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2020年7月開催予定の東京五輪に向け、大手企業を始めとする多くの企業が続々とテレワーク導入準備に取りかかかっています。東京五輪には国内外から1,000万人規模の観客が訪れる見通しで、政府は交通混雑対策の一環として企業へのテレワーク導入を促しています。
今回は、五輪中にテレワークの導入を実施予定の主な大企業を紹介します。具体的に何日間ぐらい実施予定なのか、どのような働き方になるのかなど、各企業のテレワークへの取り組み事例や導入状況などをみていきましょう。
大手住宅メーカーとして知られる大和ハウス工業は、五輪開催期間中、東京23区に勤務する社員約3,000名に対し、「2020年夏季スーパーテレワーク」を実施する予定です。
導入期間は、オリンピック競技大会開催期間の2020年7月24日~8月9日で、東京23区内の事業所を原則閉鎖するという大胆な取り組み。
社員はパソコンなどを活用して自宅を中心に仕事を行うほか、サテライトオフィスや東京23区外の自社施設を活用した勤務を計画しています。
また、東京都が五輪を契機に推進する「スムーズビズ」の冬バージョン、「冬のスムーズビズ実践期間~やってみよう!~」に参加して準備を進めているとのこと。
さらに、大和ハウスグループの株式会社メディアテック(大阪府に本社を置くシステム会社)では、2019年4月1日からすでにテレワーク制度を導入済みです。
実績がある分、五輪中のテレワークにもスムーズに取り組めるのではないでしょうか。
自動車製造業をリードし、莫大な資金量と純利益を誇るトヨタ自動車は、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会の会長企業でもあります。
ほかの企業も注目するトヨタ自動車の取り組みは、東京地区に勤務する1,650人全員を対象に、原則テレワークなどによる在宅勤務を推進するものです。
加えて、東京五輪を契機として、ボランティア活動や自己研鑽目的の休暇取得を推進するなど、社員のチャレンジ精神向上や成長の機会として捉えています。
五輪中のテレワーク以外においても、地域のボランティア活動や心のバリアフリー研修を行うなど、社員が仕事以外でも活躍できるような社会参画を促進しています。
さらに、スムーズビズを契機に、通勤時に靴や服装を歩きやすいものに替えて積極的に歩く習慣を推奨する「FUN TO WALK」を導入した点も注目です。
企業スローガンに掲げる「FUN TO DRIVE」の精神が、新時代の働き方にも活かされているのでしょう。
コピー機の販売などで知られる大手企業のリコーも、五輪中にテレワークを導入予定です。
五輪開催期間中の2020年7月24日~8月9日は本社オフィスを閉鎖し、本社勤務の社員約2,000人が在宅勤務やサテライトオフィスで勤務することになります。
リコーでは「働き方変革」を推進しており、2018年4月からリモートワーク制度を導入中です。
最大で同一週内3日、月間10日までの終日利用、部分利用が可能という制度。
テレワークを活用した労働者の「ワーク・ライフ・バランス」の実現に積極的に取り組む姿勢が評価され、厚労省や総務省から「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」など3つの賞を受賞しています。
これまではオフィス中心だった働き方を、社員を中心とした働き方にシフト中です。
2018年9月末調査、2019年5月総務省発表の『通信利用動向調査』によると、「テレワークを導入している」または「導入予定がある」と回答した企業は26.3%でした。
テレワークを導入する目的は、「定型的業務の効率性(生産性)の向上」が56.1%、「勤務者の移動時間の短縮」が48.5%の割合。
次いで、「勤務者にゆとりと健康的な生活の実現」が21.7%、「人材の雇用確保・流出の防止」が18.2%の割合でした。
導入したことによる効果は、「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」と回答した企業は81.6%と、多くの企業が効果を実感しているようです。
すでにテレワークを導入している企業を産業別でみると、「情報通信業」と「金融・保険業」は約4割が導入済みで、「運輸・郵便業」は導入率8.7%と低い傾向がみられました。
運送関連など、テレワークを導入しにくい企業ほど、導入率が低いことが推測できます。
なお、業種に依らず資本金10億円以上の企業のテレワーク導入率は、約5割と高い傾向にあります。
五輪中のテレワークを契機に、今後導入する企業も増えるのではないかと推測できますが、企業や社員にとってどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
・テレワークのメリット
【社員のメリット】
通勤時間の削減 / 通勤ラッシュによるストレス軽減 / 子育てや介護との両立
【企業のメリット】
柔軟な働き方への契機となる / コスト削減につながる / 生産性の向上につながる / 離職率の低下につながる / 災害時においてスムーズにテレワークを活用できる
・テレワークのデメリット
【社員のデメリット】
仕事ぶりが伝わりにくい / 自己管理が求められる / 孤立感やコミュニケーション不足を感じる可能性
【企業のデメリット】
勤務態度や勤労意欲などが把握しにくい / コミュニケーションが取りにくい / パソコンなどのセキュリティ管理を徹底する必要がある
テレワークにはメリットばかりではなく、顔を合わせないことから生じるデメリットもあります。自社でテレワーク導入を検討する際は、メリットとデメリットをしっかりと洗い出し、生産性や勤労意欲を低下させない対策を打つことが重要です。自社での対策だけで不十分な場合は、各社が提供するサービスのテレワークソリューションを活用するのもよいでしょう。
五輪中のテレワークを予定する企業や導入状況などを紹介してきました。資本金10億円以上の企業のテレワーク導入率は約5割ですが、全体的な導入率は低い状況です。しかし、テレワーク導入後の効果を実感した企業は約8割以上だったことを考えると、今後さらに導入する企業は増えると予想されます。
新型コロナウィルスの影響で予期せずテレワークの利用が広がっている状況ではありますが、きっかけはどうあれ、テレワークによる多様な働き方や生産性の向上に取り組む企業が増えることについては、働き方改革の推進に向けてプラスと考えることもできます。まだ導入されていない企業の総務人事担当者は、一度検討を進める必要がありそうです。
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