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テレワーク・リモートワーク下でも機能する「BEI」による評価コミュニケーションとは

公開日2021/04/27 更新日2021/04/28

記事転載元:パラれる / 株式会社コーナー


「人事・採用のパラレルワーカーシェアリングサービス」

株式会社コーナーが運営する人事課題を解決したい企業と人事プロ人材のマッチング支援サービス。採用(中途・新卒・パート/アルバイト)、労務、制度設計、組織開発など幅広く企業の人事・採用課題を解決するサービスです。

テレワーク・リモートワークへの急激な移行を受け、各社さまざまな対応を迫られている中、社員のケアやコミュニケーションは重要な課題になっています。

特にこの時期、「プロセスを見てもらえない」ことによる評価や給与の低下が起きれば、ひとつ間違えると社員のモチベーションを大きく下げかねません。

そこに対する解決策として、具体的・客観的な体験エピソードを中心に情報を集めていくBEI(Behavior Event Interview=行動評価面談)という面談手法があります。

BEIとは、「従業員の行動特性や考え方を知る」ために行うインタビュー手法のことを指します。

今回は、人事制度・評価制度の導入経験を多く持ち、コロナ渦での社員ストレスケアや健康経営にも専門知識を持つ三浦康久さんに、テレワーク・リモートワーク環境下における「BEI」を用いた評価コミュニケーション手法についてお聞きしました。

<プロフィール>
三浦 康久
大手食品メーカー 経営企画部次長 兼 健康経営プロジェクトリーダー
神戸大学卒業後、製薬メーカーに入社し、人事部門にて評価・等級・報酬制度の企画導入や労務企画、システム導入などの幅広い経験を積む。その後現職である大手食品メーカーにて人事部門にて活躍。経営理念明文化や戦略的人事制度の設計、幹部採用、スマートワークや健康経営に関わるプロジェクトにて実績を残したのち、現在は経営企画部にて、事業計画及び中長期成長戦略の策定に携わる。

テレワーク・リモートワークにおける、評価者と被評価者のコミュニケーションの難しさ

──評価者側・評価される側の両方の観点から、テレワーク・リモートワークにおけるコミュニケーションの難しさを教えてください。

「見えない」ことが難しさの根源にあります。

評価者は「見えない」、評価される側は「見てもらえない(見せられない)」という状況がテレワーク・リモートワーク環境下ではデフォルトになり、以下のような認識の相違が生じます。

上司はこう思っている 部下はこう思っている
働きぶりの「質」 苦労せず仕上げたのかな。 ・途中、結構いろいろ苦心したんだけどな。
・今回、工夫してスマートに進められたことを分かってほしい。
働きぶりの「量」 どのくらいの時間を掛けているのかな。まさかサボっていないよね? ・残業までして仕上げたんだけど・・。
・今回意外と時間が余ったこと正直に言うべきかな?
モチベーション チャットの活字やweb会議の表情だけだと心情が読めないや。 ・実は最近ヤル気全開なんだけど、伝わってる?
・web会議の時は元気にしているけど、実は・・。
コミュニケーション メンバー同士でコミュニケーションはとってるのかな。 ・チームワークを結集した提案なの分かってる?
・Aさんと意見の相違があったんだけど、活字のやりとりでどうすればいいんだろう。
キャリアや仕事観 前は雑談しながら、部下の仕事観を把握できていたのにな。 ・今やっている仕事を通してしか、私を見てくれないのかな?

上司と部下の認識の相違は、決してテレワーク・リモートワーク環境下に生じるものではありません。例えば、出張や外出が多い上司のチームであれば、これまでも同様の状況にあったはずです。

それでも直近でテレワーク・リモートワークへ移行した会社であれば、つい「意志疎通がとれないのは、テレワーク・リモートワークが原因だ」と考えてしまいがちです。上司は環境を言い訳にし、部下も同様に不満を持ちます。そんな状況をそのままにしておくのは、誰にとっても良いものではありません。今をチャンスと捉え、この機会に「見えない」中でもお互いの意思疎通がとれるコミュニケーションの方法に変えていきましょう。

