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企業に問われる「2025年問題」と「ビジネスケアラー」への対応

公開日2021/10/07 更新日2021/10/08


企業を取り巻く環境が一段と厳しさを増していますが、これからの課題として挙げられているのが「2025年問題」と「ビジネスケアラー」に、どう向き合っていくかということです。

職に就きながら、家族・親族などの介護を行う就労者

「2025年問題」については、多くの人が既知の事実として捉えているでしょう。一方「ビジネスケアラー」という言葉については、まだそれほど認識が広がっていないかもしれません。

「ケアラー」とは、家族や親族などを、直接・間接的に介護をしている人を指す言葉で、シニア市場のマーケティングリサーチなどを手掛ける株式会社リクシスは、「職に就きながら、家族・親族などの介護を行う就労者」を「ビジネスケアラー」と称しています。

介護を理由に退職する、いわゆる「介護離職」は、ここ数年は年間10万人と横ばいですが、仕事と介護の両立に取り組む「ビジネスケアラー」は、2012年から毎年10万人のペースで増え続け、2017年に約346万人、2021年には400万人になるとされています。

高齢化社会の日本では、年老いた家族の介護が必要となる人は、これからますます増えてくることが予想されますが、そこに「2025年問題」も降りかかってくるわけですから、企業はこの2つの課題とどう向き合うのかが問われることになります。

国民の4人に1人が75歳以上の超高齢社会

ここで、「2025年問題」を、少し整理しておきましょう。1947年から1949年までの3年間に生まれた戦後のベビーブーム世代、いわゆる団塊の世代が2025年以降に75歳以上の後期高齢者となり、超高齢社会に突入するということです。

総務省統計局によると、75歳以上の後期高齢者が2018年は約1,800万人、それが2025年には約2,200万人に増加し、実に国民の4人に1人が75歳以上となりますから、それに伴って医療や介護などの社会保障費の増大、労働力の減少などが懸念されることになります。

介護休業等の利用率は10%未満

日本はあと数年で、超高齢化がいよいよ本番を迎えることになりますが、いま、多くの企業が人事戦略として取り組んでいるのが、性別や年齢、国籍、障がいの有無に関わらず多様な人材を受け入れるダイバーシティ(多様性)の推進です。

多様な人材を受け入れることが、イノベーションを生み出すことにつながるとされ、仕事と介護の両立を支援する「育児・介護休業法」などの制度もあります。しかし、それほど利用されていないのが実情です。

株式会社リクシスの「仕事と介護の両立実態調査~管理職編」によると、「介護中の管理職の8割以上は支援制度の存在を知りながら、利用している人は5%」で、総務省「平成29年就業構造基本調査」でも、介護休業等の利用率は10%未満にとどまっています。

仕事と介護を両立するポイントは収入の維持

では、なぜこうした介護休業や介護支援制度などの利用が広がらないのでしょうか。リクシルの調査では、介護中の管理職のうち、介護にかかる物理的負担や心理的な負担を「つらい」と感じている割合は57.9%に達します。

しかもこれまでの生活レベルを維持しながら、介護にかかる費用も負担するとなると、いま得ている収入を減らすわけにはいきません。リクシルの佐々木裕子CEOは、「仕事と介護を両立する最大のポイントは収入を下げないこと」と指摘しています。

ビジネスケアラーが、介護支援制度を使わず、離職することもなく、仕事を続けているのは、収入を減らすわけにはいかないという、切実な現実があるようです。

もちろん、会社には知られたくない、職場に迷惑をかけたくない、自身のキャリアにマイナスの影響が及ぶといった懸念から、介護支援制度を使わずに離職もせずに仕事を続けていることも考えられます。問題は、その現実をほとんどの企業が正確には理解していないということのようです。

まとめ

4人に1人が75歳以上という「2025年問題」は間近に迫っています。超高齢社会で増え続けるビジネスケアラーにどのように向き合っていくべきなのか、真剣に考えなければならないのではないでしょうか。

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