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新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、2類から5類へ移行することに伴い、働き方は変わることになるのでしょうか?
帝国データバンクが実施した調査*によると、新型コロナウイルスの5類移行に伴い、「コロナ前と同じ状態に戻す」という企業は39.1%と、およそ4割がコロナ前の働き方に戻す意向のあることがわかりました。
コロナ禍で、リモートワーク導入が一気に進みましたが、新規感染者数の減少に歩調を合わせるように出社勤務に戻す企業も増えています。しかし、5類移行後もリモートワークを継続する企業もあるなど、すべてがコロナ前に戻るわけではなさそうです。
コロナ関連のあらゆる制限が撤廃となり、訪日外国人観光客も戻りつつあります。マスクの着脱も個人の判断に委ねられることになりました。しかし、まだまだマスクは外せないようで、生活者も企業の対応も、アフターコロナには慎重な姿勢がうかがえます。
リモートワークは感染症の予防対策だけではなく、従業員のワークライフバランスを重視した多様な働き方の選択や、業務効率化による生産性の向上にもつながるとされ、コロナ前から働き方改革として推進されてきた働き方です。
もちろん、リモートワークにはプラス面だけでなくコミュニケーション不足や、勤怠管理の難しさなどの課題も浮上しています。
とはいえ、働き方が「100%変わる」と回答した企業は1割に届かない0.9%で、「50%以上変わる」が15.5%です。つまり、企業としても、どちらの働き方がいいのか、まさに手探り状態ということかもしれません。
5類移行に伴う働き方への影響は、サービス業が45.5%でもっとも多く、広告関連や情報サービス業、従業員1,000人以上の企業規模の大きな企業の半数以上が「コロナ前の働き方には戻らない」と回答しています。
ところで、5類へ移行することで一番大きく変わるのは、法律に基づく行動制限などがなくなることです。同時に、医療体制の見直しや医療費などの公費負担もなくなります。
しかし、新型コロナウイルスが完全に消えてしまったわけではありません。感染のリスクは依然としてあるため、マスクの着脱や手洗い、手指の消毒、換気などの基本的な感染対策は、個人の判断で継続していく必要があります。
この個人の判断というのが実は曲者で、従業員が新型コロナに感染した場合のルールを、職場で決めておく必要があるでしょう。
たとえば、従業員から「コロナに感染したかもしれない」と連絡を受けた場合や、症状が軽く出勤を希望する従業員への対応、濃厚接触者の扱いをどうするのかなどのルールを、明確に定めていなければ、職場に不要な混乱を招くことにもなります。
感染したからといって、法律に基づく行動制限を適用することはできませんが、企業には従業員に対する安全配慮義務があります。状況によってはリモートや休業を命じる必要性も生じてきます。
しかも、この休業は、法律に基づくものではなく会社都合によるものですから、休業手当の支払いが必要となります。アフターコロナの働き方は、リモートか出社だけでなく、あらゆる観点から見直さなければならないようです。
新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザと同等の5類に移行したからといって、コロナ前の日常を取り戻すまでには、まだまだ時間がかかりそうです。法律的な規制が撤廃されたとはいえ、このコロナという難局を乗り越えるためには、一人ひとりが感染対策を続けていくしかないのかもしれません。
*【調査概要】
調査期間:2023年3月17日~31日
調査対象:全国2万7,628社(有効回答企業数:1万1,428社(回答率41.4%))
調査方法:インターネット
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