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【会計】VCファンドの定義、検討─ASBJ、金融商品専門委 旬刊『経理情報』2024年2月20日号(通巻No.1702)情報ダイジェスト/会計

公開日2024/02/22 更新日2024/02/21


【会計】VCファンドの定義、検討─ASBJ、金融商品専門委

去る1月29日、企業会計基準委員会は、第211回金融商品専門委員会を開催した。
主な審議事項は以下のとおり。


■上場企業等が保有するベンチャーキャピタル(VC)ファンドの出資持分

第209回専門委員会(2024年2月1日号(No.1700 )情報ダイジェスト参照)に引き続き、VCファンドの出資持分の会計処理について審議が行われた。
今回は、VCファンドに相当する組合等の定義について検討が行われ、次の要件を満たす組合等とする事務局案が示された。


① 募集または私募が行われた組合等である。
② 組合等の運営者は出資された財産の運用を業としている者である。
③ 組合等の構成資産である市場価格のない株式について、定期的に時価評価されている。
④ 組合契約等において、投資対象を専らスタートアップ企業としている。
スタートアップ企業の特徴として、次を例示する。
ア 新しい技術の活用、斬新なサービスなど新規性がある。
イ 創業から間もない、または比較的に創業年数が若い。


専門委員からは、事務局案に対して、「③の『定期的に時価評価』のレベル感について、内部管理目的のものも含めることには反対」、「④の要件はもっと具体的でないと、判断が難しい」など、難色を示す意見が多く聞かれた。事務局から「引き続き審議していく」との回答があった。


■金融資産の減損

金融資産の減損に関する会計基準の開発に関して、第210回専門委員会(2024年2月10日号(No.1701)情報ダイジェスト参照)に引き続き、ステップ4(信用リスクに関するデータの詳細な整備がなされていない金融機関に適用される会計基準の開発)の検討の審議が行われた。


⑴  複数シナリオの考慮を含めた結果の確率加重


ステップ4を採用する金融機関から、複数シナリオの考慮について、実務負担が相当に大きいとの懸念が聞かれており、この意見を踏まえ、実務負担に配慮する追加的な対応が検討され、次の事務局案が示された。


① ステップ4では、最も可能性が高い中心となる将来予測シナリオと他の将来予測シナリオの発生確率が正規分布で近似できる関係にあり、関連する信用損失の間に線形の関係(linear relationship) があると予想されるとみなし、最も可能性が高い中心となる将来予測シナリオ(予想信用損失が発生することを前提とする)のみを考慮することを認める。
② この場合、最も可能性が高い中心となる将来予測シナリオのみを考慮した場合における予想信用損失が明らかに実態と異なると企業が判断する場合には、オーバーレイ調整が行われる可能性があることを結論の背景において明確にしておく。


専門委員からは、方向性には賛同の意見が聞かれた。また、「②のオーバーレイ調整は重要。『明らかに』の範囲を明確にできないか」との意見が聞かれ、事務局から「実態を踏まえて個社の状況によることになるため、一律に明記するのは難しい」との回答があった。


⑵  実効金利法に関する論点


実効金利法に関して次の事務局案が示された。


① 「引当における貨幣の時間価値の考慮」および「IFRS9号『金融商品』の実効金利法による償却原価の採用」について、より「実務負担に配慮」する観点から、債権(購入された債権を除く)における予想信用損失の算定および償却原価の算定のいずれにおいても、実効金利に代わり約定金利を用いることができるオプションを設ける。この場合、貸付金に関連する手数料については、収益認識会計基準等に準じて会計処理する。
② 「償却原価の償却方法」について、「実務負担に配慮」する観点から、実務上の便宜として、償却原価の償却方法として定額法を適用するオプションを設ける。


専門委員からは、賛成意見が聞かれ、「①で、手数料は収益認識基準ではなく金融商品会計基準の枠組みで考えるほうがいいのでは」との意見も聞かれた。

【会計】貸手の基本となる会計処理、検討─ASBJ、リース会計専門委

去る1月30日、企業会計基準委員会は第142回リース会計専門委員会を開催した。
第141回(2024年2月10日号(No.1701)情報ダイジェスト参照)に引き続き、企業会計基準公開草案73号「リースに関する会計基準(案)」等に寄せられたコメントへの対応の方向性と個別事項について、審議が行われた。


