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年の瀬が近づくと年末調整の手続きをしなければなりません。ほとんどの場合、徴収し過ぎた分が戻ってくるため、少し得をした気分になります。
この年末恒例行事に最近もう1種類、別な書類が加わるようになりました。それが「小規模企業共済等掛金控除証明書」です。この書類によって、いったいどのようなメリットが生まれるのか、その仕組みについて解説しましょう。
企業や個人事業主に雇用されている従業員は、毎月の給与から一定額の所得税が天引きされています。これを源泉徴収と呼びますが、この金額はその時点での正確な所得税額とは一致しません。とりあえず、前年度の収入などから大まかな納税額を算出して、一時的にストックしておくわけです。
年末調整の時期になると、正確な所得税額を算出するため、個人ごとの条件に合わせて以下の書類を提出することになります。
・扶養控除等申告書
・基礎控除申告書
・配偶者控除等申告書
・所得金額調整控除申告書
・保険料控除申告書
・住宅借入金等特別控除申告書
このほかにも保険会社から送られてくる支払い証明書などを添付して、あらためて正確な所得税額を算出し、その金額と源泉徴収との差額が年末調整で戻されるという仕組みです。
一方の雇用主側は、従業員が提出した申告書をもとに1年間の正確な所得税額を算出します。ほとんどの場合、各種控除により実際の所得税額は源泉徴収した税額よりも少なくなります。そこで、その差額分を従業員に還付するわけです。
今回のテーマである小規模企業共済等掛金控除証明書は、「個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)」への支払い申告書として使用します。iDeCoとは、簡単にいうと国民年金や厚生年金に上乗せして老後に備える資金運用方法です。
実際には、通常の年金とは別枠で金額を決めてそれを毎月積み立てておき、60歳になった時点で今度はそのお金を各種資産運用にまわすことになります。この毎月の積立金が、所得税控除の対象になるわけです。
iDeCoは公的年金ではないため、自分で加入手続きを行う必要があります。現在銀行などの金融機関や証券会社などがiDeCoを扱っており、月々5,000円程度からプランを組んで加入できます。
iDeCoに加入していると、年末調整の時期に合わせて小規模企業共済等掛金控除証明書(掛金払込証明書)が送られてきます。このハガキを開封せずに放置してしまうのは、せっかくの節税メリットを自ら放棄することと同じです。
ハガキを生命保険料の払込証明書などと同時に提出すれば、所得税控除の金額が大きくなり、より多くの差額が年末調整で戻ってきます。ただし申告しなければ控除対象にならないので、この証明書は必ず大切に保管しておきましょう。
iDeCoに加入していると税制面で大きなメリットがあり、年末調整で小規模企業共済等掛金控除証明書を提出すると、払い込んだ掛金の全額が所得税控除の対象になります。
会社員の場合、iDeCoの掛金は条件によって、年額14万4,000円から27万6,000円の間で決められています。仮に年収500万円で、掛金の年額が24万円(月額2万円ずつ)だとすると、年間での所得税の減額は4万8,000円にもなります。これを申告しないというミスは、ぜひとも避けたいところです。
iDeCoのメリットをほかにも挙げておくと、やはり税制優遇措置としてiDeCoで積み立てた給付金を一時金で受け取る場合、もしくは年金として受け取る場合、どちらも一定金額までは課税されません。
さらに、積立金を運用する場合でも、本来は金融商品の運用益には課税されますが、iDeCoでの運用益は課税対象外です。老後の備えに役立つのみならず、節税のメリットも大きいですが、運用時にはある程度のリスクがあることも考慮しておきましょう。
iDeCoの積立金納入時期によっては、小規模企業共済等掛金控除証明書が年末調整に間に合わないこともありますが、その時には翌年の確定申告により還付を受けられるので心配はいりません。
iDeCoという私的年金制度により、年末調整での所得控除対象が1つ増えました。この申告は生命保険などと同じ方法でできますが、意外に意識せず忘れてしまうケースもあります。
月々の掛金が2万円程度でも、たとえば30年間以上積み立てれば、所得税控除による節税効果は150万円を超える可能性もあります。現在iDeCoに加入中の人も、また今後の加入を検討中の人も、年末調整では必ず小規模企業共済等掛金控除証明書を忘れないようにしてください。
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