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大法人のe-Taxによる申告が義務化されて以来、中小企業においてもe-Taxを導入する企業が増えています。
一方で、e-Taxの導入に踏み切れていない企業や、今回の申告からe-Taxへの切り替えを検討している企業もあるはずです。
今回は、e-Taxで法人ができることや、始める際に必要な手続きについてあらためて確認していきます。導入時の注意点もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
e-Tax(イータックス)とは、国税庁管轄の国税電子申告・納税システムです。税務署に出向かなくても、オフィスのPCからオンラインで各種申告・申請や届け出、納税手続きを行えます。
e-Taxで法人が可能な手続きとして、主に国税関連と地方税関連が挙げられます。
e-Taxで可能な国税の手続き・納付には、下記のものがあります。
・法人税・消費税の申告
・各種届出書の提出
・源泉徴収関連の手続き・納税
e-Taxが始まった当初は各種添付書類を紙ベースで提出しなくてはならないなど、オンラインで完結できないケースがありました。しかし、2022年現在は添付書類を含めたすべての書類を原則データで提出できるようになっています。
地方税の手続き・納付は、国税とは別のシステム(地方税eLTAX)によって行います。eLTAXで可能な手続き・納付として、下記のものが挙げられます。
・事業税・事業所税
・都道府県民税
・市町村民税
・償却資産税
上記の申告書・各種届出書の提出および納税
ただし、eLTAXへの対応状況は自治体ごとに異なります。利用可能な手続きを確認のうえ、活用することが大切です。
国税庁は令和3年10月、法人のe-Tax利用率について公表しました。下のグラフは、法人税申告と所得税申告におけるe-Taxの利用率の推移を示しています。
上図の通り、e-Taxは個人よりも法人で普及が進んでいます。e-Taxによる申告を行う企業の割合は、すでに9割到達が目前に迫っているのです。
e-Taxの利用件数としては、令和2年度の法人税申告においては242万件に達しており、対前年比102.3%と毎年微増にて推移しています。平成30年度税制改正によってe-Taxの利用が義務づけられたのは資本金1億円を超える大企業のみです。しかし、中小企業においてもe-Taxの普及が進んでいることが窺えます。
法人でe-Taxの普及が進んでいる背景として、オンライン申告によって得られるメリットが大きいことが挙げられます。e-Taxを導入することで得られる主なメリットをまとめました。
●申告に要するコストを削減できる
書類での申告には、人件費・郵送代・印刷代といったさまざまなコストがかかります。とくに地方税を申告する地域が複数にわたっている場合、申告に相当な時間を要していたケースもあるはずです。
e-Taxによる申告であれば、オフィスのPCで完結させられます。税務署で長蛇の列に並んだり、膨大な添付書類を郵送したりする手間が解消され、コスト削減につながるのです。
●税金が還付されるまでの期間が短い
税金の還付を受ける場合、e-Taxによる申告であれば2〜3週間で還付されます。書類による申告では、還付までの期間は1ヶ月〜1ヶ月半ほどを要するのが一般的でした。還付されるまでの期間が半分程度に短縮されるのは、e-Taxを利用するメリットといえます。
大きなメリットを得られるe-Taxです。しかし、デメリットとなりかねない面もあります。いずれも事前に理解しておくことで軽減できるデメリットですので、e-Tax導入前に確認しておきましょう。
●初年度は事前準備が必要
e-Taxを利用するには、事前に準備を整える必要があります。重要なポイントとなるのが次の3点です。
① e-Tax利用開始の届出書
→国税庁HPよりダウンロードし、必要事項を記入のうえ所轄税務署へ提出。
② 商業登記電子証明書
→専用ソフト「商業登記電子認証ソフト」を法務省HPよりインストールして作成。
発行手数料は証明期間に応じて変わる点に注意(下表)。
期間 |
3ヶ月 |
6ヶ月 |
9ヶ月 |
12ヶ月 |
15ヶ月 |
18ヶ月 |
21ヶ月 |
24ヶ月 |
27ヶ月 |
手数料 |
1,300円 |
2,300円 |
3,300円 |
4,300円 |
5,300円 |
6,300円 |
7,300円 |
8,300円 |
9,300円 |
③ カードリーダーライター
→電子証明書を読み込む際に使用。
商業登記電子証明書は、証明期間が終了した場合に更新手続きができません。期間終了後はあらためて発行手続きが必要です。また、登記事項に変更が生じた場合も再取得することになりますので、証明期間を慎重に判断して決定しましょう。
e-Taxの届出書は初年度に一度提出すればよく、次年度以降は継続してe-Taxを使用できます。初年度に限り準備が煩雑になりやすい点は、e-Taxのデメリットといえるでしょう。
●対応OS・ブラウザが限定されている
e-Taxには、利用可能なOS・ブラウザの要件があります。以下の利用環境のみで動作しますので、自社のPC環境が適合しているか確認しておきましょう。
OS |
ブラウザ |
PDF閲覧 |
Windows11 |
Microsoft Edge Google Chrome |
Adobe Acrobat Reader DC |
Windows10 |
Internet Explorer 11 Microsoft Edge Google Chrome |
|
Windows8.1 |
Internet Explorer 11 Microsoft Edge Google Chrome |
|
mac OS 12.0(Monterey) |
Safari15.1 |
|
mac OS 11(Big Sur) |
Safari15.1, 15.0, 14.1 |
|
mac OS 10.15(Catalina) |
||
mac OS 10.14(Mojave) |
Safari14.1 |
自社のPCが上表に適合していない場合、適合する環境を用意する必要があります。利用環境が限定されている点は、e-Taxのデメリットとなり得るでしょう。
今回は法人がe-Taxでできることと、e-Taxを始めるための手続きについて解説してきました。導入初年度は準備を整える必要があります。しかし、一度環境を整えてしまえば申告の迅速化・効率化につながります。
ぜひ本記事を参考に、e-Tax導入に向けて準備を進めてください。必要な準備を確認しておくことで、e-Taxへの移行がスムーズに実現するはずです。
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