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日本では3月に決算を迎える企業が多いため、5月は経理担当者にとっては忙しい時期になるでしょう。なかでも納税関係はミスなく、スケジュール内に完了しなければなりません。この記事では3月決算の中小企業をモデルに、5月に行うべき税務を解説します。
目次【本記事の内容】
まず、法人でも決算業務と同時に、確定申告をして税金を納める必要があります。一般に法人が納付する税金は以下のとおりです。
・法人税:法人の所得にかかる国の税金
・地方法人税:法人の所得にかかる都道府県の税金(地方税)
・法人住民税:法人税の金額および法人規模により課される税金(地方税)
・法人事業税:法人の所得にかかる税金(地方税)
・消費税/地方消費税:取引に課される税金
このほかにも該当する企業によっては、法人事業所税、固定資産税、印紙税などを納付する必要があります。これらの税金は事業年度の終了日、つまり決算日から2カ月以内に納付しなければなりません。3月決算の企業は、5月31日までにすべての納税を完了する必要があるのです。
日本では個人でも法人でも、申告納税方式に従って1年間の事業内容を申告する義務があります。法人は事業年度が終わると確定申告書を作成し、期限内に納税しなければなりません。ここではとくに重要な3つの税金と、その概要を解説します。
法人税
法人税は1年間の企業活動で得られる所得に対して課税されます。商品やサービスを売り上げた「益金」から、売上原価や販売費などの「損金」を差し引いた金額が所得です。中小企業の法人税率は23.2%です。ただし、資本金が1億円以下の場合は所得の一部が軽減税率の対象になるなど、税率が変動する場合があるのでしっかりと確認しましょう。
住民税
住民税は都道府県および市区町村に納める税金で、均等割と法人税割の2種類を納税します。均等割は資本金や従業員数によって税額が決まっており、法人税割は法人税に一定の税率をかけて算出されます。
消費税
消費税は国税と地方税の2種類を合わせて納税します。インボイス制度の導入で、適格請求書の発行が義務づけられ、税率が8%と10%に分けられているため、納税の手続きも複雑になりました。
法人税、住民税、事業税などを合わせた実効税率は29.74%です。(は2023年1月時点)日本の実効税率は、先進諸国の中で最も高く設定されています。
納税期限内に会計監査が終わらないなどの理由があれば、特例で法人税の申告期限を1カ月延長できる場合があります。 ただし、延期できるのは申告期限のみで納税期限の延長は認められていません。事業年度終了日までに税務署への申請が必要で、本来の納税期限日(2カ月以内)までに見込み額で納税をする必要があります。
見込み額で納税した際に出た差額について、不足が生じた場合はその部分に利子税が発生するため注意が必要です。 2022年4月1日以降の事業年度に関しては、賃上げ促進税制が導入されたことから、中小企業は決められた条件以上前年より賃上げをした場合、法人税などから最大で45%の税額控除を受けられます。(適用期間は令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度)
法人は決算日から原則2カ月以内に各種納税を済ませる必要がありますが、税金に関わる処理や手続きは非常に複雑なので、早めに準備を始めることが重要です。経理担当者は月次決算などの方法で、営業年度内に順次決算の準備を進めておくとよいでしょう。
今回は中小企業をモデルに解説しましたが、近日上場企業編も公開予定です。 こちらもぜひ参考にしてみてください。
参考サイト
法人課税における基本的な資料(財務省)
中小企業向け「賃上げ促進税制」(中小企業庁)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
 
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