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会社を経営していく上で、絶対に外せないのが経理業務です。経理担当者には専門知識が求められ、実務経験を重ね経理業務に役立つ資格を取得することで、キャリアアップも見込めます。では、経理業務を行うにはどのような資格が必要なのでしょうか。
経理業務は、会社のお金の流れを日単位、月単位、年単位で管理することです。具体的には入出金の確認、伝票や帳簿の作成・整理、社員の給与計算、月次決算、売掛金の回収、買掛金の支払い、年末調整、決算書・有価証券報告書の作成、税務申告、会計監査対応などです。
つまり、決算や予算の編成など、会社の経営管理を行うための中核を担うのが経理で、高い実務能力が求められます。産業経理協会が行った「経理部の実態に関するアンケート」によると、「簿記・会計の資格保有は採用時に有利」とする企業は60%にも及びます。
経理担当者の多くが取得しているのが、商工会議所が実施する日商簿記検定で、初級、3級2級、1級とありますが、経理職に必要な簿記能力を示すなら、2級以上の取得を目指しましょう。
日商簿記検定よりも、より経理・財務の実務能力を証明するのが、経済産業省が推進するFASS検定です。
試験は資産、決算、税務、資金の4つの分野から出題されますが、他の資格試験と違って、合否ではなく、総合点により5段階のレベルで評価となります。企業経理なら上から2番目のレベルBでも十分ですが、キャリアアップや転職には、高い経理・財務のスキルを示す一番上のレベルAが有利となるようです。
また、経理業務に欠かせない給与計算に関する技能があることを証明する資格が給与計算実務能力検定です。この検定試験は、内閣府が認可している団体が実施しているため、経理の基礎知識があるかどうかを見定める資格の一つとして認知されています。
また、受験資格が定められていないことから、誰でも受験可能な資格で、基本的な給与計算や明細を作成できるレベルの2級と、年末調整なども含めた複雑な給与体系や、税務や労働法についての知識も求められるのが1級です。
経理担当として実務に役立つスキルを身につけたら、次に目指すのは、より専門性の高い税理士や公認会計士の国家資格の取得でしょう。
日商簿記1級の取得者なら、税理士試験の受験資格が得られますし、税理士試験に合格すれば、会計や税務の専門家としてアピールすることもできます。もちろん、給料もそれにふさわしい高収入が見込めるでしょうし、独立開業することもできます。
そして、経理関連の資格の最高峰といえば、公認会計士の資格です。公認会計士となると、監査役など企業の重要なポジションに就くことも可能です。もちろん収入の大幅アップも期待できますし、コンサルティング会社や金融機関、監査法人などでの活躍の場が広がり、税理士同様、独立開業もしやすくなります。
ただし、税理士の合格率は2%程度、公認会計士は、医者や弁護士資格と並んで、非常に難易度が高いとされるほどの超難関です。
グローバル化の加速によって、外資系企業の日本上陸、また日本企業の海外進出も増えています。そんなグローバル企業の経理部門での活躍を目指すなら、USCPA(米国公認会計士)やBATIC(国際会計検定)がおすすめです。
外資系企業やグローバル展開をする日本企業を中心に、国際会計基準(IFRS)の導入が進んでいますが、USCPA(米国公認会計士)やBATIC(国際会計検定)を取得すれば、国際会計基準の知識と英語力の両方を同時に示すことができます。
実務経験を積み、より専門的な知識の習得や資格取得によって、経理担当者としてのキャリアアップを目指しましょう。
経理職は、企業からの需要が高い職種です。経理職に就くために、必ずしも資格が必要ということではありませんが、資格取得によってキャリアアップや給与アップ、そして転職などでも有利に働くことは珍しくありません。自分の望むキャリアを築くためにも、資格取得にチャレンジしてはいかがでしょうか。
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