公開日 /-create_datetime-/
金融庁は、約4,000社の上場企業に対して、女性管理職率や男女の賃金格差に関する情報の公開を義務化しました。昨今、女性管理職を取り巻く問題が叫ばれていますが、論点はどこにあるのでしょうか。
今回は金融庁が5月23日に発表した内容を元に、女性管理職率に関する展望を解説します。
目次【本記事の内容】
金融庁の発表のポイントは以下の2点です。
・上場企業約4,000社に対して、女性管理職率や男女の賃金格差、男性の育児休暇取得率の情報公開を義務化
・国に提出することになっている決算書類「四半期報告書」を廃止。証券取引所の規則に基づく「決算短信」に一本化
企業が毎年作成する有価証券報告書には、「従業員の状況」の項目があり、従業員に関する情報を記載しなければなりません。そこに追加されるのが「女性管理職率」や「男女の賃金格差」「男性の育児休暇取得率」の情報です。
こうした情報の義務化には、投資家が企業価値を正確に見極められるようにするといった目的があります。そして企業にとっても、自社の企業価値を上げるために、女性管理職率を高めるインセンティブが発生するでしょう。
2022年5月時点では、発表にとどまっており、本格的に適用されているわけではありません。しかし、今後こうした情報の義務化がルールとして追加されるため、女性管理職率に関する問題がどのようになっていくのか、注目を集めています。
日本では、世界に比べて女性の社会進出が遅れており、女性管理職率も先進諸国に比べて低水準になっています。女性管理職率が上昇すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
まず大きなメリットとして、多様性のある組織が形成できます。昨今、人材や雇用形態の多様化が進んでおり、様々なライフスタイルを持った人が働いています。
また昨今ではコンプライアンスが重視されており、企業が炎上するケースも増えています。このような世の中で、管理職が全員男性である場合、偏った企業活動になってしまう危険性があるでしょう。
組織が均質化されており、偏った考えや不合理な決定でもそのまま採用されてしまう現象を、集団浅慮(グループシンク)と呼びます。女性管理職率が増えれば、不合理な決定に対してノーを突きつける人が出てくるため、バランス感覚のある企業活動ができるようになるでしょう。
また女性社員が悩みを打ち明けやすい状況を作れるのも、女性管理職率を上げるメリットです。たとえば、女性ならではのプライベートな悩みは男性管理職や男性社員に相談しにくいものであり、同性の相談相手を求めることがあります。
女性管理職が配置されていれば、女性社員の悩みを聞きやすくなるため、部下の状況をより判断しやすくなります。また女性管理職が活躍している姿を見て、「私もあのような人になりたい」と考える人が増え、ロールモデルが多様化するメリットも見逃せません。
女性管理職率が高いことによって、企業価値を高められるメリットもあります。これは先ほどの金融庁の発表をみても分かるように、投資家は「女性管理職率がどれくらいか」といった項目を、企業価値を判断する際の参考にします。
海外の先進諸国をみても、女性管理職率の割合は高まっており、世界的な傾向として「女性管理職を増やそう」という流れになっています。女性管理職率が高ければ、そうした世界のトレンドに乗っている企業として、一定の評価を受けられるでしょう。
ここまで女性管理職率を高めるメリットについてみてきました。もちろん女性管理職率を上げるのは重要ですが、注意したい点が二つあります。
まずは、「女性管理職を増やせれば増やすほどいいのではなく、ある程度のバランス感覚が必要である」点です。男性管理職で組織が均一化されているリスクについて触れましたが、それは女性管理職についても当てはまります。
女性管理職を増やせば増やすほどいいのではなく、男性管理職とのバランスを取り、組織の多様性を維持するのが重要です。
また「女性管理職率を上げることだけを目的に女性管理職を増やしてはならない」点にも注意しましょう。「女性管理職率を上げなければ」という意識だけで、適性のない女性を管理職にしてしまうと、組織としての公平性が薄れてしまいます。
重要なのは、性別に関係なく、管理職として能力のある人間を昇進させるフラットな人事評価です。企業としての価値を高めるために、無闇に女性管理職を増やそうとするのは、なるべく避けておいた方が無難でしょう。
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~入金消込の効率が飛躍的にアップ! ティーペック株式会社~
Adobe Acrobatで電子署名する方法とその見え方
健康経営ソリューションとして 社宅・社員寮が果たす役割
世界No.1の電子署名で業務効率化、コスト削減、セキュリティ強化を実現
管理部門職種別 面接質問集【MS-Japan】
ストレスチェック制度の義務化|罰則や目的、実施手順をわかりやすく解説
法令違反は罰則も!改めて確認しておきたい「最低賃金」 の基礎知識|その他の注意点
大阪府内の労災は何が多い?2025年最新データと対策を解説
働きがいと成果に繋がる賃金制度の構築ポイントを解説
ピープルアナリティクスとは?導入目的と注意点、取り組みのメリットをわかりやすく解説
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~自動消込照合率が91%まで上昇! 株式会社有隣堂~
法務部の負担を軽減!「契約ライフサイクル管理システム(CLM)」のキホンを徹底解説
【電子署名の導入を検討中の方にオススメ!】電子署名ガイドブック
-ホンネを引き出し離職要因を解明- 退職者インタビューサービス資料
【新卒採用トレンド】優秀な人事は押さえている!新卒採用3大トレンド
気象予報士が指南 会社を守る防災の新ルール【ランスタセッション紹介】
リモートワーク実施率は前年同様の17% ~2025年3月 リモートワーク実態調査~
【企業のGRC調査】規程整備の遅れは、業務担当者負担大が原因か〜ハラスメント防止規程の整備43.2%、内部通報規程は27.9%と整備遅れ。規程業務の負担大72.6%、業務時間は前年度より増加〜
法令違反は罰則も!改めて確認しておきたい「最低賃金」 の基礎知識|押さえておくべき実務上の基礎知識と最低賃金額の計算方法
ワーケーションとは?導入目的と注意点、取り組みのメリットをわかりやすく解説
公開日 /-create_datetime-/