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厚生労働省は、9月6日に地域別最低賃金額の改定を発表しました。
引き上げ額の全国加重平均は26円で、最低賃金が時給で決まるようになった 平成14年度以降、引き上げ額は最高額となります。
最低賃金制度とは
最低賃金制度は、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低額で、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定めたものです。
最低賃金には、地域別最低賃金と特定最低賃金の2種類があります。地域別最低賃金は、産業や職種を問わず、都道府県内の事業場で働くすべての労働者と、その使用者に対して適用となります。特定最低賃金は、特定地域内の特定産業の基幹的労働者と、その使用者に対して適用されます。
使用者が、労働者に対して地域別最低賃金を下回る賃金しか支払っていない場合には、使用者は労働者にその差額を支払う必要があり、最低賃金法には「50万円以下の罰金」という罰則も定められています。
たとえ、使用者と労働者との間で、最低賃金額以下という合意があったとしても、それは認められません。また、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法の「30万円以下の罰金」という罰則が適用されることになります。
目標とする最低賃金額は1000円
最低賃金は、公益代表と労働者代表、使用者代表で構成する「最低賃金審議会」で、賃金の実態調査結果など各種統計資料を十分に参考にしながら審議を行い決定しています。
労働界は、最低賃金額1000円と、過疎化・高齢化・人口減少・地域経済の疲弊に直面する地方・地域の実情から、地域間格差の縮小を強く求めてきましたが、残念ながら、地域間格差問題よりも、「働き方改革実行計画」や「骨太方針2018」などに盛り込まれた政府方針の「3%引き上げ」に重点が置かれ、引き上げ額が決定したようです。
平成29年3月の働き方改革実現会議で決定された「働き方改革実行計画」によると、「年率3%程度を目途」として、名目GDP成長率にも配慮しながら引き上げ、将来的には全国加重平均が「1000円になることを目指す」としています。
政府目標クリアするも先進国の中では低水準の日本
さて、各都道府県の平成30年度地域別最低賃金額改定ですが、各都道府県の経済実態に応じて4つのランクに分け、Aランク27円(6都府県)、Bランク26円(11府県)、Cランク25円(14道県)、Dランク23円(16県)となっています。
Aランク/埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
Bランク/茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島
Cランク/北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡
Dランク/青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
改定額は全都道府県で20円を超えていますから、引上率に換算すると3.1%となり、政府目標をクリアすることにはなります。しかし、依然として日本の最低賃金額は、先進国の中でも極めて低い水準にあり、より一層の最低賃金の引き上げが求められています。
最低賃金の引き上げは、使用者側にとっては、人件費のコストアップとなるため、できれば低く抑えておきたいところですが、労働者側の粘り強い審議交渉もあり、また、深刻な人材不足や、政府の中小企業支援策の拡充などを背景に、引き上げを受け入れたようです。
地域別最低賃金はパート、バイト、臨時、嘱託すべてに適用
ところで、この地域別最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など、すべての労働者とその使用者に適用となりますから、アルバイトやパート、正社員の採用を担当する人事部門の担当者は、しっかりと把握しておく必要があります。
また、派遣労働者には、派遣元の事業場の所在地にかかわらず、派遣先の最低賃金が適用となりますから、こちらも注意が必要となります。
また、人事担当者が押さえておく必要があるのは、最低賃金が減額になる特例です。特例を受けることができるのは「精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方」、「試用期間中の方」、「基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方」、「軽易な業務に従事する方」、「断続的労働に従事する方」です。
特例を受けるためには、都道府県労働局長の許可を受けることが条件ですので、詳細は最寄りの都道府県労働局か、労働基準監督署で確認しましょう。
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