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「手形」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、実際にどのようなものかを理解している方は少ないのではないでしょうか。
「手形」という言葉自体は古くからあり、もともとは約束する際に文字通り「手の形」を証文に押していたことから名付けられています。ここから派生し、現在では現金の支払い日を繰り延べるための有価証券のことを意味するようになりました。似たようなものに小切手がありますが、小切手はすぐに現金化ができるのに対し、手形の場合は期日が来るまで現金化はできません。さて、この手形には、一体どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
手形取引は、簡単にいうと、支払う約束を記した証文を相手に渡すことで成立する取引です。ただし、この証文を個人が、ただ書いただけでは何の信用もありません。一般に手形取引ができるのは、銀行に認められた企業だけになります。つまり、銀行が間に入ることで、決められた期日になったら確実に現金化されることを裏付けているのです。まずは、この手形取引のメリットから見ていきましょう。
手形取引をすることで、一応はお金を支払ったとみなされるため、実際には決められた期日まで現金の支払いを行っていなくとも商品を購入することができます。つまり、現金が手元になくても、商売の元となる材料を購入することができるのです。
ここで単純に、知り合いから「2ヶ月後には絶対支払うから、今すぐ材料納入してくれ」と依頼された場合を想定してみましょう。
個人的なお願いであれば、なかなか信用することができず材料の納入を躊躇してしまうでしょう。しかし、この時に手形取引にしておけば、材料は購入されたのと同じことなので、安心して納入することができます。材料を手形取引で購入し、手元にある現金は生活費に使う、あるいは従業員の給与の支払いに使うなど、資金のコントロールをすることが可能になります。
今すぐ商品の材料を購入しなければならないのに現金が手元にない場合、最もよく知られた購入手段としては借金があります。つまり、売り上げが2ヶ月後に入ってくるために、その間の運転資金を借金で賄うといった場合です。このような場合、いくら金利の安い金融機関からお金を借りたとしても利子がかかってしまいます。
しかし、このとき手形取引にしていれば利子はかかりません。手形を振り出した時に記入した額面だけが、期日に現金化されるので、実質上利子がかからないのです。
身近な例としては、利用上限が特に定められていないクレジットカードのようなものだといえるかもしれません。給料日まで現金は入ってこないが、生活をしなければならない。そのためにカードで食料などを購入するといったことを、会社でも行うことができるようにしたのが手形取引です。
手形を振り出せるということは、銀行の審査をクリアしたことを意味しています。銀行側も、誰彼構わず手形を振り出せるようにしていたのであれば、支払えない会社が続出して社会に混乱をもたらしてしまいます。そのため、しっかりと厳しい審査を設けているのです。手形を振り出せる会社には一定の信頼があるといえます。
手形取引には上記のようなメリットがありますが、一方で、次のようなデメリットもあります。
手形を振り出すためには収入印紙を貼らなければなりません。収入印紙代は、500万円の手形で1000円、3000万円の手形で6000円など、取引の金額によって変化します。手形で振り出す金額に対し、収入印紙にかける費用は割合的に少なく思えるかもしれませんが、手形取引の機会が増えて積みあがると思わぬ出費になるでしょう。また、その場で現金払いをしていれば必要のない費用なので、出て行くのが惜しく思えるかもしれません。
「不渡り」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。手形が期日になって現金化される際に、当座預金にお金が足りなかった場合を「不渡り」といいます。
不渡りを出すと、すべての金融機関に通知が行き、さらに半年以内に2回不渡りを出した場合は銀行取引が停止され、2年間融資が受けられなくなってしまいます。
倒産の危険性がかなり強くなるというわけです。
手形取引を利用していない場合は、「あと3日で売り上げが入ってくるから少し待ってくれ」、と取引先に支払いを待ってもらったり、金融機関からお金を借りることで危機を避けることができますが、手形取引をしているとこのような回避策はありません。
手形取引のメリットには、利子をかけずに現金払いを延期することができることにある一方、収入印紙代がかかったり不渡りを出すとダメージが大きかったりするデメリットがあります。
現在では、およそ40%の企業が手形取引をしているといわれています。手形取引は、戦後の日本の発展を支えた取引方法のひとつで、使い方によっては今後も会社の発展に貢献するでしょう。
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