート」な世界とは何か?その中でAI月次監査が果たす役割は何か、そもそもとはどんな機能なのか?をご説明いたします。
freeeの目指しているもの
私たちfreeeは「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできるよう」というミッションを掲げています。これは、煩雑になりがちなバックオフィス業務を自動化し、経営に必要な情報を可視化することを通して、日本経済を支えるスモールビジネスがより強く、スマートになってほしい、という我々の想いを込めています。
freeeのミッションの中でひときわ目を引くのが「創造的な活動へのフォーカス」です。freeeでは創造的な活動を、「適切な意思決定の上に成り立つもの」と考えています。
すなわち、適切な「意思決定」には、freeeのようなテクノロジー企業による「自動化」・「可視化」と、バックオフィスに携わる経理・財務のご担当者や、スモールビジネスを支える会計事務所・税理士事務所の皆様によるコミュニケーションの組み合わせが必須であるとfreeeでは考えています。
実際にfreeeがスモールビジネスの経営者様にお伺いしたアンケートでも、経営課題を感じる経営者は94%に上り、相談したい相手として最も票を集めたのは顧問税理士であり、3位に社員が入っています。(2位は経営者仲間)
ところが、経営者と伴走する役割を担われるべき経理・財務担当者様や士業事務所様の現実は、労働集約要素が強く、定常的な業務に多くの時間が割かれています。
つまり、freeeのようなクラウドサービスを活用し、労働集約的な業務の自動化を進めると伴に、経営管理情報を可視化する。経営をナビゲートする立場にいらっしゃる読者の皆様は自動化の過程で業務効率を上げ、可視化されたデータを使って意思決定に伴走していく。
この世界が、freeeの目指す「スモールビジネスが強く、スマートに」なっていく上で必要不可欠だと考えております。
そして今回リリースした「AI月次監査」は、決算申告の正確性を高めると伴に、経営の伴走に使える時間を劇的に増やす機能でもある、と考えています。
AI月次監査
税理士は言うまでもなく、「納税義務の適正な実現」が使命であり、その実現のために税務業務とその前提となる財務書類の作成、記帳代行等を行うことが本業です(税理士法第一条、第二条)。中小企業様に於ける経理部門の役割も、従来は適正な経理決算とされてきました。
近年のIT技術の発展は、その実現手段に大きな変革をもたらしています。そのキーワードが「自動化」です。
古くは専用機やパッケージ型ソフトが決算集計や申告書の集計作業を自動化。そして、過去数年間で進んだのはクラウド会計による、情報収集の電子化・記帳の自動化です。インターネットバンキングやクレジットカードのデータをインターネット上で集め、自動で日付・金額・取引先を転記し、さらに勘定科目を付けることまでします。
そして、自動化の対象が「帳簿チェック」にまで広がってきました。この度、freeeは「AI月次監査」の第一弾として2つの機能をアドバイザー様向けにリリースしました。① 特定のルールに基づいて該当仕訳を自動でチェックしアラートを上げる②修正した仕訳に類似する仕訳を提示する
<①特定のルールに基づく自動チェック: 試算表上での10万円超の消耗品費>
<①特定のルールに基づくアラート(続): 元帳上で該当する仕訳をハイライト>
<②修正仕訳をきると、類似した仕訳を提示>
さらに近い将来、月次監査作業はあたかもスクリーン上でAIと対話するような形で進む世界になっていくと考えています。次のフェーズでは<①自動チェック>の項目を事務所様ごとにカスタマイズ・修正提案できる機能を実装すべく、開発を進めております。
帳簿を「付ける」から「使う」へ
会計事務所や経理担当者の皆様の中には、情報収集→記帳→確認→決算→申告の一連の会計・税務業務が自動化されていく=仕事がなくなる、という危機感を持たれている方も多いと思います。
私は、「納税義務の適正な実現」やその前提として適正な決算を行う、という会計業界の使命は変わらない一方で、「帳簿を付ける」という仕事はなくなっていくと考えています。現に私のお付き合いしている多くの会計事務所様ではその時代がくると考えておられます。
そのような時代に会計業界に求められるのは、「帳簿を使う」というスタンスだと考えています。可視化された数値を元に経営者に向き合う、それが改めて会計業界の大きな使命だと考えています。自動化されリアルタイムに正しい数字が集計されるということは、使える数字が増える、ということです。
一歩一歩、技術を活用しながら「数字を使う」、そういう仕事を増やしてみてはいかがでしょうか?
筆者紹介
武地健太 freee株式会社 専務執行役員 CPO(Chief Partner Officer)京都府長岡京市出身。祖父・両親・弟が会計業界に従事する会計一家に生まれる。京都大卒。あずさ監査法人にて会計監査や上場支援に携わった後、ボストン・コンサルティング・グループにて経営コンサルティングに従事。2016年 freee株式会社 CFOとして参画。現在は Chief Partner Officer として会計事務所向けの事業全体を統括。元公認会計士。
関連URL:https://corp.freee.co.jp/news/freee-aigetsujikannsa-8360.html(記事提供元:freee株式会社)
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