公開日 /-create_datetime-/

去る4月8日、企業会計基準委員会は、第216回金融商品専門委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。
ステップ4(信用リスクに関するデータの詳細な整備がなされていない金融機関に適用され会計基準の開発)を採用する金融機関における次の論点について検討が行われた。
⑴ 貸付金に関連する手数料の取扱い
債権における予想信用損失および償却原価の算定において、実効金利に代わり約定金利を用いるオプションを提案しており、この場合に貸付金に関連する手数料は金利と切り離したうえで、収益認識会計基準に準じて会計処理するとしている。これに対して、貸付金に関連する手数料の収益認識に関して整理すべきとの意見が聞かれており、事務局から次の再提案が示された。
・金融商品会計基準等において、手数料の性質に基づき、履行義務の充足パターンに沿って収益を認識することを会計基準で定めたうえで、次の内容を例示として結論の背景に記載する。
① 契約締結に係る諸業務に対応する手数料は、一時点で収益認識。
② 一定期間にわたり提供される役務に対応する手数料または貸付金の金利水準を調整する手数料については、契約期間等にわたり収益認識。
・履行義務を区分することが困難な手数料に関しては、契約期間等にわたり収益認識できると考えられる旨を結論の背景に記載する。
専門委員から賛意が聞かれ、「設例や補足文書に例示を入れてほしい」との意見が挙がった。
⑵ 満期保有目的の債券およびその他有価証券に分類される債券の取扱い
次の事務局案が示された。
① 償却原価の償却方法
より「実務負担に配慮」する観点から、実務上の便宜として、投資適格に該当する債券に限定せず、満期保有目的の債券およびその他有価証券に分類される債券の償却原価の方法として、定額法を適用するオプションを設ける。
② 予想信用損失モデルの測定
満期保有目的の債券およびその他有価証券に分類される債券を予想信用損失モデルの適用対象としつつ、予想信用損失を算定する実務上の対応等について補足文書に記載する。
*
専門委員から、「これらの債券をステップ4で予想信用損失モデルの対象とするか、十分な議論を」との意見が聞かれた。
前回専門委員会(2024年4月20日号(No.1708)情報ダイジェスト参照)に引き続き、ユーロ円TIBORの公表停止について、実務対応報告40号における金利指標置換後の取扱いおよび注記事項に対して適用時期の延長などの追加的な対応は行わない旨等を議事概要に明示する事務局案が示され、反対意見は聞かれなかった。
去る4月11日、企業会計基準委員会は第147回リース会計専門委員会を開催した。
前回(2024年4月20日号(No.1708)情報ダイジェスト参照)に引き続き、企業会計基準公開草案73号「リースに関する会計基準(案)」等に寄せられたコメントへの対応の方向性と個別事項について、審議が行われた。
公開草案において、「貸手についても借手同様に(リースとサービスの)一体処理の選択をできるようにすべきである」などの意見が聞かれていた。
そこで前回、事務局は米国会計基準(トピック842)では、貸手は、オペレーティング・リースに分類されるリースについて、リースを構成しない部分が「顧客との契約から生じる収益」(トピック606)に従って会計処理され、リースを構成する部分とリースを構成しない部分の移転の時期およびパターンが同一である場合には、リースを構成する部分とリースを構成しない部分を単一の(結合した)構成要素として会計処理を行う実務上の便法を認めていることから、本会計基準案においても「米国会計基準と同様の代替的な取扱いを認める」案を提示していた。
これに対し、「事務局の提案には同意するが、『移転の時期およびパターン』について収益を指しているのか、利益を指しているのか不明確である」との意見が聞かれていた。
この意見を受けて、事務局は次の対応案を示した。
収益の計上も時期およびパターンであることを明記する。
専門委員からは賛意が聞かれた。
〈旬刊『経理情報』電子版のご案内〉
本記事は、旬刊誌『経理情報』に掲載している「情報ダイジェスト」より抜粋しています。
『経理情報』は、会社実務に役立つ、経理・税務・金融・証券・法務のニュースと解説を10日ごとにお届けする専門情報誌です。タイムリーに新制度・実務問題をズバリわかりやすく解説しています。定期購読はこちらから。
電子版(PDF)の閲覧・検索サービスもご用意!詳細はこちらから。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
法人税対策・実物資産投資の新たな選択肢 最新情報掲載 『日本型オペレーティングリースガイドブック』
サーベイツールを徹底比較!
健康経営の第一歩! 健診受診率100%を達成するコツ一覧
管理部門兼任の社長が行うべき本業にフォーカスする環境の構築
郵便物の電子化による部署別 業務効率化事例
【経理が経営に近づくには】30代の市場価値を高める管理会計スキルと転職成功の秘訣(前編)
第2回 非償却モデルの根拠:IFRSと米国基準の考え方
返金の勘定科目と仕訳例|返品・誤入金・年末調整まで解説
IFRSを理解する30代経理が転職市場で評価される理由(前編)
旬刊『経理情報』2025年11月10日号(通巻No.1759)情報ダイジェスト①/金融
26卒エンジニア学生551名に聞く|志望度が上がる・下がるサマーインターンシップ調査レポート
業務委託契約書の書き方のポイントは?知っておくべき基礎知識
クラウド郵便の活用事例 - リモートワークだけじゃない!様々な課題に併せたクラウド郵便サービスの使い方-
-ホンネを引き出し離職要因を解明- 退職者インタビューサービス資料
顧問契約書/コンサルティング契約書の作成で気を付けておくべき事
2025年10月の「円安」倒産は6件 40カ月連続で発生、1-10月累計は56件
のれんの償却を巡る世界の議論と日本を巡る今後の状況 第1回 論争の原点:なぜ日本は「償却」を求めるのか、そして国内の変革の兆し
健康診断の会社負担はどこまで?初心者にもわかる全知識と実務ポイント5選
【2025年最新】扶養控除はなくなる?政府が検討する「年少扶養控除の廃止」と年末調整への影響を徹底解説
旬刊『経理情報』2025年11月20日号(通巻No.1760)情報ダイジェスト①
公開日 /-create_datetime-/