■貸手の基本となる会計処理(文案の検討)

貸手の基本となる会計処理の文案について、企業会計基準13項9号では、ファイナンス・リース取引において「通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う」ことを定めており、本会計基準案43項では当該定めを踏襲しているが、本適用指針案の所有権移転外ファイナンス・リースに関する規定との平仄が揃っていないのではとのコメントが寄せられた。
これを受けて、事務局は次のような方針案を示した。


⑴  通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理を行う場合の取扱いにつ いては、収益認識会計基準との整合性を図った会計処理であるため、公開草案から変更しない。
⑵ 貸手が原資産と同一の製品または商品を販売することを主たる事業としていない場合の取扱いについては、金融取引の性格が強いことに鑑み、「通常の金融取引に係る方法に準じた会計処理」として記載する。
⑶ ⑴、⑵の適用関係を「製品又は商品の販売を主たる事業としている企業」かそれ以外の企業かどうかにより区分する。


専門委員からは、「複数の事業を有する企業がどちらかに寄せるべきなのか明確でない。企業単位ではなく、取引単位にしては」などの意見が聞かれた。
事務局は「公開草案で企業単位としているので、大きく変えないほうがいいのでは」と回答した。


■短期リース(定義)

公開草案では、短期リースについて「リース開始日において、借手のリース期間が12か月以内であるリース」と定義していたが、それに対して、「購入オプションが存在する場合における短期リースの適用可否を明確にすべきである」とのコメントが寄せられた。また、専門委員からも、「購入オプションが存在する場合は短期リースにしないことを会計方針として選択することが可能であれば、IFRS任意適用企業は個別と連結で同様の会計処理が可能となる」との意見が聞かれていた。
事務局は「本適用指針4項⑵における用語の定義において、本適用指針案18項の定めに追加して『購入オプションを含んだリースは短期リースではない』ことを明示する」とする案を示した。
専門委員からは、「あくまでIFRS任意適用企業のためでしかなく、変える必要があるのか」との反対意見が聞かれた。
事務局は、「IFRS任意適用企業では、短期リースが連単で分かれると複雑になるため、明確化してはどうか」と回答した。

【会計】パーシャルスピンオフの会計処理、コメント対応終盤へ─ASBJ、企業結合専門委

去る1月31日、企業会計基準委員会は第112回企業結合専門委員会を開催した。第111回(2024年2月10日号(No.1701)情報ダイジェスト参照)に引き続き、「パーシャルスピンオフの会計処理」について審議された。


■完全子会社株式を対象とすることの明確化を求めるコメント

自己株式等会計適用指針10項⑵の定めが「完全子会社株式を配当することが前提とされている」のであれば、自己株式等会計適用指針案10項(2-2)と表現を揃えるべきであり、⑵でも「子会社」を「完全子会社」と明記すべきとのコメントが寄せられた。
事務局は同10項⑵については本公開草案の改正の対象ではなく、修文することにより取扱いに変更が生じているような誤解を生じさせる懸念があるため、追記しないと回答した。
専門委員からは、「完全子会社を想定したものであるのに、『完全』を追記するとなぜ誤解を与えるのか」との意見が聞かれ、事務局は、「親委員会でも検討する」と回答した。


■当期税金に関する取扱いの明確化を求めるコメント

自己株式等適用指針案10項(2-2)で定められた取引において当期税金の支払が生じる場合、当該税金を法人税等会計基準5項に従い損益に計上すべきか否か明確にする検討を求めるコメントが寄せられていた。
事務局は、当該取引では、「適正帳簿価額をもって配当するため損益を計上しないが、損益計算書で計上されるものと株主資本等変動計算書で計上されるものに関する考え方は同10項の柱書によった場合の取引に係る会計処理と同じであるべき」等との修文案を示した。
専門委員からは、「『損益計算書で計上されるものと株主資本等変動計算書で計上されるもの』における『もの』が何を指しているのか」と表現の明確化を求める意見が聞かれた。
事務局は「伝わる表現が他にないか検討する」と回答した。

