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プラスチックの過剰使用を抑制し、海洋ゴミ問題や地球温暖化に対応するため、2020年7月1日からレジ袋の提供が原則有料化となりました。開始から3カ月以上経過するなか、店舗からの悲鳴や客からの様々な声が上がり始めています。
レジ袋有料化後に生じたデメリットの最新情報の紹介とともに、有料化は海洋ゴミ問題の解決につながるのか、有効性についても考察します。
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レジ袋有料化により、従業員の心身への負担増加や、店舗経営を圧迫する万引きなどが増えています。
店員は、客がマイバッグを持っているかわかりにくいため、レジの度にレジ袋が必要かどうかを声掛けしています。有料でレジ袋を買いたくない人からの暴言がみられるほか、コロナ禍で店員と客の双方がマスクをしているため、意思疎通がしにくい状況も関連しているようです。
● 客から「持ってるよ!何回も聞くな」と怒鳴られる
● 客から「タダにしろ」と理不尽な発言がある
● 電子レンジで温めた弁当を渡した際、「レジ袋が有料なら要らない。熱くて持ち帰れないから弁当も要らない」と、代金すら払わずに立ち去る客がいる
レジを通さずに、客が持参したエコバッグに食品などを入れる「エコバッグ万引き」が急増しています。店側は万引き予防や利益の圧迫を防ぐため、店内にエコバッグを持ち込む際は畳むようにアナウンスしたり、有料袋に該当しないバイオマスレジ袋を無償で配ったりと、苦肉の対応を行っています。
また、レジを済ませた後、商品が入った店内のカゴをそのまま自家用車に乗せ、持ち去る人もいるようです。
レジ袋有料化から2カ月以上経ったとはいえ、消費者にもデメリットが生じています。
● レジ袋を忘れた際、有料で購入するしかない
● レジで毎回「レジ袋要りません」と伝えるのが面倒
● これまでよりレジに時間がかかる
● エコバッグに入らない分の購入を控える
● エコバッグが生鮮食品で汚れるので手入れが面倒
● レジ袋をゴミ袋として利用するため、結局レジ袋型のポリ袋を購入している
● レジ袋有料化が本当にエコにつながっているのか不信
レジ袋有料化でレジ袋の辞退率がアップし、エコバッグを活用する人が増えています。大手コンビニチェーン各社の発表によると、7月のレジ袋辞退率は75~77%、大手スーパーでは75~85%でした。
一方、株式会社ドゥ・ハウスが実施した「脱プラとレジバッグ有料化」の調査(7月30日~8月3日/全国20代~60代の男女961人対象)によると、エコバッグの普及率は男性75.2%、女性94.6%と、ほとんどの人が活用していました。
それでも、同調査で「レジ袋有料後にレジで袋を購入したか」の質問に対し、「購入していない」と回答したのは47.6%と、半分以下に留まる結果となりました。内訳をみると、40代から60代は半数以上が購入していないのに対し、20代から30代は60~70%弱が購入したことがあるという違いがみられます。
袋の持ち忘れや持ち歩く面倒さに加え、年代層による環境への関心度が異なるのではないかと推測されます。
レジ袋有料化の大きな目的でもある、「海洋プラスチックゴミ問題」は解決するのでしょうか。イギリスでは、日本に先立ち2015年から有料化に踏み切っています。
導入される前年2014年のレジ袋購入数は、買い物客1人あたり年間約140枚。有料化後の2019年には年間約10枚にまで使用枚数が減少したそうです。
また、2015年に政府がレジ袋の有料化を導入して以来、イギリスの海岸で見つかるレジ袋の数は60%以上減っているとのこと。
イギリスでのレジ袋有料化による沿岸部のゴミ問題は、効果を見せ始めていると推測します。
日本の実態に目を向けると、2018年の環境省発表では、漂流ゴミ(プラスチック類のみ)のうち、レジ袋などのポリ袋が占める重量割合はわずか0.4%に留まるのです。
もっとも重量割合が多いのは、漁網・ロープの41.8%、次いでブイが10.7%、飲料用ボトルの7.3%、その他ボトル類の5.3%と続きます。つまり、わずか0.4%に過ぎないレジ袋を有料化して海洋ゴミを減らそうとしても、焼け石に水であることがわかります。
さらに、世界的に海洋流出するプラスチックゴミの発生量をみると、1位の中国が132~353万トン/年で、日本は30位の2~6万トン/年に留まります。
世界的な海洋プラスチックゴミ問題の解決には、各国の意識や行動変化が必要です。日本ではレジ袋の有料化だけでなく、いかに漁網などを海に流出させないかが問われます。
レジ袋有料化に伴い、店員を大きく疲弊させたり、万引きやカゴの持ち去りが起きたりと、店舗へのデメリットが生じています。一方、消費者には不便さだけでなく、エコバッグに入らない分は購入しないなど、消費意欲の低下もみられます。
また、レジ袋有料化の導入だけでは、環境問題の解決につなげるのは難しく、今後更なる対応が求められることでしょう。
■参考サイト
企業のSDGsへの取り組みと消費行動の関連性
SDGs目標達成期限2030年に向けて、消費者が簡単に取り組めること
日本ではビジネスチャンスという意識が高いSDGsの取り組み
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