──お互いが「見えない」状態に陥ってしまっている場合、コミュニケーション方法を変えるには何から手をつければ良いでしょうか。

「見えない」ものを「見える」ようにするためには、下準備として日々のコミュニケーションが重要です。その点におけるポイントは2つあります。

(1)上司と部下が話し合う機会を普段から持つ

まずは、とにもかくにも上司と部下が話し合う機会を作り、日常的にコミュニケーションを取り続けることが大切です。1on1、中間面談、雑談ミーティング、業務報告……口実は何でも構いません。その時々に応じて必要だと思うコミュニケーションを見直して目的を決め、少なくとも月に2回程度は話す場を設けてください。

(2)1対1で行うことを原則とする

グループミーティングでは、言いたいこと・言うべきことを口にできない方も多いもの。先ほど「口実は何でもOK」とお伝えしましたが、話し合うときには、1対1のクローズドな場としてセッティングする必要があります。

ただ、これら2つの要素を満たしたとしても、その後の上司側の対応次第では失敗してしまうことも。そのポイントと解消方法については次項でご紹介します。

「見えない」を「見える」ようにする面談手法「BEI」と、よくある失敗例

──部下との定期的な1対1のコミュニケーション機会を設定するだけでは、評価につなげられる情報は得られない気がします。具体的にどんなコミュニケーション方法が有効になるのでしょうか。

まさにその通りで、ただ無意識に雑談を繰り返していても「見えない」ものが「見える」ようにはなりません。そこで有効な手段として、「BEI(Behavior Event Interview)」という手法を応用するやり方があります。

<BEI(Behavior Event Interview=行動評価面談)とは>

従業員の行動特性や考え方などを知るために行うインタビューの手法。

通常、インタビューは、インタビュアーが事前に質問項目を準備しておくのが一般的です。しかしBEIでは、あえて特定の質問項目を準備せず、インタビュイーが過去の成功体験や事象について「なぜ・どうして・どのように取り組んだのか」を聞き出していきます。その際のポイントは、インタビュアーが誘導せず、インタビュイーが自発的に話すように進めること。それにより、その従業員が重視する価値観や、行動特性などを把握することができます。

BEIは、昇進アセスメントや中途採用でも活用される面談技法の1つですが、今回のテレワーク・リモートワーク環境下でも有効に機能します。なぜなら、「見えない部下の思い」を「見える化」しやすい手法だからです。人事評価のシーンに合わせて、具体的な活用イメージをご紹介します。

■BEIの活用例

シンプルな例ですが、「ミーティング前に出席者へ資料を配布した」という行動があったとしましょう。この行動に対して、BEIを用いて「なぜ・どうして」という意図をそれぞれに個別でヒアリングすると、こんな答えが返ってきました。

  • Aさん: 「マニュアルにそう書いてあったから」
  • Bさん: 「その方が出席者の理解が進み、ミーティングが効率的に進むと思ったから」
  • Cさん: 「ミーティングの効率アップを口実に、可能な範囲で出席者にネゴしておこうと思ったから」

このように、行動時の意図からプロセス中の視座や能力を推し量ることができるのです。

さらにそこから「その次に何をしましたか?その意図は?」と深掘ってヒアリングすることで、部下の働きぶり・考え方・モチベーションなどをさらに理解できます。これらの情報を蓄積すると、これまで「見えない」と思っていたことが徐々に「見える」ようになり、それを人事評価に活かすことができるようになるという訳です。

──BEIを活用する上で気を付けるべきポイントはありますか?陥りやすい失敗もあれば、合わせて教えてください。

BEIは、意図確認を通じてプロセスを見える化できる優れた手法です。しかし「事前準備」と「面談時の入念さ」を欠かしてしまうと、期待した効果が得られません。

ポイント①:事前準備

事前準備不足でのよくある失敗は、「適切な場面特定ができていない」ケースです。

BEIの特徴のひとつに、「思いっきり具体的な場面を特定する」ことがあります。ミーティングであれば、「いつ・誰が出席していたミーティングで・どんなタイミングで・どんな発言がされたか」といったところまで場面を特定します。そこまで絞り込むからこそ、リアルな回答を得ることができるのです。

