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去る11月18日、企業会計基準委員会は、第536回企業会計基準委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。
年1回の企業会計基準等の要変更事項の確認作業において、公開草案の公表が必要な改正すべき基準等について、次の公開草案が示され、審議が行われた。
⑴ 包括利益の表示
企業会計基準25号「包括利益の表示に関する会計基準」、企業会計基準適用指針9号「株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針」を改正する。
その他の包括利益の取扱いに関して、複数の会計基準等で使用されている用語の一部が、連結財務諸表上の取扱いに関する記載に使用されるべき表現となっていないため、所要の改正を行うもの。
⑵ 特別法人事業税の取扱い
企業会計基準27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」、企業会計基準適用指針28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」を改正する。
2019年に創設された特別法人事業税の取扱いの明確化を行うもの。
⑶ 種類株式の取扱い
実務対応報告10号「種類株式の貸借対照表価額に関する実務上の取扱い」を改正する。
2005年の商法改正に伴い、会社法が公布されたことを受けて削除された商法の条文を参照したままのものを修正するもの。
出席委員全員の賛成で公表議決された(11月21日公表。2025年1月20日コメント期限。公開草案 2024年年次改善プロジェクトによる企業会計基準等の改正(案)の公表 参照)。
第228回金融商品専門委員会(2024年12月1日号(№1728)情報ダイジェスト参照)に引き続き、主に次の審議が行われた。
⑴ ステップ5における未収金,貸付金等の取扱い
ステップ5(一般事業会社に対する検討)において検討の方向性を議論した貸倒引当金の対象となる金融資産等のうち、次の資産について事務局提案が示され、検討が行われた。
① 未収金・・・IFRS9号「金融商品」の単純化したアプローチの対象としない
② 貸付金等・・・ステップ5独自のオプションを設けない
委員からは特段の異論は聞かれなかった。
⑵ 減損の定めの対象に関する検討
IFRS9号の減損に関する定めを取り入れるにあたり、ハイレベルな内容は金融商品会計基準に、それ以外のものは新たに開発する適用指針か、取り入れないこととする方針が示されている。今回は、IFRS9号の項目を取り込むにあたっての具体的な峻別が行われた。
5.5.1項の予想信用損失モデルの対象となる金融商品のうち、リース債権、ローン.コミットメントおよび金融保証契約のほか、5.5.3項、5.5.4項、5.5.5項、5.5.7項、5.5.9項、5.5.10項、5.5.13項、5.5.15項の定めを、金融商品会計基準に取り入れると提案した。
また、信用リスクの著しい増大(SICR)に関する5.5.3項、5.5.5項の定めにおいて「ある金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合」における太字部分の文言を含めないとの提案も示された。
委員からは「『当初認識以降に』の文言は外すべきではない」、「5.5.10項は『できる規定』であり、適用指針のほうがいいのでは」などの意見が聞かれた。
第163回実務対応専門委員会(2024年12月1日号(№1728)情報ダイジェスト参照)に引き続き、バーチャルPPAについて、次の事務局案が示され、審議が行われた。
⑴ 需要家が非化石価値を受け取る権利に関する会計処理
受け取ることになる非化石価値の数量等が確定した段階において、非化石価値について費用処理を行い、対価の支払義務を計上する。
⑵ 対価が差金決済の場合の追加的な論点
非化石価値の対価が差金決済の場合で、対価がマイナスとなるときは、費用から控除する。
⑶ 開示の検討
「契約から生じる損益及びキャッシュ,フローの性質、金額、時期及び不確実性を財務諸表利用者が理解できるようにするための十分な情報を企業が開示することである」とする開示目的を達成するため、契約の概要や当期の費用計上額を開示する。
委員から「⑴について、数量が確定した段階ではなく、移転時や支払時にしては」との意見が聞かれた。
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