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金銭消費貸借契約における遅延損害金と利率の設定方法について|貸主側の契約審査(契約書レビュー)Q&A

公開日2025/01/24 更新日2025/01/24 ブックマーク数
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金銭消費貸借契約の遅延損害金の利率をどのように設定すればよいか

この記事では、「金銭消費貸借契約の遅延損害金の利率をどのように設定すればよいか」について、貸主側からのご相談にお答えします。

目次本記事の内容

  1. 1 相談事例
  2. 2 弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所の回答/a>
  3. 3 金銭消費貸借契約とは
  4.  4.1 遅延損害金
  5.  4.2 利率
  6. 5 本事例の解説
  7.  5.1 遅延損害金の利率に関するルール
  8.  5.2 本事例における上限利率
  9.  5.3 利率を高く設定する必要性がない場合(本事例1件目)
  10.  5.4 利率をなるべく高く設定したい場合(本事例2件目)
  11. 6 おわりに

相談事例

~A社およびA(金銭消費貸借契約 貸主)より~

私(A)は、関西地方で両親が営んでいた衣料品店の事業を受け継いで拡大し、十年ほど前に法人成りしました。現在は、同じ関西地方でアパレルや化粧品の店舗販売・EC通販を行い、数年前に始めた飲食事業も好調です。この度、状況が異なる二者を相手に事業拡大のための資金をそれぞれ一千万円ずつ貸し付けることになり、二件の金銭消費貸借契約の話が進んでいます。私自身も当社も、貸主として金銭消費貸借契約を締結するのは初めてのことであり、貸金業者でもありません。以下のそれぞれのケースにおいて、遅延損害金の利率の設定をどうするかアドバイスをいただきたいです。

一件目は、当社(A社)が貸主当社のグループ会社(関連会社)(B社)が借主です。B社の代表取締役は私の姪であり、姪は英国でMBAを取得した後、当社に就職し修行を積んできました。役員に昇格した後も商才を発揮し当社に大きな貢献をした後、独立。当社の関連会社として、インテリアや雑貨、多肉植物のデザインや販売を行う事業を軌道に乗せてきました。今年、ペット事業を新規に始めることになり、富裕層が多い沿線を対象に、ドミナント戦略として、多店舗とEC通販を短期間で同時に展開するために大規模な初期投資を行うことになりました。ペットの洗練されたライフスタイルを多角的に提案するという地域のニーズに合致した事業であり、成功の可能性が高いと考えています。また、姪とは個人的な信頼関係もあり、B社からの貸金の返済についても心配はしていません。遅延損害金の利率は一般的な数字で良いと思います。

二件目は、私個人(A)が貸主友人の経営者(C)が借主です。Cが代表取締役を務めるC社は、スポーツクラブを運営する会社です。政令指定都市の駅前商店街に新店舗をオープンする準備を進めているのですが、万博の影響もあり、建設業界の人手不足のため工期が延長し、当初のオープン見込みには間に合わないようです。しかし、Cはそのような状況にも関わらず、シャワー室の仕様を変更して、今流行りのロウリュのあるサウナを追加で作りたいと言い出し、そのための資金を個人的に貸してほしいと頼まれています。当該エリアは、サウナは飽和状態であり、昨今のサウナブームもいつまで続くか不明なため、投資が回収できる見込みは厳しいのではないかと思っています。正直なところ、あまり貸したくないのですが、Cには以前、当社の経営が厳しかった時に、今回貸す金額以上の資金を貸してもらった恩があるため断れません。ちなみに以前、私がCから借金をした際には遅延損害金の利率は年14.6%でした。今回、利率をなるべく高めに設定したいのですが、年14.6%が上限でしょうか。

弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所の回答

一件目のご相談のように、遅延損害金の利率を高く設定する必要がない場合は、法定利率の年3%とすることをお勧めします。また、二件目のご相談のように、遅延損害金の利率をなるべく高く設定したい場合につきましては、今回のご相談の場合は、元本の額が一千万円であり、さらに貸主は貸金業者でないため、利率の上限は、年21.9%となります。年14.6%という上限利率は、今回のご相談の場合には適用されません。

以下、詳しく見ていきましょう。
まずは、「金銭消費貸借契約」「遅延損害金」「利率」について、説明します。

金銭消費貸借契約とは

◆WRITER

弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士

企業の海外展開支援を得意とし、日本語・英語の契約をレビューする「契約審査サービス」を提供している。
また、ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。

著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」


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