公開日 /-create_datetime-/
モラハラやパワハラなど、嫌がらせを意味するハラスメントの種類は数多く存在します。
近年、職場内でのハラスメントは増加傾向にあり、組織をきちんと管理したり人材の流出を防いだりする意味でも、企業におけるハラスメント対策は喫緊の課題です。
多種多様な種類があるハラスメントの中に、「レリジャスハラスメント」と呼ばれるものがあることをご存知でしょうか。
今回は、レリジャスハラスメントの意味や事例、予防策などについて解説します。
レリジャス(religious)とは、「レリジョン(religion)=宗教」が変化した「宗教的な」という意味の言葉です。つまり、レリジャスハラスメントは、「宗教に関する嫌がらせ」を指します。略して「レリハラ」と呼ばれることもあります。
レリジャスハラスメントとして挙げられるものは、主に以下のような行為です。
・宗教団体に加入するよう、しつこく誘ったり強要したりする
・特定の宗教を信仰していない人を蔑んだり下に見たりする
・宗教団体からの脱退を希望する人に対し、脱退させないように脅す
・信仰している宗教が違うことに対し、相手の宗教を蔑んだり下に見たりする
・加入している宗教団体から性的虐待や幼児虐待を受けたり、多額の経済的負担を課せられたりする
このように、広義の意味では、宗教に関する嫌がらせ行為全般を意味する言葉として使われます。自分が特定の宗教を信仰していたり、自分が無宗教でも周囲に信仰心の厚い人がいたりする場合は、これらのような行為を受けたことがある人も少なくないでしょう。
職場におけるレリジャスハラスメントは、さらに行為が限定されます。狭い人間関係の中で、特に上司から部下に対するパワハラの一種として発生するケースが多いようです。次項で具体的な事例を見てみましょう。
職場でのレリジャスハラスメントは、上司から些細なことで激しく叱責される中で、いつしかその上司が信仰している宗教の話になり、入信を強く迫られるケースが多く見られます。
「○○を信仰していないからそのような簡単なミスを犯してしまうんだ」などと言いながら、上司である立場を利用し、断りにくい環境の中で行われる行為です。
これは立派なパワハラであり、宗教が絡んでいることからレリジャスハラスメントとして扱われます。
また、職場内で同じ宗教を信仰している者同士がグループとなり、その宗教を信仰していない人に対して、入信を強要したり人格を否定したりするなどの行為も、レリジャスハラスメントにあたります。
このような行為が日常的に繰り返されれば、仕事どころではなくなり、大きな問題に発展しかねません。
無宗教の人から、特定の宗教を信仰している人に対して行われる、「逆レリハラ」とも呼べるような行為も少なくありません。上司から部下に対して発言するケースや、無宗教者が集まって特定の宗教を信仰している人に発言するケースがあります。
パワハラの一つとしてレリジャスハラスメントを扱う場合、企業には法的な責任を負うリスクが発生します。レリハラが原因で従業員が退職を余儀なくされたり、自殺に追い込まれたりするケースでは、民法715条の「使用者責任」が問われ、企業に「不法行為責任」が課されることになるでしょう。
また、企業は従業員に対し、民法415条により労働契約上の「債務不履行責任」を負っていることも忘れてはなりません。雇用者・被雇用者間で締結される労働契約の付随的義務として、働きやすい職場環境を提供することが求められています。
これらの法的責任を問われ、企業が損害を賠償することになった場合、金銭的なダメージに加え、イメージを悪くし信頼を失うことにもなりかねません。
さらに、宗教の観点から考えても、レリハラは法律違反とみなされる可能性が高くなります。憲法で定められている「信教の自由」や、労働基準法で定められている「宗教などを理由に労働条件を悪くする差別的行為の禁止」に抵触すると考えられるからです。
レリハラの発生を予防する対策としては、社内に相談窓口を設置することを含めた、内部通報制度の整備が欠かせません。ハラスメントに対する企業としての方針を周知・啓発することも当然大事ですが、それだけでは完全な予防につながりにくいのが現状です。告発にできるだけ早く対応できるような社内制度を整えることが重要です。
本人の過失により会社に損害を与えたときや、セクハラ・パワハラなどで周囲に迷惑をかけた社員に対し、いきなり懲戒処分を実施するのではなく、まずは注意書で通知しましょう。あわせて注意承諾書など注意を受け入れたことに同意する書類があると、裁判になった場合に安心です。※赤字の箇所をアレンジしてお使いください【マネジー事務局公認テンプレート】このテンプレートはマネジーと提携している有資格者が監修したものです監修:社会保険労務士 西方 克巳
無料でダウンロードするレリジャスハラスメントは、その全てが悪意から発生するものではなく、むしろ自分が好きなことを相手に訴えたり、相手と共有したりしたいという気持ちから起こることがほとんどです。
信仰の自由は全ての人にあてはまることを一人ひとりがしっかりと意識し、執拗に勧誘したり相手を見下したりしないよう周知徹底を図ることが、職場でのトラブルを防ぐ大事な施策の一つといえるでしょう。
あわせて読みたい
業務委託契約の基本がわかるハンドブック
押印に合わせた電子署名形態の選択
どう選ぶ?契約ライフサイクル管理(CLM)ソリューションの選定に役立つ評価チェックリスト
【電子署名の導入を検討中の方にオススメ!】電子署名ガイドブック
顧問契約書/コンサルティング契約書の作成で気を付けておくべき事
振替休日は8時間未満(半日)でも取得可能?法律上の扱いと運用ポイントを徹底解説
神奈川県 ITツールを最大50万円補助 小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金
人材確保に最大300万円!宿泊業・飲食店等が対象「観光関連事業者による旅行者受入対応力強化支援事業補助金」【東京都】
社会人の7割以上が苦労! 業務・資格に関する勉強の「モチベーション維持」実態調査
【見どころ紹介】『IPO Beyond 2025』オトクなキャンペーン&2つの基調講演をご紹介!
アフターコロナの採用戦略とコスト最適化
業務委託契約書の書き方のポイントは?知っておくべき基礎知識
~質の高い母集団形成と採用活動改善へ~内定辞退者ネットワークサービス資料
人事給与システムPROSRV on Cloud サービス資料
契約書作成の際に必ず押さえておきたい8つのポイント
毎月勤労統計調査 令和7年4月分結果速報|6月2日~6月9日官公庁お知らせまとめ
Excelとスプレッドシート、どっちを使うのが良い?違いや互換性、変換方法などを解説
ビジネスで利用する大容量ファイル送信サービスの選び方
名古屋証券取引所IPOのメリットと労務管理の注意点
業績マネジメントとは? 概略と実行ステップを解説
公開日 /-create_datetime-/