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国際化が進むにつれて、海外への赴任を命じられるというケースが多くなってきました。以前は海外への転勤を命じられるのは海外に支社をもつ大手企業だけでしたが、最近では中小企業でも海外への転勤が命じられることもあるようです。今回は、海外転勤を命じられた際にやらなければならないことや、命じる際に配慮すべきことを紹介します。
海外転勤が決まったとき、まず行わなくてはならないのが、パスポートの確認です。これなしには海外へ出ることができません。
パスポートを持っていない場合は、早急に取得しましょう。すでに有している方は、有効期限を確認し、有効期限が切れそうであれば更新手続きをしなければなりません。国によっては有効期限の残りが3ヵ月~6ヵ月程度ないと入国を認めていない国もあるので、渡航までに有効期限が1年を切るようでしたら積極的に更新するようにしましょう。
ビザとは、赴任先の国が入国を許可したことを証明する書類のことを言います。パスポートは自国の政府が自分の身分を保証していることの証明であるのに対し、ビザは受け入れ先の国からの許可を受けていることを示すという性質を持っています。日本のパスポートを持っている方は、多数の国で3ヵ月以内の滞在はビザがいらないとされていますが、国によっては期間が短かったりビザが必要な場合もあります。担当者は、渡航先の状況を把握し、時間に余裕をもってスケジュールを伝えるなど、手続きがスムーズにいくようサポートしてあげましょう。
引っ越しを伴う転勤が決まった場合、国内でも海外でも、家族をどうするのかという問題が発生します。最近では、家族がいる場合でも単身赴任が原則と定めている会社もありますが、国内と海外では、家族側も事情が異なってきます。特に、数年の海外赴任となる場合は、単身赴任が原則であっても、一度会社や家族と話し合ってみましょう。
家族帯同が認められる場合でも、家族側が現地の治安や子どもの学校、配偶者の仕事などを考えて、単身赴任を選択するケースもあります。
生活基盤が変わることは、家族にとっても負担が大きいので、よく話し合ってみましょう。
海外転勤をする際にもっていくもの、必要のないものを仕分けしましょう。長く日本を離れることになるのであれば、現在住んでいる住居をどうするか、持っていけない荷物はどうするのかを考える必要があります。
現在住んでいるのが賃貸アパートやマンションの場合、解約は1ヵ月前に報告しなければなりません。社宅の場合は不在中の家賃等について会社と交渉することが可能ですが、分譲住宅の場合は売却か賃貸として貸し出すか、そのままローンを支払い続けるかを選択する必要があります。
携帯電話やインターネット、さらにはスポーツジムなどの解約も、忘れるとそのまま課金され続けてしまうため、必要のないサービスなどは切り捨てる必要があります。
社会保険の場合、転勤がどのような形態で行われるのかによって扱いが異なります。たとえば国内企業に籍を置いたまま他企業に出向するという在籍出向や、給与の一部ないし全部が国内企業から支払われる場合は日本の社会保険資格が継続されますが、海外企業から全額支払われる場合や完全に移籍するといった場合には社会保険資格は継続が難しくなります。
もし扶養家族を日本に残していくにも関わらず、社会保険資格がなくなるかもしれない場合は、扶養家族の社会保険などについて対策を立てる必要もあるでしょう。また、労災保険は海外の事務所で働く方は対象外になりますが「海外派遣者と区別加入制度」があるので加入を検討しましょう。さらにもし配偶者が退職する場合は、帰国後に雇用保険をもらえる場合がありますので、手続きについて調べておきましょう。
海外に6ヵ月以上赴任する場合は必ず健康診断を受ける必要があります。さらに、転勤先によっては「日本脳炎」や「狂犬病」などの予防接種を受けておいた方がよいでしょう。予防接種の中には同じワクチンであっても数回打たなければならないものがあり、場合によっては半年~1年かかることもあります。このため会社の担当者は、海外勤務の予定者が決まり次第余裕のもった予防接種のスケジュールを組んであげる必要があるでしょう。転勤者自身も、自分で渡航先の風土病や大気汚染の状態などを調べ、あらかじめできる対処法を予測し、準備しておくことをおすすめします。
以上、海外転勤を伝えられた際にやらなければならないことについて述べてきました。上で述べてきたことの他に、海外旅行傷害保険の加入の検討や在留届の提出などやるべきことはまだまだあります。これらを一言でまとめると、必要のないサービスを打ち切り、新たな土地での生活に必要なものをそろえるということになります。海外転勤を伝えられたら、まずは早めに渡航の計画を立てて行動した方がよいでしょう。
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