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夏の風物詩、花火大会。例年ならば、日本全国でさまざまな花火大会が開催され、多くの人で賑わいます。家族連れやカップル、友人同士でも楽しめる一大イベントです。打ち上げられる花火だけではなく、さまざまなフード・ドリンクが並ぶ屋台の出店も醍醐味の一つ。毎年、楽しみにしている方も多いでしょう。
今回は夏の花火大会をテーマに、それの歴史やルーツについて解説をします。
また新型コロナウイルスの影響が心配される今年2020年の開催状況についても、最新情報をまとめました。
目次【本記事の内容】
夏の花火大会は、江戸時代に開催された隅田川花火大会が起源とされています。
それまでも花火は徳川家康や伊達政宗によって鑑賞された記録はありますが、庶民のものでも、夏の風物詩でもありませんでした。
きっかけとなったのは、江戸・隅田川(大川)での船遊びでした。暑さの厳しい夏場、町民たちは屋形船を出して夕涼みをしていました。この納涼が許可された開催期間に、花火師たちによって花火大会が始まったとされています。
花火が打ち上がれば、「たーまーやー」「かーぎーやー」という掛け声をかけます。これは玉屋、鍵屋という花火師のことをさします。よく間違われるのですが「たーまーやー」は、花火の丸い玉のことではありません。一方で鍵屋は現在でも続いている老舗の花火業者です。
船遊びを楽しむ町人に対して、花火師が自分たちの花火をPR・宣伝するために、広告塔として花火を打ち上げました。これが夏の花火大会のきっかけです。
また江戸時代に流行したコレラが関係している説もあります。当時、コレラによって大量の死者が出ました。霊たちを弔うため、そして疫病退散を祈願するために、両国の川開きの日に合わせて水神祭が催された際に、花火が打ち上げられたという内容です。
しかしながら、これは後世において創作された話だという見解もあります。いずれにしても、夏の花火大会は江戸時代の東京で始まったことは確かです。
以降は、明治・大正時代に海外からの最新技術を取り入れ、花火は発展を遂げます。さらに第二次世界大戦の終戦後から花火大会が全国的に普及していきました。
このようにして花火大会は、エンターテインメントとして庶民が楽しむ夏の一大イベントとなったのです。
夏の花火大会でも、「日本三大花火大会」と呼ばれるイベントをご存知でしょうか。数万人、数十万人を集客する大型花火大会がある中で、日本を代表するものは以下の3つです。
1万8000発
初回:1910年
動員数:80万人
2万発
初回:1925年
動員数:80万人
2万発(2夜開催)
初回:1879年
動員数:104万人(2夜開催)
すべて100年以上の歴史を誇る伝統的な花火大会です。それぞれに見どころがあり、ダイナミックな花火の迫力に圧倒されること間違いありません。
なお江戸時代には水戸の花火(水戸藩)、市川の花火(甲府藩)、吉田の花火(三河吉田藩)が、「日本三大花火」として親しまれていました。
市川の花火は神明の花火大会(山梨県)として、吉田の花火は豊橋祇園祭(愛知県)として今でも開催されています。
2020年は、新型コロナウイルスの影響のため開催を見送る夏の花火大会もあります。大規模なイベントになるほど、感染拡大防止のための中止は仕方ありません。
一方で、開催予定もしくは開催延期の花火大会もあります。延期の場合は、ほとんどが夏季から冬季に延期となります。それぞれ主要な花火大会の情報を、一部まとめてみました。
・第10回・真駒内花火大会(北海道)2万2000発
・第106回・足利花火大会(栃木県)2万5000発
・第35回・利根川大花火大会(茨城県)2万3000発
・第43回・隅田川花火大会(東京都)2万発
・幕張ビーチ花火フェスタ(千葉県)2万3000発
・第72回・諏訪湖祭 湖上花火大会(長野県)4万発
・ふくろい遠州の花火(静岡県)2万5000発
・PL花火芸術(大阪府)1万発以上
・京都芸術花火2020(京都府)1万3000発
・シーサイドももち花火ファンタジアFUKUOKA(福岡県)1万2000発
・天草ほんどハイヤ祭り 花火大会(熊本県)1万2000発
・第43回・奥多摩納涼花火大会(東京都)1万発
・開園55周年記念 りんどう湖花火大会(栃木県)5500発
・第36回・市川市民納涼花火大会(千葉県)1万4000発
・第54回葛飾花火大会(東京都)1万3000発
・エキサイティング2020 第45回江戸川区花火大会(東京都)1万4000発
・夏季熱海海上花火大会(静岡県)5000発
・長浜・北びわ湖花火大会(滋賀県)約1万発
各地域の詳しい花火大会の開催情報は、それぞれの公式ホームページや主催者までお問い合わせください。また開催予定・開催延期でも、状況によって変更になる場合もあります。最新情報は、随時ご確認ください。
また最近では、オンライン上で観覧できる花火大会を企画する花火業者が出てきました。2020年は無観客で映像によって花火大会を、在宅で楽しむスタイルが話題を呼びそうです。自宅で食事やお酒を嗜みながら、気軽に花火大会を楽しむ夏となるでしょう。
夏の花火大会の歴史を紐解いてきました。今ではエンターテインメント性の高いイベントですが、江戸時代から続けている日本が誇るべき伝統文化の一つだとわかります。
2020年は開催中止・延期となる花火大会も数多くあります。一方で、開催予定の花火大会は希少性が高いので、ありがたく観覧したいものですね。
現地に訪れる際は、ソーシャルディスタンスや咳エチケットなどの対策を怠ってはなりません。また自宅でオンライン鑑賞をしてみるのも今年らしい過ごし方ではないでしょうか。
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