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CHROと似た言葉にCHOがありますが、CHOはChief Human Officerの頭文字を取った言葉で、CHROとほぼ同じ意味をもちます。
この記事では、CHROと人事部長の違いや求められる意味、具体的な役割について解説します。
CHROは企業の人事部門における最高責任者を指し、Chief Human Resources Officerの頭文字を取った役職です。組織内で人材戦略の立案や人事関連の活動を統括するほか、社員の管理や教育に関して重要な役割を果たします。
CHROは人材戦略の策定と実行において、リーダーシップが求められるポジションです。企業のビジョンや目標に合わせて、優れた人材を獲得し育成・維持しなければいけません。
さらに社員のやりがいやエンゲージメントの向上、人事関連のコンプライアンス遵守も確保する必要があります。社員の声に真摯に耳を傾けたり、労働関連の法律が変わったりした際の対応など幅広い対応が求められるのです。
CHROは組織の成長と成功に欠かせないポジションであり、人材戦略の策定から従業員のエンゲージメント向上まで、さまざまな領域でリーダーシップを発揮する役割を果たしています。
CHROと人事部長は両者とも組織内における人事関連の役職ですが、求められる役割には重要な違いがあります。
まずCHROは、組織全体の戦略に合わせて人材管理を計画・実行する「最高人事責任者」です。経営陣と連携して人材戦略を立案し、人材の採用や育成、評価、退職などをトータルで考えます。そのため、CHROは取締役の一員であることが一般的で、経営会議や取締役会などに参画しています。
一方で人事部長は、人事部門を運営する責任者です。に対応します。具体的な業務内容は組織によって異なりますが、経営陣の策定した経営方針にもとづいて、人事業務の統括を行うのが一般的です。
つまり、CHROは経営視点をもち、組織のビジョンにもとづいた人材戦略の策定をすることが重要な役割です。CHROと人事部長は、戦略的な企画と日常業務の運営を担当する点で異なるといえるでしょう。
生産年齢人口が減少を続ける中で、企業が経営を存続するためには人材の確保が重要な課題です。総務省の調査によると、生産年齢人口(15~64歳)は1995年に最も多く、8,716万人でした。しかし2025年には7,170万人、2030年には6,875万人になるとされ、以降も減少が続くと予想されています。
つまり顧客が減るだけでなく、自社で働いてくれる社員を確保することが年々難しくなることになります。仮に大きな経済力と魅力的な経営計画があっても、実行する社員がいなければ意味がありません。経営陣の指示を遂行するだけの人事部長ではなく、経営陣の視点から人事施策を企画・実行できるCHROが求められます。
CHROの役割は、組織における人事関連の業務を経営陣の視点から遂行することです。ここでは多岐にわたる人事関連業務の中から、以下の3つを解説します。
・経営視点で人事施策を企画
・企業理念の浸透
・社員の育成施策を企画
一つ目の役割は、経営視点で人事施策を企画することです。組織のビジョンや目標に合わせて、戦略的な人事計画を策定する点で、非常に重要です。
経営視点での人事施策の企画とは、企業がどの方向に進むべきかを理解し、その方向に向かって人材を配置・育成することを意味します。CHROはマーケットに合わせて、必要なスキルや経験をもつ人材をどのように確保するかを考えます。
求められる人材像を定義し、採用プロセスを設計して適切な人材を採用する計画を立てるほか、既存の社員に対しても新しい市場に適応できるようにトレーニングや教育プログラムを提供しなければいけません。
CHROの役割として、組織の価値観や目標を社員全体に広め、共有することも求められます。企業理念の浸透により、社員は組織の方向性を理解し行動する際の指針として活用することができます。
社員が一つの目標に向かって協力するためには、同じ目標や方向性、戦略などを理解し共有することが不可欠です。CHROは経営陣と連携し、企業の価値観やビジョンを従業員に伝えるプロセスを設計します。これは社員が、組織の目指す方向性や大切にする価値観を理解し、自身の仕事や行動に反映させるために重要です。
またCHROは、企業文化を形成するためにも重要な役割を果たします。組織内でどのような行動や態度をすべきかを明確にし、社員が共通の基準に従って行動するよう促すのです。CHROは社員が共通の目標や価値観を理解し、統一された方向性で活動するために企業理念を浸透させることが求められています。
社員の育成施策を企画することも、CHROの重要な役割の一つです。社員の能力やスキルを向上させるため、計画を立てる重要な役割です。
具体的には、社員の育成施策を企画する際、CHROはまず従業員のスキルや弱点を評価します。たとえばある従業員が、コミュニケーションスキルを向上させたいと希望したとしましょう。その場合、CHROはコミュニケーショントレーニングやワークショップを用意し、成長をサポートします。
また、企業が新しい技術や業界の変化への対応に必要なスキルをもたせるためにも、施策を企画しなければいけません。デジタル化の発展により、ある従業員がデータ分析のスキルを身に付ける必要がある場合、CHROはオンラインコースやトレーニングプログラムを提供して社員の成長を支援します。
今回は、CHRO(最高人事責任者)について解説しました。求められる役割を簡単にまとめると以下のとおりです。
・CHROは組織における人事部門の最高責任者
・人口減少が続く中で、優れた人材の確保がミッション
・経営陣の視点から人事施策の企画・実行を行う
今後いっそう、経営陣の指示を遂行するだけでなく、経営の視点から人事施策を企画・実行できるCHROが求めらるでしょう。
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