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経理担当者がもっとも多忙となるのは決算に追われる3月でしょう。
しかしすべての企業が「3月決算」としているわけではありません。
たとえば小売業界の多くは「2月決算」です。なぜ業種によって、あるいは企業によって決算期が違うのでしょうか?
東京と大阪の証券取引所第1部上場1,603社のうち、全体の82.8%に当たる1,327社が「3月決算」を採用していることからも明らかなように、“3月決算、4月から新年度スタート”というのが、日本の企業の一般的な決算年度です。
「3月決算」の次に多いのが「12月決算」(全体の6%)で、3番目が小売業界の87社(全体の5.4%)が採用している「2月決算」です。
12月決算は、1月1日から12月31日を年度とするわかりやすい年度設定です。2月決算となれば、何か中途半端なような感覚をもつ人もいるのではないでしょうか。しかし、小売業界の多くが2月決算を採用している、合理的な理由があります。
決算月は、1年間の売り上げや諸経費を集計し、いくら利益があったのかをはじき出さなければなりません。ですから、この時期の経理部門は、それこそ“猫の手も借りたい”と表現されるほど、決算作業に忙殺されることになります。
多忙を極めるのは経理部門だけではありません。売上目標に届いていない営業部門は、なんとか目標を達成しようと躍起になるでしょうし、それぞれの部門でも諸経費の伝票類をまとめなければなりませんし、新年度の計画も立てなければなりません。
ですから、できるだけ業務が立て込まない時期を決算年度にする方が、決算作業に集中できます。小売業界が1年を通じて比較的ヒマになる時期といえば、いわゆる“ニッパチ”と呼ばれる2月と8月です。
小売業界の多くが2月決算を採用しているのは、昔から「ニッパチは消費行動が落ち込む」とされているからです。
ところで、ニッパチ(2月、8月)は、本当に消費行動に変化がみられるのでしょうか。消費行動が活発になるのは、やはりボーナスが支給される6月と12月です。
夏のボーナスが支給される6月はお中元、冬のボーナス時期はお歳暮で、まさにボーナス商戦が活発に展開されます。さらに夏物や冬物の衣料品、家電・家具の買い替え需要も、ボーナス支給とともに高まります。
ボーナスでの散財の反動で買い控えとなるのが、2月と8月のニッパチです。そのため、デパート、スーパー、コンビニ、アパレル、外食の著名企業の多くが、この消費行動が落ち込む時期の2月決算を採用している理由です。
もっとも、決算月は必ずしも繁忙期を避けて閑散期に設定しているわけではありません。取引先の決算月に合わせる企業もありますし、それぞれの企業の年間スケジュールや商慣習によって決算月は決められています。
さらに、決算月の経理部門は、“猫の手も借りたい”と称されるほど”忙しくなるのは、経理が手作業で行われていた時代の話。デジタル化が進んだ経理部門では、請求書や領収などの伝票の集計も、日々の業務のなかで自動的に処理されるようになっています。
また、合併や経営統合、M&Aの増加など、経営スタイルも大きく変化しつつあります。新しい時代にふさわしい決算期に変えるところも、これからは多くなってくるのではないでしょうか。
年度替わりとなる4月、一つの“区切り”として、気持ちを新たにするビジネスパーソンも多いでしょう。
その“区切り”が、決算期によって変わっていくことになるのでしょうか。

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