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大企業だから組織全体の管理・統制が万全かといえば、そうとは言えない事例もあります。2023年に世間を騒がせたさまざまな企業の不祥事は、ガバナンスの欠如をありありと感じさせるものでした。こうした不祥事を起こす企業には、何か共通した特徴があるのでしょうか?
ジャニーズ事務所といえば、日本を代表する芸能プロダクションです。株式上場はしておらず、創業者一族が全株式を保有する同族経営でした。その創業者自身が所属タレントに対して罪を犯し、それを長期間放置・隠ぺいしていたのです。
同じく同族会社だったビッグモーターも株式上場をしておらず、社長とその一族がすべての株式を所有していました。この会社が全国の店舗で行っていた不正はわざと車に傷をつけ、保険金を不当に請求するという理解しがたいものでした。
さらにもう1つ、東証プライムの上場企業である三栄建築設計は、社長が長年暴力団との関係を続け、利益供与までしていたとの悪事を暴露されました。いずれの不祥事にも共通するのは「ガバナンスの機能不全」です。
不祥事を起こしたこれらの企業は、取締役会と監査役を設置していました。しかし内情を調査してみると、いずれも共通してガバナンス体制が機能していないことがわかりました。
ジャニーズとビッグモーターでは、取締役会は名ばかりの存在で一度も開かれたことはなかったようです。また監査の体制も不十分で、ジャニーズ事務所では、会計監査権限だけに限定されていました。
自社のガバナンスが機能していないと、不正を未然に防止することができなくなります。形式的に対応していても、コーポレートガバナンスの重要性はまだまだ理解されておらず、完全にガバナンスが機能していない体制だったと言えるでしょう。
本来のガバナンスとは、内部統制やリスクマネジメントにより、健全な企業経営を行っていくための取り組みです。ガバナンスを正常に機能させるために平時から整備しておくべきいくつかの重要なポイントがあります。
まず1つめは、社外取締役や監査役など第三者による監視体制を整えることです。企業から独立した視点から、ガバナンスを強化することが大切です。もう1つは、企業内部からの自浄作用を高めるため、内部通報制度を整備することです。社内で不正が放置されないためには、通報者が不当な取り扱いを受けないよう、制度が機能するような仕組みを整える必要があるでしょう。
また、コーポレートガバナンスに関する経営陣の本質的な理解を深めるための取り組みも必要です。このように企業全体でガバナンスを強化する仕組みを整備することが、不正や不祥事を防ぐ最も効果的な対策だと言えます。
ガバナンス(governance)とは、日本語の「統治・管理」にあたる言葉です。企業には規模の大小にかかわらず、法人としての行動を監視する仕組みが必要であり、それが機能していないと、不正が放置されるリスクがあります。不祥事で企業価値を損なわないためにも、企業には一層ガバナンス強化の取り組みが求められるでしょう。
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