それぞれが違う場面を頭に浮かべてしまえば、ヒアリングも検討違いな方向へ行ってしまいます。そのためお互いの場面認識が揃っているかは必ず確認しましょう。また、具体的な場面を特定するためには、上司側で相当の事前準備が必要になるのは言うまでもありません。

ポイント②:面談時の入念さ

また、もう1つ気を付けたいのは、「面談時間が長めに必要になる」という点です。1人につき最低30分、できれば60分くらいは確保しましょう。具体的な場面を特定し、意図を聞いて、また別の場面を特定して意図を聞いて……この繰り返しが必要な取り組みですから、一定の時間がかかることは理解いただけると思います。
さらに、ここで大事なのは「メモを残す」ことです。いくら記憶力の良い上司の方であっても、1日に3人とBEI面談すると記憶力が追いつかないはず。事後に思い起こす際にも必要になるため、必ずメモは入念に取った上で整理して保管しておくことをオススメします。

評価タイミング目前で「BEI」をはじめるには

──新型コロナウイルスなどの影響を受け、急遽テレワーク・リモートワークを導入した企業も多くあります。それらの企業では制度を改変する間もなく、次の人事評価のタイミングを迎えることになりますが、そんな時でもBEIは有効でしょうか。

そんな時こそ、BEIは有効な手法です。

まずは焦らずに、「見えない」ことをひとつずつ「見える」ようにしていくことが大切です。まったく何も「見えない」中では、評価のしようがありませんからね。

少し時間に余裕があるようであれば、BEIを実施するための事前準備として「意図を問う練習をしてみる」「上司として把握したい場面のリストアップをしておく」といったことをしておくのが良いと思います。ちなみに意図を聞くときは、そのまま「その行動の意図は何だったの?」と聞いてください。「何でそうしたの?」と聞くと、部下は心理的に詰問されている印象になるからです。

また、ここまでテクニカルなことを多くご紹介してきましたが、このテレワーク・リモートワーク環境下における評価コミュニケーションで一番大切なのは「部下への愛情や誠実さ」だと考えています。

例えば、今回ご紹介したことを実践しようとすると、「いかに部下との面談時間を確保するか」が大変かを痛感するはずです。特に期末は、通常業務においても多忙なことが多い時期。物理的に時間を割くことができなくなることもあるでしょう。

また、従来のオフィスで全員が顔を合わせていた時と比較すると、部下を理解するためにかける時間は倍以上に膨れ上がります。オフライン時であれば75%くらいは上司として評価の”あたり”を持った上で部下との評価面談に臨んでいたかもしれません。しかし、テレワーク・リモートワーク環境下では部下の25%くらいが見えていれば良い方で、ほぼ実状が分からない状態で面談に臨まざるをえないことが大半です。そう考えると、単純計算でもこれまでの3倍の時間を確保する必要があるのです。

それだけの時間と工数がかかるものですから、そもそも上司が部下のことをどこまで想い、優先順位を上げられるかが大切なのは言うまでもありません。また、部下の評価に対する納得感は、そういった上司の想いが大きく影響します。「情」と「理」のバランスを意識しながら、できる限り長く部下との面談時間を確保する。それがこのテレワーク・リモートワーク環境下における評価コミュニケーションの一番大事なことではないでしょうか。

編集後記

「テレワーク・リモートワークになったから○○が難しくなった」と、テレワーク・リモートワークが原因かのように考えてしまいがちです。しかしその問題の根っこを突き詰めていくと、必ずしもそれが要因ではなく、元々あった問題が顕在化されただけというものが大半なのかもしれません。

シンプルに「人」対「人」のコミュニケーションを改善していくと考えた時に、今回ご紹介したBEIという面談手法では、客観的な具体例をもとに「事実」とメンバーの「思考」「働きぶり」を見つけていける有効な方法だと感じました。 

制度や仕組みがなくても、今すぐに取り入れることが可能なBEIを、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。


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