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東芝を2兆円規模で買収するなど、注目を集める「PEファンド」。近年、投資活動が活発化しており、2021年には日本におけるPEファンドによる企業M&Aは134案件、約2.7兆円規模と過去最高水準に達しました。※
今回は「PEファンド」に注目し、用語の意味や理解しておきたいポイントを解説します。
※Bain& Company “2022 annual Japan Private Equity Report”
PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)は、上場していない企業への投資を行う投資ファンドのことです。投資ファンドの中でも、未上場企業に投資し直接経営に関与する点が特徴です。特に以下の5社が世界的に有名です。
・コールバーグ・クラビス・ロバーツ(アメリカ)
・ブラックストーン・グループ(アメリカ)
・カーライル・グループ(アメリカ)
・ペルミラ・アドバイザーズ(イギリス)
・シティック・キャピタル・パートナーズ(中国)
PEファンドは機関投資家や年金基金から資金を集め、企業価値を高めて売却益を得ることを目的に未上場企業への投資を行います。投資先の企業によって以下の4つに分類することができます。
・ベンチャーキャピタル:設立間もないベンチャー企業に投資するファンド。
・バイアウトファンド:ある程度まで成長した安定期にある企業に投資するファンド。
・事業再生ファンド:経営危機に瀕した企業のうち、事業再生の見込みのある企業に対して投資を行うファンド。事業の切り出しや、人員削減などにより再生を図る。
・ディストレスファンド:破綻寸前の企業や、破綻後の立て直しを始める企業を買収し、経営を健全化させてからM&AによりEXITを目指すファンド。企業の解体などを行う過激さから「ハゲタカファンド」と揶揄されることがある。
昨年6月には株主総会における株主提案が過去最多となり、「アクティビスト・ファンド」(物言う株主)の存在感が増しています。
アクティビスト(物言う株主)とは、企業の経営や戦略に積極的に意見や提案を行う株主です。企業の株式を保有し、株主提案などの権利を積極的に行使することにより、経営改善や株主価値の向上を目指します。具体的には経営陣の交代や事業戦略の見直し、コスト削減、資産の売却、配当の増加、株式の買い戻し、企業の合併・買収(M&A)など、さまざまな提言をします。
アクティビスト・ファンドは数%を保有して株主提案をすることが多いのに対し、PEファンドは過半数の株式を保有し経営権を取得するという点に違いがあります。
PEファンドとアクティビストは「投資先の企業価値の向上」を目指しているという共通点を持っています。では、「企業価値」とは、どのようなものなのでしょうか。
企業価値は、文字通り企業全体の価値を表す言葉です。企業価値は目的に応じてさまざまな計算方法がありますが、企業の保有資産をもとに客観的な企業価値を算出する「コスト・アプローチ」では、株主価値と負債価値の合計として表すことができます。
・企業価値 = 株式価値(時価総額)+負債価値(有利子負債)
「PEファンド」「アクティビスト」「企業価値」の3つのワードは、企業の動向を理解するために重要な用語といえるでしょう。以下、3つのポイントを整理します。
・PEファンド:未上場の企業に投資するファンド。投資先の企業経営に積極的に関与し、企業価値の向上を目指す。
・アクティビスト:企業の株式を保有し、積極的に株主提案を行う株主。
・企業価値:企業全体の価値を表す経済的な指標。高ければ高いほど、ステークホルダーにとって魅力的な企業といえる。
2022年には国内のM&A件数は過去最多になり、増加傾向にあります。関連して注目されている「PEファンド」「アクティビスト」「企業価値」の3つについて、今一度理解を深めておきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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