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会社を退職する時には、会社から支給された物品の返却をする一方、必要書類などを会社から受け取らなくてはなりません。受け取るものの中には、転職先に提出する必要のあるものも含まれます。こちらから求めなくても用意をしてくれる会社もありますが、依頼をしないと受け取れないケースもあるので、個人で把握しておくことも重要になります。
今回は、こうした退職時に返却するもの、受け取るものについてご紹介します。
目次【本記事の内容】
会社に入社してから支給されたものは、基本的に会社へ返却します。また、業務を通じて入手し得たものやデータを個人的に保管していれば、返却または破棄しなければなりません。
具体的には、以下のようなものが返却対象になります。
社員であることを証明することができるものは全て返却対象です。名刺に関しては、自身の名刺のみならず、在籍期間に交換した名刺も返却するのが、一般的です。
会社が加入している健康保険組合に、その会社の社員が組合員として加入できる仕組みのため、退職と同時に脱退することになり、保険証も返却が必要です。退職後は、任意継続被保険者制度を利用するまたは国民健康保険に加入するか、転職先が決まっていれば転職先の健康保険に加入することになります。
会社から現物支給されている場合には、退職時に返却します。もしくは、最終給与から差し引かれる場合もありますので、その場合には自分で払い戻します。
制服や作業服、文房具などの備品、会社の経費で購入した書籍、パソコン、携帯電話などは返却します。
業務で使用した資料や入手した書類、ドキュメントなどは返却します。
業務で使用した資料、図面、設計図、作品などのデータがあれば、仮に自分が作成したものであったとしても消去します。パソコンや携帯電話、保存用の記憶媒体などに残されたデータも対象です。忘れがちなところでは、取引先の名刺や連絡先なども含まれます。
最近では、情報漏洩に対して特に敏感な社会となってきたことから、従業員や退職者に対して機密情報の取り扱いを厳密にすることが求められています。中には、自分の作成した作品や資料などの電子データを、個人的に保存しておきたいという方もいるでしょう。しかし、仮に退職後に使用したり開示したりするつもりがなかったとしても、ウィルス感染などによる情報漏洩のリスクもあることから、特に電子データの扱いには注意をする必要があります。
支給されたパソコンなどであれば、返却前に必要なデータの保全をしてから初期化して返却すると簡単です。
退職時に会社から受け取るのは、主に社会保険に関するものです。会社に預けているものや、会社が手続きをして用意するものがあります。
雇用保険の失業給付を受けるために必要な書類です。もしも転職先が決まっていれば使わないので無くても問題ありません。退職後、会社がハローワークに申請をしてから発行されるため、大抵は10日程度で郵送されます。
もし、退職後一定期間が経過しても手元に届かなかった場合には、前の会社に確認をしてもらいましょう。紛失してしまった場合には、ハローワークで再発行の手続きをすることができます。
雇用保険の被保険者であることを証明する書類です。次の転職先へも提出するものになります。受け取っていない場合には、本人が前の会社に問い合わせをする必要があります。紛失してしまった場合には、管轄のハローワークで再発行の手続きをすることができます。ただし、その場合にも「被保険者番号」は必要となりますので、万が一に備えて控えておくとよいでしょう。どうしても分からなければ、前の会社に被保険者番号を問い合わせて確認します。
公的年金制度加入者に交付され、基礎年金番号などの情報が記された手帳です。これも次の転職先へ提出するものになります。
年末調整のために必要な書類です。次の転職先へ提出し、前の会社の分と併せて年末調整を行うことになります。もしも前の会社を退職してから転職するまでに年を越した場合には、提出の必要はありません。
厚生年金基金に加入していた場合には、加入していたことを証明する書類を受け取ります。将来、受給資格が発生した際に自分で請求手続きを行うことになりますので、忘れずに保管しておきます。
※会社に預けている場合のみ受け取ります。
返却するものの整理やデータの保全、消去などは、意外と時間がかかるものです。事務的なものだからとおろそかにせず、計画的に行っていくとよいでしょう。
また、転職先へ提出するものはここでご紹介した以外にもあります。中には、取り寄せる必要があるなど、整えるのに時間がかかるものもありますので、時間の余裕をもって準備をしておくことが大切です。
退職の際に会社に返却するものは、基本的には会社から支給されたものやその会社の社員であることを証明できるものとなります。受け取るものについては、転職先で提出を求められるものや、個人で保管する必要のあるものなどがあります。
返却するものの準備とは別に、データの保全や消去も忘れずに行いましょう。
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