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新リース会計基準の変更ポイントと企業に求められる対応策

公開日2024/04/01 更新日2024/03/31 ブックマーク数
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2023年5月、企業会計基準委員会(ASBJ)より「リースに関する会計基準(案)」等が公表されました。これはいわゆる新リース会計基準と呼ばれるもので、使用資産権(資産)とリース負債(当該移転による負債)をそれぞれに計上しなければならないとされていることが特徴です。


これまでの会計基準と大きく異なる点を中心に、企業における経理や財務部門の対応策などについて解説していきます。

リースに関する会計基準(案)等公表の背景

日本におけるリース会計基準は2007年3月に公表されたもので、当時の国際的会計基準との整合性をもった内容となっています。こうしたなか2016年1月と2月に、国際会計基準審議会と米国財務会計基準審議会により、すべてのリースにおいて資産と負債を計上(オンバランス)させる旨が相次いで公表されました。


これにより、日本におけるこれまでの会計基準との違いが生まれてしまったことから、2019年3月より今後の国際的会計基準との整合性踏まえて、新しい会計基準の検討が行われることになったのです。

新リース会計基準のポイントと注意点

では、これまでのリース会計基準と新リース会計基準とでは何が異なっているのでしょうか。まず、リースにはファイナンスリースとオペレーティングリースという2つの取引があります。ファイナンスリースは借りる側がリースする対象物を選べる反面、諸経費のほとんどを負担しなければならない(フルペイアウト)ほか、リース期間中の解約が禁止されているのが特徴です。会計処理はオンバランスとなり、リース取引の資産と債務を計上しなければなりません。


一方のオペレーティングリースはフルペイアウトなどの制約もなく、ファイナンスリースに該当しない取引すべてが該当します。対象となる資産はリース事業者側の資産とされ、リースする側で資産計上する必要もなく通常どおり賃貸借処理すれば問題ありません。


しかし、新リース会計基準ではファイナンスリースなのかオペレーティングリースなのかにかかわらず、借手のリース取引はすべてオンバランスでの計上が求められることになっています。


たとえばオペレーティングリースにおいて、これまで勘定科目が支払賃借料だけで処理できていた取引も、減価償却費と支払利息としてそれぞれ計上しなければならなくなったのです。これがリース料の支払いごとに発生し、当然ながらリース取引の契約期間が満了するまで継続しなければなりません。つまり、リース取引の多い企業ほど経理負担の増大する可能性が非常に高いと考えられます。

新リース会計基準で求められる対応策

幸いなことに新リース会計基準はこれから適用されるものです。つまり、対象となる企業は適用前に準備を整えられるか猶予があるのです。適用時期については明言されていませんが、適用2026年以降と予想されているようです。 準備のポイントとしては、経理業務スタッフを増員するといった対策のほか、業務フローそのものを見直して体制強化を図るなどの方法を模索する必要があります。


さらには、経理業務の負担増にともなうヒューマンエラーなどに対しても事前対策が必要です。経理担当者の負担を軽減するために、会計システムそのものの見直しを視野に入れる必要もあるかもしれません。


もちろん、こうした各種対策と平行して、現在進行形で行われているリース取引についても業務の現状を把握しておかなければなりません。新リース会計基準では、すべてのリース取引がオンバランスになるため、適用にともなって現状よりどの程度の負担増になるのかを、いかに社内や部署内で共有できるかが重要になるでしょう。


現行の処理能力では対応できず、今の業務量をオーバーしてしまうことが避けられない場合、対策を講じていかなければなりません。場合によっては、すべてのリース取引の洗い出しも視野に入れて対策を進める必要があります。

まとめ

新リース会計基準にともなう経理負担の増大は、企業としてはなるべく避けたいのが本音でしょう。しかし既述のとおり新リース会計基準の適用は国際的な会計基準との整合性が求められるものであり、それを軸に長期間議論を重ねてきた経緯があります。それが前提である以上、適用は避けられないのが実情です。


ただし、対応すべきポイントがはっきりしているため、先述したような対応策は講じやすいでしょう。新リース会計基準への対応を機に、社内の会計・経理業務を一段と効率化するためのシステム作りを検討してみるのも将来的に有益な方法といえるでしょう。


※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。

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