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財務諸表は、企業の置かれた状態を読み解くために重要なものです。また企業の視点では、株主などのステークホルダーに、自社の経営成績やキャッシュフローを説明するための資料となります。
たとえば株主は、常に会社の経営成績が気になるはずです。また金融機関が、融資の判断をするために、会社の財政状態を確認することもあるでしょう。
このように、財務諸表はさまざまな面で利用されます。ここでは、財務諸表の基礎知識や、その構成要素について幅広く解説します。
目次【本記事の内容】
財務諸表とは、1年間の会社の財政状態や経営成績をまとめたものです。冒頭でも少し触れたように、株主などのステークホルダーに、自社の状態を説明するのが主な目的となっています。具体的には、「プラス要素になっている財産と、マイナス要素になっている負債のバランス」を開示する資料です。一般的に、決算書と呼ばれることもあります。
有価証券を発行する会社(つまり株式会社)は、金融商品取引法第24条により、財務諸表を含む有価証券報告書を提出する義務があります。また法人税に関する確定申告の際も、各種別表の提出時に財務諸表を添付しなければなりません(法人税法第74条第3項)。
財務諸表を構成する要素はいくつかありますが、とくに重要なのは「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」の三つです。これらは「財務三表」と呼ばれます。
損益計算書は、収益と費用を計上し、会社にどれくらいの利益があるのかを示す書類です。「Profit&Loss Statement」の頭文字をとって、「P/L」と表記されます。主な項目は、以下の五つです。
・売上総利益(売上高−売上原価)
・営業利益(売上総利益−販売費および一般管理費)
・経常利益(営業利益+営業外収益−営業外費用)
・税引前当期利益(経常利益+特別利益−特別損失)
・純利益(税引前登記利益−法人税・法人住民税・法人事業税)
さまざまな収益や費用を考慮しつつ、最終的に純利益を求めるのが目的となっています。この純利益こそが、企業の純粋な利益となっており、「プラスであれば黒字」「マイナスであれば赤字」となります。たとえば、売上総利益でプラスになっていたとしても、純利益がマイナスになっていれば赤字です。
どの要素を見るかによって、企業の異なる側面がチェックできます。たとえば営業利益は、本業の利益に関する項目であり、「本業でどれだけ収益を上げているか」を判別可能です。また経常利益は、営業以外のさまざまな要素が入ってくるため、「企業全体の収益力」が分かります。
貸借対照表は、企業の財政状態を確認するための書類です。「Balance Sheet」の頭文字をとって、「B/S」と表記されます。また、英語でそのまま「バランスシート」と呼ばれることも少なくありません。
損益計算書は、具体的にどれだけ利益を上げているのか、つまり1年間のお金の流れを説明するための書類でした。一方の貸借対照表は、決算日時点の、企業の財政状態を説明するための資料です。
「バランスシート」と呼ばれるように、貸借対照表は、資産と負債・純資産の合計が一致するようにできています。たとえば100万円の収入があり、80万円の費用があった場合、純資産は20万円です。
貸借対照表は左側と右側に分かれており、左側に資産の部、右側に負債の部と純資産の部があります。そのため、左側に書かれるのは収入の100万円で、右側に費用の80万円と純資産の20万円が記載されます。資産の部の合計は100万円、そして負債の部と純資産の部の合計も100万円(80万円+20万円)です。
貸借対照表は、常にこの原則に従って記載され、資金をどのように運用しているのかを説明します。
キャッシュフロー計算書は、損益計算書や貸借対照表と比べると少し分かりにくいですが、お金の流れを説明するための資料です。「営業活動」「投資活動」「財務活動」の三つの要素に分けつつ、企業の経営状態を分析できます。キャッシュフロー計算書は、主に四つの要素で構成されています。
・営業活動によるキャッシュフロー
・投資活動によるキャッシュフロー
・財務活動によるキャッシュフロー
・期初キャッシュ残高
この四つを足し合わせることによって、期末キャッシュ残高となります。この期末キャッシュ残高は、次期の期初キャッシュ残高の元となる要素であり、その数値を基準にして新しいキャッシュフロー計算書が作られます。
財務諸表は、会社の経営状態を分析するために、とても重要な書類となります。また、会社にとっては、株主などのステークホルダーに対して、自社の情報を開示するために欠かせません。
財務諸表について正しく理解するためには、「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」の三つの違いを整理しておく必要があります。今回の記事をきっかけに、財務諸表についての知識を、一度見直してみてはいかがでしょうか。
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