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去る6月17日、企業会計基準委員会は第151回リース会計専門委員会を開催した。 前回(2024年6月20日号(№1713)情報ダイジェスト参照)に引き続き、企業会計基準公開草案73号「リースに関する会計基準(案)」等に寄せられたコメントへの対応の方向性と個別事項について、審議が行われた。なお、同テーマに関連して、6月20日開催の第528回親委員会でも審議が行われた。
第525回親委員会等において、単体財務諸表への適用に関する審議で聞かれた意見を踏まえた再提案が示され、審議された。
⑴ 連結会社相互間のリースにおける借手のリース期間の決定
簡便的な取扱いを設けることについて、おおむね賛同する意見が聞かれていた一方で、聞かれた指摘を踏まえ、次の事務局案が示された。
仮に連結会社相互間のリースについて簡便的な取扱いを設ける場合、当該リースの借手が子会社であるならば、親会社が借手のリース期間の定め(本会計基準案29項)に従って決定した期間を借手のリース期間とすることができる。
その場合、会社が企業集団に加わる場合または企業集団から外れる場合には、本会計基準案39項に準じてリース負債の見直しを行うことが考えられる旨を本適用指針案に記載する。
専門委員からは、親会社側で各子会社の見積りを行うコストが多大であるため、前回まで提案されていた「子会社のリース期間を解約不能期間に再リース期間を加えた期間で決定する案を再度検討しては」などの意見が聞かれた。事務局は、「延長オプションを一切反映させないことに合理性がないため難しい」と回答した。 また、第528回親委員会では、「明記しなくても、実務上は親会社の方針に従えば、事務局案の形になるのでは」との意見が聞かれた。
⑵ 会社法上の大会社への対応
会社法上の大会社に対する簡便的な取扱いを求める意見が聞かれていた。これに対して、第528回親委員会では、特段の簡便的な取扱いは設けないとの事務局案が示された。
委員からは、賛意が聞かれた。
第521回親委員会の審議において、借手のリース期間の開示に関して、主に次の2つの点を検討すべきとの意見が聞かれ、対応案が示された。
⑴ 開示目的を達成するための必要な情報の例示に含めること
事務局は、借手のリース期間に関する定量的な例示について、「本適用指針案がIFRS16号『リース』と整合的なものとすることを出発点としていることから、IFRS16号の例示にない項目をあえて追加する必要はない」とした。
また、定性的な例示については、定量的な例示を追加しないなかでは意義が乏しいと分析した。
専門委員からは「開示が促されるなどのメリットがあるなかで例示を追加しないならば、IFRS16号以外の納得感のある理由を」などの意見が聞かれた。
第528回親委員会では、「実務が定着するまでの参考となるよう、教育文書を作成しては」との意見が聞かれた。
⑵ 会計上の見積りに関する開示に関する結論の背景への記載
事務局から、「会計上の見積りに関する不確実性があって翌年度の財務諸表に重要な影響がある場合、見積開示会計基準4項の開示目的ならびに5項および25項の開示する項目の識別に従って開示判断を行うことになる点を結論の背景に記載する」との案が示された。
専門委員からは「あらためて記載するまでもないのでは」との意見も聞かれた。
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