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少子高齢化や労働力人口の減少に伴い、外国人労働者への関心が年々高まっています。しかし、外国人雇用の流れは日本人雇用とは異なり複雑です。外国人の採用の手続きについて、企業の人事・採用担当者の皆さまは、次のようなお悩みがあるのではないでしょうか。
「この人が持っているビザで、うちの会社の仕事をしても大丈夫なの?」
「ビザの変更が必要な場合、会社がどこまでサポートするべきなの?」
「この候補者の学生ビザを就労ビザに変更するには、どうすればいいの?」
「就労ビザが下りるまでにどれくらい時間がかかる?その間、他の準備は?」
「雇用契約書は日本人用のものとどう違うの?注意すべき点は?」
「職場のメンバーとうまくやっていける?日本に慣れるまでのフォローアップは?」
この記事では「海外にいる外国人を日本に呼び寄せて採用する場合」「日本にいる外国人を中途採用する場合」「留学中の外国人を採用する場合」に分けて、外国人の採用・雇用手続きの基本をわかりやすく解説します。
外国人が日本で働くためには適切な就労ビザを持っていることが必要です。内定の際には必ず在留カードを確認して適切な就労ビザを持っているかを確認しましょう。
もし適切な就労ビザを持っていない場合は、在留資格(就労ビザ)変更の手続きが必要です。また、海外にいる外国人をこれから呼び寄せる場合は、在留資格(就労ビザ)認定証明書交付申請を行います。
就労ビザは希望すれば誰でも取得できるわけではなく、就労ビザを取得するためには「在留資格該当性」「上陸許可基準」「相当性」の3つの要件を満たす必要があります。
在留資格相当性とは、日本での活動内容が申請する在留資格(就労ビザ)の活動内容とあっているかを指します。
例えば、IT企業でシステムエンジニアとして雇用されることが決まった場合は、「技術・人文知識・国際業務」ビザに該当しうることをいいます。
上陸許可基準とは、在留資格(就労ビザ)ごとに決められている学歴や職歴などの条件を満たしているかどうかの基準をいいます。
例えば、母国の4年制大学で情報処理技術を専攻して卒業した外国人が日本のIT企業でシステムエンジニアとして雇用されることが決まり、「技術・人文知識・国際業務」ビザの申請をする場合は、学歴要件を満たすので「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得しうることになります。
相当性とは、これまでの在留態度や法律違反の状況、人道的観点から特別の配慮が必要など日本に滞在するのが適当な理由があることをいいます。主に既に日本に滞在している外国人の在留資格(就労ビザ)変更申請、在留期間更新許可申請の際に考慮されます。
例えば、留学ビザから就労ビザへ変更する場合に、留学ビザで滞在していたときに退学していないか(これまでの在留が適切であったか)、資格外活動許可を得ず就労していなかったか、また資格外活動許可を得ていたとしても週28時間を超えて働いていなかったかなどが判断材料になります。
相当性は総合的に判断されます。わずかな違法であっても回数を重ねれば不許可処分になってしまう可能性があります。
外国人が日本で働くためには原則として就労ビザを持っている必要があります。しかし、就労ビザを持っていなくても資格外活動許可申請を行い、許可されれば、週28時間以内という制限はありますが働くことができます。
この週28時間はどの曜日から起算しても週28時間以内である必要があるので、シフト管理、勤怠管理に注意が必要です。例えば、ちょうど週28時間のシフトを組んだ場合、どこかで少しでも残業が発生したら別の日にその時間分を減らして調整する必要があります。
また、留学生で学校の長期休暇中は1日8時間、週40時間までの就労も可能です。36協定を締結していたとしても1日8時間、週40時間以上働くことはできないので注意しましょう。
▶参考情報:資格外活動許可については下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。
・資格外活動許可申請が必要な場合、不要な場合とは?就労ビザ申請に強い法律事務所が解説
海外にいる外国人を日本に呼び寄せて採用したい場合は、採用日までに4か月ほど余裕を持って手続きします。具体的な手順を見ていきましょう。
◆WRITER
弁護士 小野 智博(おの ともひろ)
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
慶應義塾大学環境情報学部卒業。企業のDXサービスについての深い理解に基づき、企業法務を提供している。国際業務を得意とし、日本語・英語の契約書をレビューする「契約審査サービス」や、「外国人雇用マネジメントサービス」「ビザ申請サービス」などを展開している。また、ECビジネス法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約・プライバシーポリシー・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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