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毎年6月は、人事総務担当者の恒例業務の一つ「労働保険の年度更新」の申告・納付の時期です。
すでに2020年4月から、大企業を中心に労働保険の電子申請は義務化がスタートしています。しかし、中小企業に関しては義務化されていないため、まだまだ電子申請ができることの認知度は高くない状況です。労働保険の電子申請に関する調査でも「知らない」という回答が47.1%(※)という調査結果となり、半数近くの方に認知されていないといった現状があります。
電子申請の利用により、郵送や窓口での手続に比べ労働保険の年度更新手続に関わる時間と労力・コストが大幅に削減されます。また、昨年から今年にかけては新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、従業員の安全の面でも電子申請の活用が増えるとみられましたが、2020年度の電子申請普及率は約15.6%(※)とまだまだ普及しているとは言いづらい状況です。
なぜ、労働保険の電子申請の認知や活用が進まないのでしょうか?今回の記事では、電子申請に関して概要や利用のメリットをわかりやすく解説します。
(※)データ出典元:「労働保険電子申請」広報効果検証調査2020
労働保険など各種手続の電子申請が推進されている背景には、「電子政府」の推進があります。電子政府は、2001年に政府のIT戦略本部が発表した『e-Japan戦略』により提言され、2006年には「電子政府推進計画」が立案されました。
「電子政府の総合窓口(e-Gov)」はこの計画に盛り込まれ、推進・拡充されてきました。労働保険など行政手続の電子申請は、e-Govのサービス内容の一つです。
電子申請の利用により、従来は紙によって行われてきた申請・届出などの手続が、インターネットを利用して会社や自宅のパソコンから手軽にできるようになります。
2020年4月からは、特定の法人が一部の手続を行う場合には、電子申請が義務化されました。特定の法人とは、資本金が1億円を超える企業などを指し、健康保険・厚生年金保険、労働保険、雇用保険の3つの行政手続のうち、一部の手続が対象です。
それ以外の法人・手続について義務とされていませんが、今後は大企業にとってはもちろん、中小企業にとっても、電子申請が大きな流れになっていくと見込まれています。
ペーパーレスやテレワーク下での申請・届出が可能になるため、企業にとってはメリットが多いように思えますが、なぜ電子申請を利用する企業は増えないのでしょうか?
2020年に行われた労働保険の電子申請に関する調査(※)では、「社内システムが書面での申請を前提に構築されている」、「電子申請の使用方法に慣れておらず従来の申請方法の方が早い」などの要因が挙げられており、なかなかこれまでのやり方から抜け出せない企業が多いようです。
一方で、利用している企業にとっては、行政機関へ出向くための移動時間や待ち時間の節約になり、郵送に比べてペーパーレス対応が可能になり、24時間365日いつでも申請や届出ができるといった効率化の面でメリットを実感している方が多いようです。
『電子申請』というと、難しいものとしてのイメージが先行してしまい、利用するまでのハードルが高いように思えるでしょう。しかし、移動時間や行政機関の開庁時間などを考慮しなければならないといったことはないため、電子申請の使い方を覚える時間を差し引いても圧倒的に時間の節約になるでしょう。
(※)「労働保険電子申請」広報効果検証調査2020
上記でも少し触れましたが、労働保険の電子申請にはどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に見ていきます。
電子申請の第一のメリットは、24時間365日、時間にとらわれることなく、またパソコンとインターネットがあればどこからでも手続の申請や届出ができることです。
窓口が閉まっている時間帯であっても問題なく手続できますし、郵送での対応でも時間を選ばずに投函できます。
近頃では新型コロナウイルス感染拡大に伴いテレワークも増えており、担当者が在宅勤務をしている場合もあります。電子申請であれば自宅のパソコンからでも申請・届出を行えるため、従業員の感染リスクを回避するためにも利用したいところです。
電子申請を利用すれば、複数の窓口を回る手間を削減できることもメリットです。
紙による手続では、労働保険は労働局や労働基準監督署、公共職業安定所、厚生年金保険は年金事務所などと、異なった手続の書類はそれぞれ異なった窓口への提出が必要です。
電子申請であれば、それぞれ異なった手続の書類でもすべてパソコンから一括して提出することができ、窓口を回る必要はありません。
電子申請を利用すれば、申告書や届出書を手書きする手間を削減できます。
手書きによる申請では、申請・届出用紙を入手する必要がありますし、記入漏れや記入ミスのリスクもあります。
電子申請であれば、申請・届出用紙の入手は不要で、記入漏れ・記入ミスも、入力チェック機能や自動計算機能により防げます。
窓口へ出向く時間や交通費などのコストを削減できるのも、電子申請のメリットです。
電子申請であれば、これらの時間やコストは一切不要です。
電子申請を利用すれば、書類の紛失や情報漏洩に関するセキュリティも向上します。申請・届出書類を窓口へ提出のため持ち歩けば、書類を紛失したり情報を漏洩したりするリスクがあります。電子申請であれば、それらのリスクはありません。
電子申請の利用企業からはこのような声が届いています。
「労働保険の申請書類は、書き損じができないため事前に何度も下書きをし、作成に臨む際には大きなプレッシャーがありました。また、書類を作成した後も、社内での決裁・押印に2~3日かかります。関係機関へ提出する際にも書類に不備などがあった場合は、書類を改めて作成し、再提出するためにさらに時間がかかりました。
ところが、e-Gov電子申請を利用するようになってからはこれらに費やす時間がなくなったため、作業量は体感的には「約半分」となっています。申請にかかる時間が大幅に短縮されたので、ほかの業務に集中できる時間が増えました」
労働保険の年度更新申告業務がある月に関して言えば、繁忙期の作業量が半分になればどれだけ良いか経験者なら理解できるのではないでしょうか。
e-Gov電子申請は、労務管理システムとの連携(API)により、さらに大幅に便利になります。
労務手続の多くは、従業員についての詳細な情報が必要となりますが、社内で使用している労務管理システムとe-Gov電子申請を連携させることにより、労務管理システム内の従業員データを電子申請にそのまま使用できるため、情報入力の労力は大幅に削減されます。また、日頃使い慣れている労務管理システム上の操作で電子申請が可能となり、e-Gov電子申請画面の使用方法を改めて覚える必要がないのもメリットだといえるでしょう。
GビズIDとは、1つのID・パスワードで、さまざまな行政サービスにアクセスできる認証サービスです。これまでは、異なる役所への手続には異なるIDが必要でした。GビズIDを利用すれば、それらを1つのIDで行えるため、ID作成・管理の手間が省けます。2021年4月現在、労働保険の一部の手続についてもGビズIDが利用できるようになっています。
いかがでしたか?
電子申請は難しく、これまでのやり方の方が結果的には早い、と思っていた方も多かったことでしょう。初めて使用するシステムに慣れるまで時間がかかることは当然です。
しかし、その導入時の手間以上の時間が電子申請によって節約できるのであればどうでしょうか?
電子申請を上手に活用し、来るべき繁忙期の業務量を減らし、自分なりの働き方を実現していきましょう。
記事広告提供元:厚生労働省
掲載期限:2023-07-21
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