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ライフシフト・ジャパン株式会社は、「人生100年時代マインド調査*」を実施しました。「人生100年時代」と聞いてワクワクするか、どんよりするか、という問いの結果、後者が多数派という結果になりました。
なぜ人々は「人生100年時代」にどんよりするのか、そして長い人生を充実させる方法はあるのか、気になっている方も多いかもしれません。今回は、「人生100年時代」に関する人々の意識と、昨今注目されているウェルビーイングの概念について紹介します。
*調査方法:インターネット調査
調査対象:日本全国の10代〜70代の男女5,000人
調査期間:2022年8月
目次【本記事の内容】
本調査によれば、「人生100年時代」に対して、ワクワク派(ワクワクする、どちらかというとワクワクする)が38.8%という結果になりました。一方、どんより派(どちらかというとどんよりする、どんよりする)は61.2%となっています。
年齢別に見てみると、40代のワクワク派が最も少ないという結果になりました。40代になると、子育てが一段落する年齢ではありますが、子どもの学費や管理職ならではの悩みなど、20代・30代の頃にはなかった新しい課題に直面します。独身であれば、周囲が次々と結婚していき、パートナーがいない孤独をより感じやすい年代かもしれません。
色々と理由は考えられますが、「人生100年時代」にワクワクするかどうかは、現在の人生が充実しているかどうかに左右されがちです。そのためには、その人自身が充実させようとする努力だけでなく、会社からの働きかけも必要になります。
そこで注目されているのが、ウェルビーイングという考え方です。
ウェルビーイングとは、身体的・心理的・社会的に健康であり、満たされた状態を指します。身体的・心理的・社会的とは、それぞれ以下のような意味があります。
・身体的な健康:病気やけがを抱えず、健康的な食生活を送り、適切な運動を行い、十分な睡眠をとること
・心理的な健康:ポジティブな思考を持ち、自己肯定感が高く、人生で常に目的を持っていること
・社会的な健康:良好な人間関係を築き、人々と多くのコミュニケーションを交わしていること
上記を見ると、ウェルビーイングは、「幸福」と言い換えていいのかもしれません。 ウェルビーイングについて初めて言及があったのは、1946年の世界保健機関憲章とされています。以下、その内容を引用します。
「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態(Well-being)にあることをいいます。」
引用元:世界保健機関(WHO)憲章とは
ウェルビーイングには、個人的な要素だけでなく、社会的・環境的な要素も関与しています。例えば、その国の経済状態がウェルビーイングに影響を与えるケースも珍しくありません。
ウェルビーイングは、個人だけでなく、社会全体の持続可能な発展のためにも必要な要素です。現代は「人生100年時代」ともいわれますが、自分のためにも社会のためにも、生涯にわたってウェルビーイングを維持することが望ましいとされています。
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ウェルビーイングの考え方を、「健康経営」として取り込む企業もあります。健康経営は、企業が従業員の身体的・精神的な健康をサポートし、企業価値や組織のパフォーマンス向上を目指すことです。
健康経営を実践すると、従業員の健康状態が向上するだけではなく、様々なメリットを享受できます。従業員の健康状態はそのパフォーマンスにも結びつき、生産性向上にもつながる可能性があります。
従業員が企業に対して愛着を抱くようになり、離職率が低下するメリットも見逃せません。それにつれて企業イメージも良くなり、採用時にも大きなアピールポイントになるでしょう。そして、昨今注目されがちな要素である、社会的責任を果たすことにもつながります。
ウェルビーイングは、経営戦略としての側面と、従業員の健康状態を考慮した人的資源管理としての側面があります。具体的な取り組みとしては、以下の通りです。
・従業員の健康管理
・健康教育
・福利厚生制度の充実
・ストレスマネジメントの取り組み
・コミュニケーションの活性化
・相談窓口の開設
・パーパスの共有
ウェルビーイングを取り入れるためには、まず従業員の健康状態を把握します。健康診断やアンケート調査、ストレスチェックなどを実施して、従業員の健康状態やストレス要因を分析しましょう。
次に、従業員の健康状態を踏まえてプログラムを設計します。例えば、健康教育、運動プログラム、ストレスマネジメント、食事改善プログラムなど、従業員が参加しやすいプログラムを用意します。
プログラムを用意できたら、その内容を従業員にアナウンスします。社内でのイベントを実施したり、社内ポータルサイトなどを活用したりして、スムーズに情報を発信しましょう。
取り組みを実施すると同時に、従業員が参加しやすい環境を整備することも大切です。例えば、いくら「運動が大事である」と説いても、運動に適した環境がなければ従業員のモチベーションは上がりません。社内にフィットネスジムを設置する、栄養バランスを整えた食事を出す食堂を開くなど、ウェルビーイングに投資をする判断も必要です。
取り組みの実施や環境の整備をしたら終わりではありません。何らかの施策を実施したら、必ず振り返りを行いましょう。プログラムの効果を評価し、必要に応じて改善していくことが重要です。効果を評価するためには、健康診断の結果や、従業員のアンケート調査などを活用します。
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ウェルビーイングを効果的に取り入れられることが理想ですが、いくつかの課題も存在します。例えばプログラム導入のための費用負担や、従業員のモチベーション管理、プライバシー保護などです。
さらにウェルビーイングの導入は、短期的に効果を発揮するものではありません。一時的にプログラムを実施するのではなく、継続的に取り組む必要があります。特に資金力のない中小企業にとっては、ハードルが高いと感じられるでしょう。
しかしウェルビーイングは、企業のパフォーマンスを語る上でも軽視できない概念です。できる範囲で、従業員のウェルビーイングを高めていく姿勢が必要になるでしょう。
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■参考サイト
PR TIMES|【調査レポート】「人生100年時代」にワクワクする人は38.8%、どんよりする人は61.2%。 貯蓄や健康対策よりも、自己探究や学びがワクワク感につながる。
日本 WHO協会|世界保健機関(WHO)憲章とは
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