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政府は、就職氷河期世代の就労を促進するための支援策として、今後3年間で600億円超を投じ、正規雇用の労働者を30万人増やす目標を掲げています。その方針に歩調を合わせるように官公庁や民間企業でも、就職氷河期世代の採用する動きが出始めていますが、その実効性には疑問の声もあります。なぜ、いま、就職氷河期世代が注目されるのでしょうか。
就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の就職が困難だった1990年代半ばから2000年代前半に、就職時期を迎えた世代を指す造語で、現在40歳前後の世代を指します。
バブル期には、企業は積極的に設備投資を行い、大量に社員を雇用していましたが、1990年1月に株価や地価などが暴落、「バブル崩壊」と呼ばれ、人件費を圧縮するために、企業は軒並み新規採用を抑制する方針に転じました。
そのため、この時期に、大学などを卒業し、就職をしようとしてもなかなか就職することができず、やっとみつけた働き先は、フリーターや派遣労働など、社会保険の無い非正規雇用というものです。
内閣官房の就職氷河期世代支援推進室によると、この世代の非正規雇用者は約50万人、未就労者が約40 万人にのぼり、ひきこもり状態になった人も多くいるようです。この就職氷河期世代を労働力に取り込もうというのが、就職氷河期世代の就労支援の目的です。
就労支援として閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」によると、就職氷河期世代を対象として、ハローワークに専門窓口を設置することや、氷河期世代に特化した特定求職者雇用開発助成金の創設、3年間の国家公務員中途採用促進などを盛り込んでいます。
具体的な助成制度としては、無職や非正規社員を正社員として採用した中小企業に対して、1人当たり第1期30万円(大企業25万円)、第2期30万円(大企業25万円)、合計で60万円(大企業50万円)を1年間支給する制度などです。
ただし、「ハローワークを通して求職活動をする」こと、および「35歳以上60歳未満で正規雇用労働者として雇用された期間が1年以下、過去1年間に正規雇用されたことが無い人」が条件となっていますので、制度を活用して就職氷河期世代の採用を検討している企業の担当者は注意が必要です。
さて、この就職氷河期世代支援プランについては、「的外れ」「遅すぎる」という指摘もありますが、就職氷河期世代を積極的に採用する動きが広まっています。
厚生労働省は15日、バブル崩壊後の「就職氷河期世代」を対象にした中途採用に1,934人の応募があり、今年5月に正規職員10人の採用を予定しています。競争率は約190倍の「狭き門」のようです。
総務省の調査によると、全国19自治体が2019年度に職員の中途採用試験を実施または実施予定ということです。
また、東京都は、就職氷河期世代支援策として、企業への助成金7億円を2020年度の予算案に計上し、東京都内で約11万~12万人と推計される「就職氷河期世代」の非正規雇用や無職の人々に対する支援策、都職員の採用試験などを実施する方針を打ち出しました。
予算案に計上されているのは、「年間300人を1人当たり最大3社まで約1か月間企業に派遣し、派遣先とマッチング(約4億円)」、「正社員としての雇用、定着に向けた育成計画策定や研修を実施した事業者に最大90万円を助成(約3億円)」、「30代半ばから40代半ばを対象とした都職員の採用試験を実施(約4,000万円)」です。
また、民間企業では、総合人材サービス大手のパソナグループが、就職氷河期世代を中心に、300人を来年4月から順次、正社員として採用すると発表しました。同社が展開する地方創生事業向けの雇用で、このうち200人を兵庫県淡路島での観光事業に振り向けるということですが、就職氷河期世代を採用する動きは、さらに広がっていくのではないでしょうか。
2018年の「労働力調査基本集計」(総務省統計局)によると、非正規社員は371万人、そのうち正規雇用を希望しながら非正規雇用で働いている就職氷河期世代は50万人に達するとされています。
この世代の就職支援をすることは、日本の大きな課題ではありますが、実は、この世代の問題だけではありません。終身雇用や年功序列、新卒一括採用などの日本型雇用システムが大きく変わろうとしているなかで、期限と世代を限定する支援策ではなく、抜本的な支援体制を構築する必要があるのではないでしょうか。
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