公開日 /-create_datetime-/
法務のノウハウと課題可決のヒントが詰まっている資料を無料プレゼント!
電子署名や契約書作成・レビューなど効率化したい法務担当者がダウンロードした資料をまとめました。全て無料でダウンロードできるおすすめの資料を使って生産性を上げませんか?
眼科医院を運営する医療法人「秀明会」は、グーグルマップの口コミで名誉を毀損されたとして訴訟を起こし、最終的には投稿者に200万円の賠償と投稿の削除が命じられました。
インターネット上の口コミは、商品やサービスの評価を共有するための有益な手段ですが、時には名誉毀損的な内容が含まれることがあります。ユーザーの口コミ1つで、企業の社会的信用を損なうケースもあるでしょう。
そこで今回の記事では、悪質な口コミに対して行われる発信者情報開示請求について解説します。
消費者は、インターネット上の口コミを参考にして購入やサービスを利用するかどうかを決めることが多くなっています。他の消費者の実際の体験にもとづく口コミは、広告や公式サイトの情報よりも信頼性が高く、意思決定の参考にしやすいためです。
とくに高額な商品やサービスを購入する際には、他の消費者の評価を参考にするケースがほとんどです。ネガティブな口コミを見て購入を控えることもあれば、好意的な口コミをみて購入を決断することもあるでしょう。
ここで企業側にとって厄介なのが、名誉毀損ともとれる悪質な口コミです。明確な根拠にもとづいた批判であれば問題ありませんが、匿名制であるのをいいことに、事実とは関係のない口コミが投稿されるケースも多くあります。以下は具体的な例です。
カテゴリ | 説明 |
---|---|
名誉毀損 | 個人や企業の評判を著しく損なう虚偽情報や誹謗中傷を含む口コミ。「この店は産地偽装を行っている」など |
嫌がらせ・脅迫 | 個人や企業を対象にした悪意ある嫌がらせや脅迫を含む口コミ。「この店はすぐに潰れるべきだ」など |
レビュー操作 | 競合他社を意図的に貶めるために投稿された口コミ |
口コミ1つで企業の評判が落ちてしまう恐れもあるため、悪質な口コミへの対処は非常に重要です。
発信者情報開示請求は、インターネット上での名誉毀損、プライバシー侵害、著作権侵害などの不法行為に対して、被害者が書き込み者の特定情報を取得するための法的手続きです。特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)の第5条で定められています。
同法によれば、請求の要件は以下の通りです。
・権利の侵害が明らかであること。開示請求の対象となる情報が被害者の権利を侵害していることが明確である場合
・発信者情報が損害賠償請求権の行使に必要である場合や、正当な理由がある場合
・次のいずれかに該当する場合(「プロバイダが特定発信者情報以外の発信者情報を保有していない場合」「プロバイダが保有する発信者情報が、総務省令で定められた情報だけである場合」「開示された発信者情報では、侵害情報の発信者を特定できない場合」)
こうした法律は、名誉毀損やプライバシー侵害などの被害に対して、損害賠償請求や刑事告訴を行うために必要な発信者の特定情報を取得することを目的としています。また、発信者情報の開示請求を通じて、不法行為をする者に対して抑止力をもたせる効果も期待できます。
発信者情報開示請求のポイントとして押さえておきたいのが、「コンテンツプロバイダ」「アクセスプロバイダ」の存在です。
発信者情報開示請求は、主に「コンテンツプロバイダへの請求」「アクセスプロバイダへの請求」の2つの段階で行われます。コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダの違いは、以下の表の通りです。
コンテンツプロバイダ | アクセスプロバイダ | |
---|---|---|
役割 | インターネット上で情報を提供する | ユーザーがインターネットに接続するためのインフラを提供する |
サービス内容 | SNS、ブログ、動画配信などのコンテンツ | インターネット回線、モバイルデータ通信 |
具体例 | X、Facebook、YouTubeなど | NTT、KDDI、ソフトバンクなど |
保有情報 | アカウント情報、投稿内容、アクセスログ | 氏名、住所、電話番号、接続ログ |
開示請求の対象情報 | IPアドレス、タイムスタンプ、ユーザーの登録情報 | ユーザーの氏名、住所、電話番号、メールアドレス |
まずはコンテンツプロバイダに対して、侵害された投稿に関連するIPアドレスや、タイムスタンプの開示を請求します。その後、コンテンツプロバイダから得た情報をもとに、アクセスプロバイダに対して発信者の氏名や住所などの個人情報の開示を請求するという流れです。
従来は二段階の裁判手続きが必要であり、負担の大きさが問題になっていましたが、2022年施行の改正プロバイダ責任制限法で「発信者情報開示命令事件の手続」が新設されました。コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダに対する手続きが一体的に行われるため、効率が大幅に上がっています。
インターネット上の権利侵害に対する発信者情報開示請求は、企業にとって、ブランドイメージの保護や法的対策のために重要な手続きです。オンラインでの請求手続きや、特定のケースに対する特別な手続きの簡略化など、今後も法改正が進むでしょう。
「プロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドライン」には、プロバイダ責任制限法の概要や、発信者情報開示関係の情報がまとまっています。こうした資料を読み込みつつ、社内共有を徹底することで、社内での意識も高まるでしょう。
■参考サイト
風評被害の実体と効果的な防止策を解説
風評被害の対策と回避策:理解と解決への全ガイド
業務委託契約の基本がわかるハンドブック
【新卒採用トレンド】優秀な人事は押さえている!新卒採用3大トレンド
株式譲渡契約書とは?記載事項や作成時の注意点について解説!
【面接対策】ハイスキルエンジニア学生を惹きつける!必見の面談テクニック!
契約書作成の際に必ず押さえておきたい8つのポイント
2025年の崖に向けてファイル管理の見直しを
2025年の崖とは? レガシーシステムのリプレイスと対策
エアコンを設置する時に使える「省エネエアコン普及促進事業補助金」【新潟県・柏崎市】
IPOにおけるゴーイングコンサーン(継続企業の前提)の重要性と労務の視点
ISMS認証で求められるアクセス管理、クラウドストレージにおけるポイントを解説
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~入金消込の効率が飛躍的にアップ! ティーペック株式会社~
業務委託契約書の書き方のポイントは?知っておくべき基礎知識
【無料】データ活用をスマートに、強力に、簡単に行うには
家賃補助と社宅・社員寮、自社に最適な住宅補助制度の選び方
【新卒エンジニア育成】入社1年で8割が一人前!サイバーエージェントの新入社員育成
事業承継・M&A補助金 11次公募は専門家活用枠のみ!
オンライン秘書とは?起業家におすすめする理由と依頼できる業務を解説
2025年の崖を乗り越えるクラウドストレージの活用
ISMS認証取り消しになる? クラウドストレージのセキュリティリスクを解説
なぜ今、育児・介護支援が健康経営に不可欠なのか?大手企業の実例つきで解説
公開日 /-create_datetime-/