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デジタル化が急速に進んでいることは、誰もが実感しているだろう。しかし、どの程度なのかといえば、多くの人はなんとなくの感覚として受け止めているのではないだろうか。
それを市場規模などの数字で示しているのが、9月1日発刊の「デジタルコンテンツ白書2021」(一般財団法人デジタルコンテンツ協会)だ。
「デジタルコンテンツ白書2021」によると、2020年のデジタルコンテンツの市場規模は、8兆8,435億円だという。数字の上では、市場規模の拡大は明らかだが、実は前年の95.3%とマイナス成長となっている。
コンテンツ産業の全体の市場規模を見ても、11兆6,975億円で前年比90.7%と、こちらもマイナスに転じている。どうやら、新型コロナウイルス感染症の拡大がコンテンツ産業にも影を落としているようだが、マイナスとなるのは東日本大震災の影響を受けた2011年以来、9年ぶりである。
市場規模をコンテンツ別に見ていくと、動画が3兆8,520億円(前年比87.2%)、静止画・テキストが3兆1,126億円(同96.4%)、ゲームが2兆1,748億円(同99.6%)、複合型が1兆7,567億円(同105.6%)、音楽・音声が8,014億円(同57.2%)である。
メディア別では、ネットワークが4兆3,620億円(前年比111.0%)、パッケージが3兆2,869億円(同92.4%)、放送が3兆1,950億円(同89.7%)、劇場・専用スペースが8,536億円(同46.4%)で、ネットワークの市場規模が急速に拡大していることがわかる。
一方、これまで少しずつ市場規模を拡大してきた劇場・専用スペースは、コンテンツ区分を定義して調査を開始して以来、初めて構成比で10%を下回る結果となった。その背景にあるのもコロナ禍でリアルの場が失われたことが影響していると思われる。
また、ネットワークの市場規模拡大も、コロナ禍でインターネット通販やテレワーク、オンライン授業など消費行動のデジタル化が急速に浸透した結果といえる。
こうしてコンテンツごとに数字を見ていくと、デジタルコンテンツ市場が、どのように変化をしているのかが実感できる。「デジタルコンテンツ白書2021」には、国内のコンテンツ産業の市場規模の詳細データに加え、メディア分野別動向、海外動向などの解説もある。
さらに今回は、「コロナ禍が直撃、DXに挑戦するライブエンターテインメント」を特集テーマとして取り上げているので、コンテンツビジネスの “いま” を知る必携の書といえそうだ。
定価は19,800円で、全国の書店、政府刊行物センターで購入できるほか、一般財団法人デジタルコンテンツ協会のWebサイトから申し込むこともできる。
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