【会計】議論が分かれているテーマの暫定合意に向けた協議、開始─SSBJ

去る1月25日、SSBJ第29回サステナビリティ基準委員会を開催した。第28回(2024年2月1日号(No.1700)情報ダイジェスト参照)に引き続き、IFRS S1号、S2号に相当する日本基準の開発の審議が行われた。
審議された具体的な検討事項は主に次のとおり。


■暫定合意のための意思確認

事務局は以下の意見が割れている事項について多数決をとり、出席委員の5分の3以上の賛成を得た案を公開草案にて公表することとした(「サステナビリティ開示基準の開発に係る適正手続に関する規則」14⑤)。


① 「ガイダンスの情報源」におけるSASBスタンダード等の取扱い
SASBスタンダードを義務づけるか否かなどで議論が割れていたため、投票を行うこととした。賛成多数で、「できる規定」(義務づけない)とすることになった。


② スコープ2温室効果ガス排出におけるロケーション基準とマーケット基準
ロケーション基準とマーケット基準(第24回(2023年12月1日号(No.1695)情報ダイジェスト参照))のどちらの開示を要求するか、また、ロケーション基準の開示を要求した際、それに加えてマーケット基準と契約証書の要求を求めるかなどについて意見が分かれていた。投票の結果、事務局提案である、ロケーション基準による開示、および、契約証書もしくはマーケット基準によるいずれかの開示を行うこととした。


③ スコープ3排出の絶対総量の開示における重要性の判断の適用 
重要性の乏しいカテゴリーとして「スコープ3温室効果ガス排出の絶対総量の100分の1以下の排出量」と定めた事務局案に対し、委員からは「定量的な定めを設けることに懸念がある」との意見が聞かれていた。そこで、案A「IFRS S2号の要求事項をそのまま取り入れる(特段の定めを置かない)」と、案B(事務局案)に加え、案Cとして「カテゴリー別に重要性を判断するという任意の定め」を提案し、投票を行った。2度の投票の結果、全員一致で案Aとすることとした。


④ スコープ1、スコープ2およびスコープ3の温室効果ガス排出量の合計値
IFRS S2号の要求に加えて、3つのスコープの合計値の開示をめぐって「有用な情報ではあるが、その開示を開示基準で要求する必要はない」という意見と「温室効果ガス排出削減目標として合計値を用いている場合も多いため、開示を要求する」意見(事務局案)に分かれていた。3度の投票の結果、事務局案が賛成多数となった。


⑤ 産業横断的指標等の取扱い
⒜気候関連の移行リスク、⒝気候関連の物理的リスク、⒞気候関連の機会、⒟資本投下、⒠内部炭素価格の5項目について、IFRS S2号の要求事項をそのまま取り入れるか否かなどについて議論が分かれていたため、投票が行われた。⒜~⒞は意見が1つにまとまらなかったため、次回以降に持ち越しとなった。⒟は賛成多数でIFRS S2号をそのまま取り入れることとした(定量情報の開示)。⒠も同様にIFRS S2号をそのまま取り入れる(内部炭素価格を意思決定に適用しているか等の開示)。


■「サステナビリティ開示基準の適用」の文案

前回に引き続き文案の検討が行われた。「『安全保障を脅かす可能性のある情報』の濫用リスク」を「『国家を脅かす可能性のある情報』の濫用リスク」とするなど修正案が提案された。
委員からは、「国家ではなく、『国家・地域安全保障』とするのがよいのでは」などの意見が聞かれた。事務局は「検討する」と回答した。


■「一般開示基準」の文案

IFRS S1号のコア・コンテンツに相当する部分について、文案検討が開始された。
一般開示基準は表現のみ多少変わるものの、ISSB基準と大きく乖離しないため、委員からは表現の細かい点について意見が聞かれた。事務局は確認・検討する旨を回答した。


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本記事は、旬刊誌『経理情報』に掲載している「情報ダイジェスト」より抜粋しています。
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