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日本だけでなく、欧米の金融機関でもRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入が、急速に拡大しています。その背景にあるものとはなんでしょうか?
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間が日常的に行っている作業を、ルールエンジンやAI、機械学習などを含む認知技術で、人間が実行するのと同じように自動化するというものです。
AIの活用では、人間が対応するように文章を作成するチャットGPTなどの生成AIが注目されていますが、生成AIとの相違点は、RPAは設定したプロセスを、設定通りの順番で実行することしかできないことです。
つまり、毎回、同じことを繰り返す単純作業を自動化することには適していますが、その都度手順が変わるような業務や、なんらかの判断が求められるような業務には、向いていないとされています。
このRPAの導入が金融機関で加速している背景にあるのは、規制強化と人材難、ソリューションの進化による利便性向上、他のシステム開発に比べ導入期間が短く、早いタイミングで導入効果を確認できることなどです。
とくに日本では、長時間労働是正や業務効率化など、働き方改革への取り組みが本格化したことも、RPA導入が進んだ要因と考えられます。
しかし、一番大きな要因は、生産労働人口の減少に伴う人手不足ではないでしょうか。新卒採用状況は空前の売手市場となり、広く名の知れた大手企業でさえ、必要とする人員数を思うように集められなくなっていることです。
RPAを導入することで、もっとも期待されているのも、不足する人員を作業の自動化で補うことです。
人が行う処理手順をあらかじめ登録しておくと、人が操作するのと同じように、ユーザー・インターフェースを通じて複数のシステムやアプリケーションを操作・実行できるのが、RPAのもっとも得意とする機能です。そのため、人員不足対策としてはうってつけといえるでしょう。
これまでは作業を自動化するためには、システムの変更や業務フローを見直さなければならず、それなりの期間も必要でした。ところがRPAは、既存のシステムを変更することも業務フローを見直すことなく、業務を自動化できます。
大幅なシステムを変更することもなく、短期間で導入できれば、導入コストを抑えられます。しかし、RPAは既存のシステムを活用する一時的なソリューションであり、いずれはシステムや基盤の変更が必要になるでしょう。
また、RPAの導入が終わったからといって、これまでシステム開発を担ってきたシステム部門が不要になるわけではありません。アプリケーションの操作やロボットの管理機能などにも差があるため、技術面について導入後も検証が必要となります。
いずれにしても収益構造が悪化している金融機関においては、事務コストや人件費の削減が強く求められています。振込手数料の値上げや、ATM設置台数を減らす動きも目立っていますが、RPA導入はどこまで拡大していくのでしょうか。
あらゆる分野でAIが活用されるようになっており、一部のRPAではAI技術が使われています。単純作業を自動化するRPAは、目覚ましい進化を遂げる最近のAI技術と比較すると、一見、時代遅れのようにも映るかもしれません。しかし、人間が行ってきた業務が確実にRPAやAIに取って代わられる日が近づいているのかもしれません。バックオフィスでもどのようにRPAと共存していくのか、真剣に考える必要がありそうです。
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